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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
82/199

第2章 海上の侵入者 No.5

「よく走ってんな……」


ガルシアは甲板上の塀に持たれたかかり、カミルの様子を“ボーっ”と見ていた。


「カミル!こっちに来てくれ!」

「イエッサー!」

「おい!坊主!こっち来て、手伝ってくれ!」

「任せて下さい!」


カミルは慌しく走り回り、どんな人でも全力で協力した。

ボスになって1日目。

予定航行は1週間の予定だったが、海の兼ね合いで、最終航行をあと1日延期になっていた。まぁ、ちょっとした誤差だろう。

いよいよ、あの有名なダマスア王国だ。

温暖な海、賑わう商店、絶品ともいえる食事!

そして、最高傑作として“奇跡のカレー”!!

しかも、日々カレーの技術が発展しており、世界一美味しいダマスアのカレーが噂になっていた。凄く楽しいだ!!!


だが近年、王と騎士との差は差が開き、差別ともいえる無茶ぶりが横行していた。

本来、騎士は強い力、組織の結束力などの影響などで、悪い王がなると見切りをつけクーデターを起こし、新しい王になるだが、それをしなかった……何故だか、分からないのだが…。

“まぁ、その時の文化、事情があるのだろう”

そう言って、ガルシアは気にも止めなかった。


「おーい!カミル!休憩するぞ!どこの誰かさんが、◯ロをぶちまけて、ダメになったが水はタンマリあるぞ!」


その船員は、こちらを一瞬“ギロッ”睨んでカミルの方に向き合った。


「ん?あっ、ボスだ!一緒に休憩しませんか?」


カミルは“ニコニコ”しながら、大きな腕目一杯、手を振った。


「いや、いいよ」

「そうすっか?いつでも良いので言って下さいね!」


カミルはそう言って、奥の部屋に戻っていた。それを見た、ガルシアは大きなリアクションで、ため息をついてしまった。


「そんなこと出来るわけないだろ?」


昨晩、カミルとの練習試合で拍手喝采を受け、見直したが、ほんのごく一部で恨んでいる人が多い。

だから、カミルと一緒に行こうものなら一瞬で凍りつき、10分も経たず逃げてしまうのがオチなのだ。


「そんなにため息が好きなのか?」


俺は“ビクッ”となり、後ろを振り返った。そこにいたのは“ガストン”だった。


ガストンは普段ならラフな格好をしているのだが、今回は正装に着飾っていた。


「どうしたの?それ」


ガストンの姿を見てビックリした。


「そりゃ、正装だよ……って、正装は前日、衣装合わせしないといけないっていうルールがあるって知らなかった?」

「知らない」


俺は目が点になって言い返した。


「おっおー……オッケー。だったら、今から正装の準備しろよ」


ガストンはため息をつきながら呆れてしまった。だが、ガルシアはここにきて追い討ちをかける。


「え〜当時でいいじゃん。当時は“ビシッ”と着替えるからさぁ」

「バカやろう!!」


やる気のないガルシアは“明日にしよう”と提案したが、それに対してガストンは激昂した。


「当時、集められませんでしたじゃシャレにならん!すぐに、着替えてこい!」


俺は渋々、着替えに行った。だが、ここに来てハプニングが起きてしまった。本来あるはずの正剣(行事などで使われる)がないのだ。あと、鎧のプレートがキツい、靴が入らないなどハプニングの山々。とりあえず、正剣はカミルの方(カミルが盗んでいました…奇跡!)を代用して、後は我慢で乗り切った。


「やっぱり、準備が必要だよなぁ……」


俺は“ポツリ”と呟いたが、ガストンはその言葉に容赦ない言葉を浴びせた。


「だから、言ったじゃん!こういう事が起きるから、準備が必要ね!」


俺はガントンに対して、まるでボクシングで連続でラッシュを浴びせられたような如く“フラフラ”になってしまった…。


「反省します……」

「よろしい!!」


ガストンは何故だか、誇らしげに背筋を伸ばした。

“このことに関しては反省……”


あと1日…。

それに耐えれば、憧れの『ダマスア王国』だ!


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