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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
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第4章 故郷 No.1

「ドンドン!!」


朝方、大きなドアが響く。ガルシアはぐっすり寝ていたのだが、大きなドアで目が覚める。


「んー…うるさいなぁ…」

「ドンドン!!」


本当はたぬき寝入りしようと思っていたのだが、やかましいドアの音で段々イライラしてきた。


「ドンドン!!」「ドンドン!!」「ドンドン!!」


流石に堪忍袋の緒が切れた。無言でドアの方向に行き、勢いよくドアを開いていた。


「やかましいわ!!何のようじゃ!」


怒りでドアを開いた。

そこには信じられない光景が広がっていたのだ。その光景とはドアの前に10人。いかにも、や◯ザのような格好した男だ。そして、ドアの前にいるとガルシアは冷静になり声のトーンが静かになってしまった。


「えっと…どちらかさんでしょうか?」


一瞬でボスだと分かる格好をしている男を見た。その男とは見た感じ身長は175センチぐらいの中型の男で髪は茶髪だ。うーん、どこかで見たことがあるような…


「ゴホン!ガルシアさんですか?申し遅れました。峠のキバの使者の物です。お会いして光栄です。なんせ、ずっと見ていましたから」


あっ…思い出した!マクロスの隣でずっと横にいたあの人だ!だから、見たことがあると思ったんだ!けれど、偽名は使えないなぁ…ん?そもそも、何処からここにいる事が分かったんだ?ガルシアは頭の中で犯人探しをしていると、突然、峠のキバの使者という人は喋り出した。


「見つかりこない!…と思ったんでしょう。甘い!甘いです!」


峠のキバの使者は「ニヤリ」と笑って、肩にかけていた封筒を取り出した。そして、ガルシアの方へ差し出す。そして、ガルシアは恐る恐る封筒を開ける。中には一枚の文章が入っていた。


『オマエ、なめてんの?』


と、ガルシアはその手紙の衝撃でプルプル震え出し、頭が真っ白になる。手紙は割愛するが要はこの内容だ。

『峠のキバから出た時、信用ができなくてコッソリ後をつけた。バレないと思って、案の定、すぐ隣の藩上に住むわ。偽名は使うわ…』

ガルシアはあまりにもバツが悪くて、その手紙を読むのをやめた。クッソ〜バレてたか…言い訳を考えないと。ガルシアは言い訳を考えている内に、ベルが起きてきた。


「ふぁ〜何かあったの?うわ!」


ベルはあまりにも大人数でビックリして目を開いていた。今、言い訳を考えいるから余計なことをしないでくれよ!


「おや?お二人ですか?二人だったら、手間が省けますね。さぁ、問答無用で北へ出て行くか?何らかの理由で留まるのか?決めてもらいましょう」


峠のキバの使者は「キラリッ」と目を光らせた。クッソ〜どうする!?どうする!?あっコレは使える!

ガルシアは「フッフッフッ」と満面の笑みを浮かべた。


「分かりました。すぐに出ます。おい、ベルすぐに旅に出るぞ」

「えっ、でも…」

「仕方ないよ。ほらすぐに旅に出ないと、お客さんも帰れないでしょ!あっ、すぐに支度しますので少し待ってもらって良いですか?」


ガルシアは荷物をまとめるために峠のキバの使者を帰らせた。


「オレは、町を出るのは反対だぞ」


暫くしてベルは真剣に応えた。まぁ、無理もないわな。ここから北に行くと寒いし、魔物は強くなるし、凶暴になるし…ろくなことがない。だから、南の方に出たがるのだ。


「まぁ、落ち着け。要は、藩上の町から出た方がいいんだろ?一日経って、また戻って来ればいい。その頃には緩くなって歩きやすくなるって」

「…お前、頭がいいな!では、早速、荷物を片付けよう!」


機嫌が治ったのか、ベルの顔が明るくなった。俺の計画はこうだ。俺とベルは北の「峠山」と呼ばれる町を目指して旅に出るが、あまりにも道が険しくて途中で引き返すという寸法だ。まぁ、1日は野宿かもしれないが我慢して、すぐに藩上の町で暮らせば良い(^^)

こんな、治安の悪い町じゃ分からんだろう。


数時間後…


思っていたより時間がかかってしまった。荷物を必要最小にして、予備も想定して2、3日持っていれば大丈夫だろう。

ガルシアとベルは北へ向かうべく、峠のキバの使者と共に歩いていた。そして、峠のキバの使者は「ピタッ」と足を止める。


「私たちの仕事はここまでです。お疲れ様でした。ゆっくり旅を楽しんで下さいね」


峠の使者はこの言葉に似つかわしくない、真顔でその言葉を行った。フッフッフッ今に見ていろ!明後日にはここにいるのは俺だ。

「それでは」とお辞儀をしていこうとすると


「あっそうそう、江上国の特別兵隊「忍者」という集団が是非ともやらせてくれ!という話があったので、特別に峠山の町まで護衛してくれますよ。まぁ、引き戻したり、攻撃したりしたら容赦なく反撃するよう指示が出ていますけどね」


マジで!!やられた!!マクロスは頭が回ることを忘れてた…。ガルシアは頭を抱える。そして、峠のキバの使者は「キラリッ」と目が光る。


「もしかして、藩上の町から出戻りしようとしていましたか?甘い!甘いですよ!ガルシアさん。うちのボスはすべてお見通しですからね!さぁ、戦争が起きないように峠山の町まで行ってもらいましょうか!」


峠のキバの使者は「ガハハハ」と大声で笑った。クソ〜だから嫌だったんだよ。俺が考えてた事はすべて見透かされるし、全然良いことがないじゃないか!


「では、良い旅を」


峠のキバの使者は勝ち誇ったかのように腕を上げ、ブンブンゆっくりと振り回した。そして、ガルシアとベルは足元が重かった…結局、峠山か…

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