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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
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第2章 海上の侵入者 No.2

シャ、シャ、シャ……。


男は剣に磨きをかけるべく必死に研ぎ石を磨いていた。

ここは中型船の暗い部屋。ここには似つかわしくはない、12畳と“ポツン”と置いてある、一本の太い線が薄暗く、そして恐ろしさを物語っていた。


「ん……?」


どうやら、失神してたみたいだ。下半身の所が“ビッショリ”と濡れている。

“うぁ……マジで恥ずかしい///

どこか見つからないようにしょう…”と思った矢先、腕が動かない!しかも、口を塞ぐために、猿ぐつわで固定していた!


「ん!んーん……」


少年はジタバタして抵抗していた。すると、ある男が動きを止め、ゆっくりとこちらの方に向かって歩いてきた。


「ん!!!」


よく見たら“ガルシアさんだ!”

ガルシアは師として心に決めていたのだが、普段の近況の様子を見て“果たして師を呼べるものかなぁ…?”と疑問を感じてしまった。だから、タイミングを踏み止まっていたのだ。

“このまま隠れていようかなぁ?”と思った矢先、見つかってしまった!


コツン、コツン、コツン……。


ガルシアの足音が次第に大きくなってくる、やがて足を止め、無表情で口を開いた。


「なぜ、この船に乗り込んだ?」

「ん!んーん……!」


ガルシアは不機嫌そう顔で喋りかけた。


「そっかぁ……しゃべりたくないんだ……だったら」


ガルシアは右手で握り締めた剣を挙げた。

“猿ぐつわ!猿ぐつわ!しゃべれないの!?”

少年はパニックになりながら、最後の声を振り絞った。


“もうダメだ…”


と諦めそうに感じだ矢先、奇跡が起きた!


コンコン…。


その音を聞いた瞬間、見知らぬ男はゆっくり歩み寄った。その姿は“ガストンさんだ!”

普段なら何も感じないガストンだったが、今は天使のように感じた。


「コラコラ!何してんの?」


その声を聞いた、ガルシアは“クルッ”と180度向いて言った。


「この少年に尋問しようと思って……」


ガルシアも“しどろもどろ”のような感じだ。


ガルシアは陸の上なら立場的に上でも、海だったら立場が下である(船には一種のコミニティーがあり、色々やらかしたガルシアなら、立場にせざるを得ないから)

ガストンはため息をつきながら、こう言った。


「船の中で剣を振り下ろさなくてくれよ。船が臭くなる」

「前言撤回!!!」


“常識的なガストンでも、こんな発言するとは知らなかった……”

少年は“死ね死ねリスト”上位にランクアップしてしまうぐらい、憎悪で満ち溢れていた。

“ガストン!◯す!”


「んーん!ん!…」


少年は何度も何度もバタバタして諦めず、必死になっていたら幸運が迎えにきた。


「ん?何か言いたい?よし!分かった!最後の言葉だ」


そう言ってガルシアは少年の猿ぐつわを外した。


「ガルシアさん!アナタの師匠になりたいんです!どうか、お願いします!」


少年は話すなりに、すぐに言葉を発していた。それはそうである。なんせ、死ぬか生きるかの瀬戸際であるからだ。


「えっ!でもなぁ……」


ガルシアは命ごいをするかと思ったが、突然のお願い発言!しかも師匠に弟子入りは、まんざらでもない。

ガルシアは明らかに鼻の穴が空いていた!

“よっしゃ!ひと押しだ!”


「私の名は“カシム・ゴンザレス”といいます。モスト帝国とダマスア王国とのハーフにございます。先日、ガルシアさんの戦いを拝見しまして、本当に感動しました!」


カシムは必死になって訴えきた。


「だから、強制送還も覚悟の上です!どうか、働かせて下さい!」


ガルシアは必死になってお願いする、少年の姿をいたく気に入ってしまった。


「なぁ、この少年…何だっけ?」

「カシムです!」


カシムは真剣にな眼差しで、ガルシアの方を見つめる。


「そう!カシム!聞けば良い感じだし、師匠である、俺のセンスとして良い感じ!」


ガルシアは“まんざら、そうではない!”というような感じがしてきた。

“よし!もうひと押しだ”


「しかし、師匠なんてなぁ…こんな面倒くさいこと俺は嫌やぞ」


と言っている隙に、カシムは縄を解いた。そしてカシムは、すかさず土下座をした。


「ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!どうか、カシムを手となり、足となり遠慮せずに使って下さい!」


ガルシアは悩んでいる隙に、強引ではあるが了解を取り繕っていこうとした。


「おいおい!まだ、決めてないぞ!」


ガルシアは焦って返答するも、カシムは必死なって懇願した。

それを見たガストンはため息をついた。


「分かったよ!」


“よっしゃ!命は免れた!後、数日ガルシアの様子を見てダメだったら、逃げよう!”

そう思って“最初の指示は適当にやると怪しまれるから素直に従おう”と感じてニコニコの顔で指示に従った。


「では早速、何にしましょうか?」

「船員の助手」

「へ??」


カシムは“何言っているのか?”を解らないまま、立ち尽くしてしまった。


「だ・か・ら!船員の助手!今から言って、文句を言わず頑張ってこい!」


“もう終わった……”

人生でこの期間。理不尽な状況があったと思うけど、ここまで理不尽なことはなかった。

カシムは思考停止になっていたが“世の中には甘くない。だったら、ゴールを決めてゴールしたら直ぐに撤退しょう”と思い、実行した。


…ちなみに、ガストンは“敵”とみなし少しでも触れように思うのなら“シャーッ”という言葉を発していた。


残りあと、2日。


果たして、ダマスア王国の儀式、マナー、生活な文化などを聞いているのだろか?

少し気をなるが、新天地へ確実に進んでいるのであった。

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