表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガルシア戦記  作者: 千山一
第2巻 砂漠の女王
57/199

第2章 砂漠の姫No.8

チャンドラは黙々と歩いていた。もちろん、焦っていたなんて嘘になる。しかし、指揮官である私が冷静でなければいけなかった。


「ねー少し休憩しましょうよ?突然、崩れてしまってパニックになるのは分かるけどさ…」


チャンドラは“クルッ”と向き合って、ガルシアの方に詰めた。


「何、言っておるのじゃ!一分一秒の戦いじゃ!」


ガルシアは圧倒的な返しにタジロッてしまった。


「分かれば良いのじゃ。ほれ、行くぞよ」


チャンドラは“クルッ”と180度返り歩き始めた。すかさず、アゼルが話掛けてきた。


「姫様!待って下さい!ここは、焦らず体系しましょう」

「……そうじゃな」


チャンドラはアゼルの話を聞いて納得した。


「うむ、どのようにすれば良いんじゃ?話してみい」


チャンドラはアゼルと向き合った。


「はっ!では、ガルシアが前線で姫様と私が後方で姫様をお守りするのはどうでしょうか?」

「ちょっと待て!」


ガルシアは理不尽な案を通るのが我慢にならなかった。


「なんで、俺なんだよ!納得いかねーよ」


アゼルは予想していたのか、ガルシアの肩を組み“そっと”小さく呟いた。


「んなこたぁ、分かっているよ。けど、もし姫様がもしもの時があったらどうすんの?パーッと全額損するだけでなく責任を持って命狙われるよ?…まぁ、ガルシアのことだから負けないかもしれないが後味が悪いだろう?」


ガルシアも“ぐぬぬぬ”と苦虫を噛み潰したようだった。


「分かったよ……」

「よし!成立!さぁ、ガルシア君!前へ行きたまえ!」


アゼルも調子に乗ったのか元気よく口にした。


「……なんかムカつく」


ガルシアは何故か納得できないが従うしかなかった。


数時間後ーーー


瓦礫に関して不運しかなかったが、これでやっと地上から帰還できる!

安堵感とワクワクが止まらなかった。


「やっと帰れるのう。帰ったら手拭きで拭いて、ちょっと食べようかのう」


チャンドラはそう言って呟いた。

ガルシアも“そう思うのは俺だけじゃなかった”と感じてしまった。

“ん?これってフラグじゃないよね?”

ガルシアは凄く嫌な予感がした。


「姫様!もうすぐ着きますよ!」


アゼルは“ニコッ”と笑顔で言った。


「なんか、嫌な予感がするんだけど……」


ガルシアは“ブルッ”と悪寒がした。


「何言ってんだ!そんなことある訳ないだろう?……いた」

「えっ?」


まさにその嫌な予感が的中したのだ。クーデター側の敵兵と鉢合わせしたのだ。

敵兵も予想しいなさそうで“えっ?”と面食らってしまった。しかし、ガルシアは経験豊富で、すぐさま剣を振り下ろした。


「ぐわッーー!!」


敵兵の雄叫びはこだまし、敵兵は膝を崩れて倒れてしまった。

それを聞きつけた敵兵はゾロゾロと駆け寄った。

1、2、10、30……

ガルシア一同は判断の切り替えしが早く、すぐさま反対方法に走って逃げた。

“今はモンスターより人間だなぁ”

つくづく人間の恐ろしさを知ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ