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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
43/199

第7章 バスティア決戦No.15

ーーー盗賊の館。

【ルク】の町の東北に位置する所で、この場所はバスティアから良く見えていた。

最近、盗賊の本拠地はここに決めていたのだが忍者(江上軍)が攻めてきて一日中に制圧。二日には全て整っている状態になった。

その本部に女性がテーブルに腰掛けていた。


「う〜ん…」


その女性は何やらぶつぶつ言いながら呟いていた。その女性の名は【リナ・アンダーソン】。ロイドに代わって江上軍の指揮を取るのである。

コンコン

リナの正面に置いてあるドアが叩いていた。


「失礼します」

「は〜い」


リナは間の抜けた返事をした。男はドアを開け男は深々と会釈をする。


「どうしたんですかぁ〜?ジャックさん〜?」


ジャックはカチコチになりながら籠ってしまった。


「あの…言いにくいのですが…前にも話した通り頭領が捕まえられたという話をしたと思いますが…ごにょごにょ」


リナは最後の文面が小さすぎて聞き取れなかった。


「最後の言葉が小さすぎて聞き取れなかったですぅ〜。もっと聞こえるように言ってくれませんかぁ〜?」


ジャックはまだ心の準備ができていないのか、トーンが小さめである。


「ですから…ごにょごにょ…」


突然、リナは「バンッ」と叩きつける。よく見ると顔には青筋が入っていた。

ジャックはその顔を見て一気に青ざめる。そして覚悟を決めて背水の陣で言った。


「ですから、ベル様、ガルシアさんも捕まってしまいました!」

「………」

「………」


数秒なのだが、まるで数時間長いかのごとく時はすぎて言った。


「……あの、副頭領、大丈夫ですか?」

「……ちょっと、外に出てきますね?すぐに帰ってきますから」


そう言ってリナは無言で奥の部屋へ歩き出した。その時の顔はハッキリ覚えている。まるで鬼の形相なのだ!今まで女性を怒った顔を見てきたが、これ程まで鬼の形相を怖いと思ったらことはない。

やがて、リナは無言で奥の部屋にいき「ドスンッ、ガジャンッ、ドガッン」と大きな声が響きた渡った。

そして、何事もなかったようにリナはニコニコ帰ってきた。

「マジで何なの?この人怖い…」そう思って、ジャックはビクビクしているとリナから作り笑顔を振りまいていた。


「ゴメンなさいですぅ〜この壁、なんか壊れてみたいで…落ちてるみたいですぅ〜奥の部屋、直して下さいね❤︎」

「………了解致しました」


「イヤイヤ、そんなことはないやろ!」と心の中でツッコミを入れたが副頭領(リナ様)が怖いので黙っていた。


「ところで、私決めましたぁ〜あと1日でバスティアを攻めるので全軍よろしくですぅ〜」

「………1日ですか?」

「はい〜❤︎」


リナはジャックの顔が青ざめるのを裏腹に笑顔で応えた。


「…了解致しました。ですがこの指揮、誰が取るんですか?」


ジャックはビクビクしながら聞いた。

なんとなく予想はついていたが、考えたくもないと思い聞いた。

何故なら初めての指揮を押しつけるような予感がしたのだ。


「う〜ん…ソラさん?」


「やっぱり…」と嫌な予想はついたが、頭より先にツッコミを入れる。


「ダメですって!そりゃ、ソラさんはメチャクチャ優秀指揮官ですよ!ですが、初めての指揮で全軍進めるなんて…荷が重すぎます!」


ジャックは「しまった…」と後悔した。


「【じゃかぁしいんじゃ!】って言われますよぅ〜」


リナが一瞬、鬼の形相になったのでジャックは何も言えなかった。


「了解致しました…すぐに手配します。ですが、副頭領は何処に行かれるんですか?」

「成敗しますぅ」

「………えっ?」


ジャックは目が点になった。


「ですからベルとロイドを成敗しますぅ〜だって、好き嫌いじゃないでしょぅ〜?堪忍袋の尾が切れましたぁ〜ですから成敗してもいいんですぅ〜」


ジャックは「なんつう事を言ったんだ…」と背筋が凍った。

「ふとッ」よく見ると良くみると青筋を立てて右手がプルプル震えていた。


「じゃあ、あと宜しくですぅ〜こちらも出る準備をしますぅ〜」

「了解致しました。副頭領だけで心許ないので、何人かは着いてきますよ。よろしいでしょうか?」


ジャックは最後の抵抗として同行の許可をとった。しかし、副頭領は優秀であるが家族になると無茶をする…頭抱えるしかほかならなかった。

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