第7章 バスティア決戦No.14
カキィン、カキィン…。
俺の名は元ロマーノ王。
「勝って、兜の緒をしめよ!」と言われるが、あまりにも眠たすぎて、あくびが出てしまう…。
俺は生まれて2万数年生きているのだが、あまりにも暇すぎてロマーノ王国を滅亡してみようと思い、ワクワクした感じで接近した。
ただ、魔族が侵略したと思うとあまりにも簡単のため面白くない。そこで自分の中で縛りを設けて侵略することにした。その縛りは【ロマーノ王になりすまし、自分ではない人間で侵略する】とのことだ。
まず初めにロマーノ王と会いに行った…そこまでは良いのだが、このロマーノ王は人格者でトップとして【人の為に】を重んじて、誰よりも努力し、誰よりも下の者を見る人だった。
本当に面倒くさい…しかし、幸運なことに一人になる場面が訪れた。
そこでそのロマーノ王を、そそのかし見事に本人の姿に現したのだ!
しかし、そこからもっと大変で人にやらかすことに対して縛りに置いていたのだが、まぁ、失敗、失敗…。
心が折れそうになり、ロマーノ王国を滅ぼそうと思った矢先、天は味方してくれたのだ!
救世主の名は【ベル・アンダーソン】。ベルの登場である。ベルは黒竜という珍しい竜を従い、縦横無尽で暴れた。俺はワクワクし、ベルの顔が絶望感になるのを想像し思いとどませていった。
けれど、これはなんだ!
人は弱いと思ってしまったがこれ程までかも思ってしまう。
「もういいよなぁ…」
確かにベルを含めたベルの父。つまり頭領は立派だ。何よりも報告に上がっているロイドは剣の技術もあるし、何よりもずる賢い!
これも高得点だ!しかし、所詮は人間。どうあがいても魔族には劣る。
他の人間はクソだ!特にガルシアと言われる人間は、うるさくて敵わない。
そして魔族は欠伸をして眠たそうにしていたが、ようやく立ち上がり右手を振り下ろした。
ドォーーーン
ガルシアは一瞬で脂汗をかき目を見開いた。
おいおいおい、シャレにならねーよ!
「あれ?外したか?」
魔族はガルシアの方に向き、ゆっくりとガルシアに向かって近づいてきた。
「まぁ、殺された方が良かったかもしれんなぁ…これから始まる殺戮ショーに比べたらな!」
魔族は不敵な笑み浮かべ攻撃を始めた。
カキィン、カキィン…
ガルシアの剣は魔族の間に、こだまする。もちろん魔族は素手でだ。しかも、こんなに一生懸命剣を振っているのに、魔族は一向に当たらない。むしろ、おままごとをするように剣を受け止めている。
「おいおいおい、せっかく遊んでやっているのに邪魔が入ったなぁ…。まぁ、いい。予定変更だ。まずはロイドとベルは殺す。その後、ゆっくりガルシアを痛ぶってやるからな」
魔族はそう言って、素早くロイドの前に立った。そして、ロイドの胸を一太刀。
ドゴォーーー。
ロイドは一瞬で、ピクリッと動かなかった。ベルはその光景を見ていたが、驚いて身動きをすることはなかった。
そして、魔族は「ニヤリ」と笑い、ベルの方によってくる。ベルは後ずさりをしていた。
「…あぁ、こっちくんな!」
ベルはなんとも言えない剣を振って、魔族がこちらに来ないようにしていた。
「傷つくな…安心して!別にロイドは殺しちゃいないよ。美味しいのはとっておくのが決まりでね」
ベルはその言葉のことを聞いて、悟ってしまった。
「こいつ、確実に殺されてしまうな」
そう思うとベルの心臓の鼓動が高まり、ますます剣を振ってしまう。
「仕方がないなぁ…」
魔族はとんでもないスピードでベルの張り手をして、一瞬で身動きも取れなくなったしまった。
「今度は俺の番だ…」
ガルシアの鼓動が高鳴る。
「さぁって、今度はゆっくり遊びましょうかね」
魔族はゆっくりとガルシアの方に向かう。
コツン、コツン、コツン…。
ガルシアは「何か武器になるものはないか?」と周囲を見渡す。
「あった!宝物庫だ!」
ガルシアは魔族の目もくれず、一心不乱でダッシュする。
「おや?宝物庫ですか?…まぁ、いいでしょう。そこで最後の武器を取りなさい。…まぁ、最後になってしまいますけどね」
魔族は「ニヤリ」と笑い、ガルシアが向かった宝物庫をゆっくりと向かう。
ガルシアは急いで、宝物庫を開け「何か強力な武器がないか?」と見渡す。
「どれが、どれだが分からん!」
ロマーノ城は普段は綺麗にしているのだが、宝物庫になると関係者しか使っておらず、ごちゃ混ぜになってしまったのだ。
ガルシアはそれでも武器を探す!それぐらい、切迫詰まっていたのだ。
「これだ!」
ガルシアは普段使っていない、みすぼらしい剣だが焦ってしまっていたのかガルシアは急いで剣を取る。
ピカーーー!
剣を掴んだ瞬間、ガルシアの体は全身光が帯びる。
すると、剣を持ったガルシアは自信に満ち溢れた姿になり魔族と向き合う。
「宝物庫はありましたか?まぁ、ないでしょ…バ、バカな!」
ガルシアの焦りは魔族の方に映っていった。