第1章 はじまり No.4
ピチョン、ピチョン…
深夜、薄暗い牢屋。月の光が灯していた。二人は反省して落ち込む所か、反対にイライラしていた。しかも、一人は「イライラ」、もう一人は「シュン…」となっていた。
「ガルシアさん、勘弁してくれよ…」
「シュン」としている方がベルだ。ベルはガルシアの方に向かって正座しビクビクしていた。反対にガルシアはというと、ガルシアはベルに対して背中を向けて微動に動かなかった。
「本当ゴメンよ…。ガルシアがトイレに行った後、客がちょっかい出してきたんだ。初めは無視しようと思ったんだけど、あまりにもしつこいもんなだから…堪えきれず殴っちゃった❤︎」
「むかっ」逆撫でするのは何故だろう。けれど、ここで口を挟むと、余計イライラしてしまう。ここは黙っておこう。暫く沈黙が続く
「なぁ、もしも、もしもだけど、ここからすぐに出られるとした、どうする?」
ガルシアは暫く黙りこくてみたが、あまりにもアホそうな回答などで応えることにした。だって、ここは屋上だよ!たとえ出られたとしても、下に行くには大量の兵士がいるし、仮に出られたとしても逃亡犯ですぐに捕まるのに、不可能だよ。
「あぁ、出られたらな。けど、それは不可能でしょう」
「ふふふ、甘いな。甘いよ、ガルシアくん」
ベルは「ニヤリ」と笑みを浮かべた。うーん、ますます「イラッ」としてくる…。どうしてベルはイライラするのだろうか。
「まぁ、見てなさいよ」
ベルは背中を向けて「オェッ」と吐き出した。そして「クルリッ」と向いて、手にある物質を握り締めていた…火薬弾だ。
「おい、それ、何処から持ってきた」
ベルは「えっ、分からないの?」と一瞬、顔をし、その後当たり前ように言った。
「お腹から…」
「もういい!もういい!」
ったく、汚いもんみせやがって。もんじゃ焼き食べてたら食べれなくなるぞ。
「んで、火薬に火がつきやすいように特殊な細工をして…」
「ま、まて!」
「ドカン!!!」返信を待たずして、火薬に火をつけた。周囲に爆音が響き渡る。塞いだ壁は崩れ落ち、月の光がクッキリ見えた。幸い、周辺は誰も居らず安心したが、今度はびっくりした兵士が駆け上がっていた。おいおいおい!何してんだよ!
「さぁ、早く!」
ベルはガルシアの腕を握り締め走って、崩れ落ちた壁の方へと全速力!宙に舞った。当然、フライなどの魔法の類は取り扱っておらず、下に真っ逆さま。ガルシアはビビって大声で叫んだ。考えてみろ!魔法が使えるのなら、魔法で迎撃できるし、牢屋なんか入らんわ!ガルシアは愚痴みたいことを考えていると、地面が近づいてきた!
「走馬灯はこんな感じなのかな?」と考えていると、突然、大きな生物がUFOキャッチャーのように掴んできた。
「助かった…」と思って、ふと掴んだ生物を見ると、これがなんと黒滝だ!ビックリして頭が真っ白にになる。
黒龍はガルシアを掴むと、一気に急上昇、大きく上昇した。そして、狭い路上をなんの躊躇なく突入。それはそれは、狭さなど関係なしに壁に激突して無理矢理、空へ舞う。成功だ!ただし、気絶したガルシアを除けば…