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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
25/199

第6章 故郷バスティアへ No.2

「………」

「………」

「………」


ガルシア、ベル、ローランドの3人が家の前で棒立ちになっていた。


「………」

「………この家?」

「……さぁ?」


ベルはガルシアの問いに首を傾げた。

【「……さぁ?」じゃ、ねーだろが!】と思ったが口には出さなかった。なぜなら、目的の家かどうか疑いは晴れなかったのだ。

しかし地図によれば、この家に間違いないんだよなぁ…他に家らしいものはないし…。

ガルシアは「キョロキョロ」見渡す。家らしいものは発見出来なかった。しかし、このオンボロだし…隣を併用して牛を飼っているし、しかも臭いし、まるで典型なダメ宿舎しか見えない。いっそうのこと逃げ出そうかなぁ…。

ガルシアは一瞬、考えだが「ものの試しだ!」と思って家に向かいドアを開けた。


「ギィ…」


まるでオンボロのように軋む音がする。

中には薄暗い空間で、何とも言えない不気味な雰囲気を出していた。


「お邪魔しまーす…」


「ギィ、ギィ」と軋む音がする。

「誰にもいない…」そう感じたガルシアは、ビビリながらも勇気を持って声を出す。


「誰もいないですかぁ?…居なかったら、帰りますよぉ…」


何とも情け無い…けれど仕方ないのだ。こんなオンボロで、こんな恐怖しか見えない雰囲気の所を好き好んで行くはずがない!

早いとこ退散しよう!


そう思ったガルシアは180度回転して入り口に向かおうとした。


「あの、帰りが遅いので向かおうとしたのですが…」


ガルシアはその声にビックリして、無意識に剣を振り下ろす。


「ドカッ」


ガルシアもビックリして汗びっしょりだが、男も違う意味で汗びっしょりだ。


「違うっス!違うっス!早まらないで下さい!

ロザンっス!覚えてないですか?」


ロザンは焦りながらも速い口調で弁明した。


「ゴメン!ゴメン!ビックリするもんだから、ビックリして◯ろしちゃうとこだったよ(笑)」


ガルシアは笑いながら軽く言ったのだが、当本人は「冗談じゃない!」という気持ちで真剣な顔をした。


「ゴホン!改めてましてロザンです。まぁ、ロザンなんて知らないと思うかもしれませんが、案内役をします。付いていて下さい」


ロザンは皮肉まじり言った。


「もぉ、ゴメンって…ロザンちゃん」


ロザンは無言でガルシア一同の先を歩いていた。たくっ冗談が通じないヤツ!


普通の一軒家はそんなに広くなく、すぐに立ち止まってしまった。


「ここです」

「………」

「……で?」


ロザンは当たり前のような顔でガルシアの方に向いた。


「壁です」

ムカッ


ガルシアは無意識に剣を手にかける。


「冗談!冗談ですって!次は本物を出します!」


ガルシアはかなりイラつたのだが「ここで怒ってはいかん!」と思い、グッと我慢した。

俺、ロザンに舐められてる?


次に移動する。ガルシアは「次に冗談言ったら◯そう」と決意して、剣を握りしめていた。


「このです」

「………」


ガルシアは無言で剣を握りしめる。


「まて!まて!冗談じゃないですって、ここで待って下さい!」


ロザンは焦った口調で、カーテンを引っ張った。すると「ゴゴゴ…」と共に壁が開いていた。


「なんじゃこりゃ!!」


ガルシアはよく見ると階段の通路があった。


「隠し部屋です。そのまま歩いて下さい」


ガルシアは一瞬「あまり、出会ったことないのに大丈夫か?」と不安に思ったが、ベルの母親なら大丈夫だろう。

と思い、階段を下った。    

どれぐらい階段を降りただろう。やがて、階段を終える。そして、大きなドアが出てきた。


「冗談じゃないだろうなぁ」


ガルシアはベルの母親のことなら知っているが、まだロザンのことは信用にならない。


「マジです。本気と呼んでマジです!さぁ、目的の部屋はすぐそこです。行って下さい!」


ガルシアは一瞬「イラッ」としたが、良くなるためには我慢だと思い「グッ」と堪えた。


そして、大きなドアが開く。中にはこの世とは思えない新品の家具、広々とした広さがあった。


ガルシアは驚きで「ボーッ」としていると、何やらロザンの動きが怪しい。

ロザンのことを注意深く観察する。


「もういいっすね!」


と言った瞬間に顔を剥がす。


「お、お前は!」

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