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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
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第5章修行開始 No.11

ドラコは目的地(太原)に着いたので、荷物を下ろす。今は昼過ぎだから頑張っていけば夕方には京に着くだろう。


「ほれ、誓約は城下町までじゃ。さっさと行かんか!」


相変わらずバッツは人を雑に扱う。ベルはというと「はい、はい」と言って素直に従う。

「う〜ん…怪しい」と考えてしまう。何故なら、身内に文句を言ようもんなら喧嘩になるか、愚痴をこぼすはずである。しかし、それがない!

しかも、何も文句を言わず素直に従っているだけである。


「荷造りが済んだぞ!さぁ、早く京まで向かうぞ!」


そう言った瞬間、当たりが光輝く。思わず、ガルシア一同が仰反る。


「なんじゃ!…うぅ、眩しい…」


バッツの声がする。どうやら、バッツの声が聞こえていた。やはりこれは「閃光弾」だ!

閃光弾とは古くから忍者の武器として用いれられ、一瞬動きが止まってしまうのだ。

忍者にとって一瞬動き止まるということは、かなり有利になり、形勢を逆転することができる。

そして、やがて段々と光輝いてたのが消え、状況が分かってきた。犯人はベルなのだ!しかも、ドラコに跨って「バサバサ」と空中に浮いていた。


「今回の旅は、太原までの契約だ!ずらかしてもらうぜ!」

「ま、まて!」


バッツが慌てて口にした。


「今回の契約は、京の手前の城下町じゃろ!」

「い〜や!太原までだ!ジィさん、嘘は良くないぜ!」


確かにそんなこと言ったなぁ…バッツさん!嘘は良くないよ!それとも、ベルが頭が悪いから、ついでに母親の所まで送るつもりかな?

そして、ベルがバッツを慌てふためく姿を背にしてソラと向き合う。


「ソラ!今は離れ離れになるかもしれないが、いつか迎えに行くからな!じゃ!」

「えっちょっと!」


ソラが声を出すと同時ドラコは上空を飛んで行った。しかしその瞬間、ロープがドラコの足に掴まりがんじがらめになってしまった。

それを客観的に見ていたガルシア一同は「えっ何事?」と一瞬動きが止まってしまった。そして、もう1人の人影が俊敏によじ登っていき、あっと言う間に制圧し地面に着地にしてしまったのだ。


「いてて、何すんだよ!」

「いけませんよ!坊ちゃん!」


ベルの首を抑えた男性は呆れた顔で言った。


「ダメですよ!?逃亡するのではないかと警戒してみれば、まさかあんな事で逃亡するとは…」

「うるせ!ベルドナルド、もうちょっと手加減しろよ!」


ベルの言葉に初めて理解した。江上国軍の忍者なのだ!現在で言う忍者とは1人ではなく、2人体制が主流になっている。主な理由はもし、1人が捕まった時でも、捕まった忍者を囮して、帰って来れるから。ゆえに、もっとも大切にする江上国は当然、2人体制なのだ。


ベルとベルドナルドが2人でいると、ある女性が立ち塞がった。その女性がソラだ!

ソラは涙をためながらプルプル震え、ベルの顔に「バッチン!!」と思いっきり引っ叩いた。


「…ゴメン」

「……」


続いて、反対の頬に思いっきり引っ叩いた。そして、何回も何回も引っ叩いた。


「ゴメン!じゃないわよ!!」


ソラは無意識なのか、手のひらが赤く腫れていた。そして、ソラは大粒の波が流れていた。凄く嫌な雰囲気である。

だか、予期せぬ女性が現れて嫌な雰囲気が払拭された。その女性は副頭である「リナ・アンダーソン」である。


「あら、あら、どうしたんですぅ〜。まぁ、女性の手のひらが台無しじゃないですか〜。そういう時は、杖を使って…」


リナはベルに向かって、容赦なく杖を振り下ろす。しかも、何回も何回も振り下ろす。


「ブン」「ブン」…「ぐえっ」


やがてベルが倒れ、血の海に化してしまった…そして、一同はドン引き…。

イヤイヤ、それはダメでしょ…


空気を読んだのか、リナはあっけらかんと説明し始めた。


「女の子を泣かした罰ですぅ〜。あっ、それと、忙しくて放置していたので、ここでハッキリ分からせようと思ったんですぅ〜ゴメンなさい」


…それにしても、エゲツない。みろ、ベルが痙攣しているぞ!


「あっ、ガルシアさん?お久しぶりですぅ〜ちなみに、アンダーソンの家系なので体は丈夫ですぅ〜」


ベルが何とかふらふらと起き上がる。


「ほら、丈夫ですぅ〜」


とリナは「ニッコリ」と微笑む。

…本当と恐ろしいなぁ。


「気がついたベルさん?アナタ、どうしてここにいるのか、分かっていますか?今までは、窮屈だろうと、あまり監視していませんでしたが、アナタが時期、頭領になってパパを支えてもらいます!まずは、探して出して連れてきなさい!あっ連れてくるのですぅ〜」


…本当に演技なんだな?

ガルシアは確信に変わった。


「ちなみに、ドラコは連れていきますぅ〜そうなれば脱走しないですもんね!代わりに他のドラゴンが出しますぅ〜」


「…はい」


ベルは頭が下がらないようで何とも言えない。


「ベルがそういうことはなので…ローランド、アナタが補佐しなさいですぅ〜」


ローランドは「えっ」と顔をしたが、リナの指示に素直に従う。


ベルは今まで大切に培っていたプランが台無しになって落ち込んでしまった…。


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