表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
21/200

第5章修行開始 No.9

そういえば、ドラコを忘れてた!

確かにドラコに乗れば可能だ。しかも、余裕を持っていける!しかし…。


「ベル?何でドラコを連れて行かなかったの?」


ベルは一瞬「ドキッ」とした。


「それは…あまり知らないと思うけど、ドラゴンは図体が大きい割に、けっこうビビりらしいんだわ。特にドラコはドラゴン一のビビりで、一回怒られると半年間は出てこない。もしくは一生かもしれないみたいだわ…すげー言いにくいけど、ガルシアが気絶したろ?アレで怒るんじゃないかと思ってて…」


そりゃ、怒るよ(笑)けど、あれぐらいなら、日常茶飯だからなぁ。それにしても一生は困る。それでなくてもピンチだし…。


「ベル、なんとかならないの?それでなくても、すげーピンチだし…。もし、ドラコが協力してくれなかったら、母親の恐怖が待っているよ」


ガルシアは焦って言ったのだが、それとは反対にベルは笑いながら答えた。


「ハハハ、もし、ここでダメだったらドラコに乗って逃げればいいし」

「それ、ドラコいないよ?」

「え…」


ベルの顔は初めて真顔になった。

おいおい!初めて気がついたんかい!

ガルシアはため息をついた。一方でベルは思いっきり焦り出す。


「ねぇ、ガルシア。どうしよう…ババに殺されるよ!」


「ババに殺される」

これは例えではなく現実的なんだよなぁ。

ガルシア一同は頭を抱えていると、バッツが閃いたような感じで話し出す。


「…ないことはない。もし、ドラコがベルを主人と思うならきっと見ているはずじゃ。その答えは何度も呼んだらええという訳じゃ」


ベルの母親から恐怖を与えたくないからバッツも真剣になる。


「そりゃ来ないよ。だって、ドラコを呼んでも警戒するもん」

「そうじゃろ、そうじゃろ。じゃが、とっておきの秘策があるんじゃ!」


バッツは得意げな顔して、みんなに語り出した。


「ようするに…」


無謀と思える作戦について語り出した。


ーーーー


「ブフー」


ある山の頂上にブラックドラゴンが座って、ため息をつく。ブラックドラゴンの名は「ドラコ」。

ドラコがため息つくたびに、回りいた生物が恐れ慄き逃げ出すものも出てきた。いわゆる、生命体の崩壊である。

しかし、ドラコはどこ吹く風という感じで今の悩みに直面していた。


「なぜ、ぶつけてしまったのだろうか?」


ドラコはその夜ことを回想する。

ベルが急に呼びだしをくらって「何だろう?」と思って飛んでいたったのだが、何と人間が飛び降りていた。しかも二人である!ドラコは慌てて、二人を掴んだが一人は運悪く、ぶつけてしまった(ベルが悪い!)

それからが最悪だ…慌てて、低空飛行になるもんだから、体にはぶつけるわ…人間にはぶつけるわ…。

幸い、生きていたのが確認できたので「ホッ」とはしたが、ベルの母親がベルに対して無抵抗な暴力を見ると恐怖で固まってしまった。

「本当にどうしよう…」いっそうの事、逃げて姿を現さなのか?いやいや、それはダメだ!ベルが好きだ!好きって言っても、恋愛感情ではない。親友として好きということだ!


「ベルに会いたい」


ドラコは、そうつぶやいた。

いっそうのこと、ドラコが「知るか!」という態度をとってみてはどうか?…いやいや、それはダメだ!人間は残虐なので、反撃にあってしまう…。


「ブフー」


又、再びため息をついてしまった。


その時である!ベルから呼びだしの鈴が鳴ったのだ!緊急時の時は声で、普通の時は鈴で鳴らしてくれる。間違いなくベルのだ!

ドラコは嬉しくなって飛びそうになったが、一瞬で動きを止める。

「近くにガルシアがいたらどうしょう?」想像するだけでガタガタ震える。

えーい!居たら、居たでいいじゃないか!もし、ベルの鈴が鳴って行かなくなったら、一生会えなくてなるかもしれない…。それは、嫌だ!勇気を出すんだ!

再び、ベルの方へ飛び出して行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ