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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
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第5章修行開始 No.7

ーーー話を戻って、ガルシアとバッツ目先


「……」

「……」


ガルシアは数分間、固まっていた。

ベルは大丈夫だろう。肝心なのはソラさんのことだ。ソラさんは初対面からまだ数日しか経っていないから、まだ分かっていないが俺から見て頑丈なのは分かる…分かるけど果たしてこの崖に耐えられるのだろうか?凄い不安はある。


「やってもうたのう…」


「バッ」と振り返る。バッツは最後のケルペロスを倒して剣を納めてこっちへ向かっていた。


「まったく、ベルがいると計画が狂ってしまうわい!」


バッツは「ハァ」とため息をつきながら、頭をかいていた。


「へぇ〜ベルはそんなに計画を狂わせるんですか?」


ガルシアは興味深々になって訪ねた。

どんな人生を送っていたのか、凄く興味がある!バッツに聞いてみよう!


「あるってもんじゃないぞ!ほとんどの計画が狂っているわい!じゃが…連れていかんといかんしなぁ…。まぁ、ベルの人生じゃしな…過去を振り返っても何もならんわい。今大事にするのは「今」じゃ!ほれ、さっさと歩くぞ!」


バッツはサっサと行く準備をする。


「ふーん、連れて行くことも前提なんだ…もしかしたらお母さん?」


バッツの動きが止まった。

そんなに、あらかさまにしなくても…まぁ、指名手配されとるしなぁ。


「そ、そんなことないわい!ほれ、サっサと出るぞ。日が暮れるまでには、見つけ出さないといけんからな!」


バッツは急いで準備をし、歩き出した。

なんか、意図があるのも分かった。そして、ベルのお母さんであるサラが無理やり連れていこうというのも分かった。けれど何故、ベルが無理やり連れていこうとするのか?もしかしたら深い事情があるのか?謎である。そして、もう一つ以前、不安だったことをバッツにぶつける。


「あの〜ソラさんなんですけど…生きているのでしょうか?」


それを聞いたバッツは「ガハハハ」と大声で笑った。そして、ガルシアに向かって思いっきり、背中を叩く。

鉄の鎧の方が頑丈なのだか、あまりにも重くて身動きが取れないため、レザーなど軽い鎧を着ているが、それでも背中の衝撃がキツくて息が止まりそうになった。


「ん?痛そうじゃのう?悪い、悪い、ソラなら大丈夫じゃ。あれぐらいの崖じゃなんともないわい。…じゃが、これ以上遅れることになったら一大事じゃ。早く見つけ出さんといけんのう」


ガルシアはバッツの考えに対して一致した。

最悪の結果になってしまっては元も子もない。目指すは、川の周囲か下流の方だ。

ガルシアも荷物を背中に背負って降りていく。


ーーー


「ハックション!」


濡れた服は大分乾いたが、まだまだ濡れて部分がある。それに夏とはいえ山の夜は舐めてはいけない。


「風邪引いたんじゃない?」


その声はソラだ。ソラは食事の準備をして忙しく働いている。


「うるせー!誰かが噂したんだよ!…それより、なんか手伝おうか?」


食事に忙しくしているソラは一瞬、動きを止めて考える。


「うーーん、じゃあ、焚き火が欲しいから、木を切ってきて」

「ほいよ」


ベルもそれに応じて、夜間だけ足りる分の準備をする。そして、食事をして後は寝るだけ。二人は少し雑談をする。


「ううう、寒い。やっぱり、山の夜は堪えるな…」

「当たり前じゃない?」


ソラは強がって見えるが、微かに震えているように見える。


「なぁ、寒いだろう?寒かったら、くっついていれば寒さを凌げるから…ほら!」

「嫌よ!」


ソラは顔を赤らめた。


「寒さ対策だって!何も襲おうとしないから!」

「…じゃあ」


寒さには耐えられない。ソラはベルの隣りに座る。


「なぁ!暖かいだろう!山の夜は寒い!このままでいようぜ!」


ベルは屈託の笑顔で振り向いた。ソラは、一瞬で「ドキッ!!」と感じがした。

「私、この人のことが好き」

思えば幼少期の頃、ベルのことに対して憧れを持っていた。そして、一緒に連んで行くうちに憧れから好きになったかもしれない。しかし、好きになったが、どうすれば好きと表現すれば良いかが分からない。喧嘩ばかりする。一人になって、いつも自己嫌悪になっていた。

そんな、ある時ベルが次期頭領だと知った。そして、副頭領に相応しいお嫁さん候補を募集することも知った。

私はそれを知った直後、無意識的にエントリーを書いて渡していたのだ。

だが、渡した後から不安いっぱいになった。「エントリーは多くいたけど、私なんか大丈夫かな?」「全国の猛者がいるけど、頑張れるかなぁ」「もしかしたら、嫌われているかもしれない!」

次々と不安がよぎる。そして、当日、色々な試練があったが見事、優勝して正式な嫁さん候補として修行しているのだ!今は必死になって、付いていくのみ!

そう、考えていると男の人が近づいていた。べだ!


「ちょ、ちょっと、何すんの!」

「いいだろう?」


段々近づいてくる。好きになったとはいえ、心の準備が出来ていない。


「ゴホン!」


ビックリして、振り返ってみる。


「お前は!!」


そこには、二人が並んで立っていた。


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