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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
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第5章修行開始 No.6

うぁーー!!」

ドボンッ!!!


水飛沫が散乱する。ソラは水の中から地上へ。急いで水をバタバタして地上に近づいてくる。

「息が苦しい…」

そして空気のある方へ。


「はぁ、はぁ、はぁ!」


初めて「空気が上手い!」と感じた。

ソラは「ハッ」と思い出す。

「そうだ!ベルをさがさなくっちゃ!」ソラはキョロキョロと見渡す。


「いた!!」


ソラは河岸の壁に引っかかって倒れているベルを発見する。


「待ってなさいよ!!今、助けるから!」


ソラは、クロールみたいなもので泳ぎながら、ドンドン二人の間を近づいていった。だが、流れが早いのか思ったより縮まらない。


「何よ!縮まらないじゃない!」


そう思って、二人の間の差を縮めようと努力して泳いでいく。しかし、その差は縮まらない…そうこうしているうちにベルが気がついた。ベルは寝ぼけているのか、把握し切れておらず「キョロキョロ」と周りを見渡す。

そして、ソラを発見し、ビックリして急いで泳ぎ始めた。


「今から助けに行くからな!」

「ちょっ、ちょっと何してんの?」


戦慄がよぎる。

ソラは頭の中で昔、マスティア共和国のクラックから江上国の京まで引越した時に初めて「カナヅチ」ということが判明したのだ。

治っていたら良いのだけど…。


ベルは勢いで水中を泳いだ…正確には泳いでいるつもりだった。ベルは勢いで泳いでいくのは、良いのだけど現場はそう甘くない。そして、ベルは力尽き沈んでいった…。


「ちょ、ちょっと!」


ビックリしたソラは火事場の馬鹿力で、ベルと一緒になり川の端まで必死に泳ぐ。下流からどれだけ泳げたのだろうか?やっとの思いで辿りつく。

ソラは「もしかして死んだんじゃ…」と恐怖になったが、まだ息をしているのが確認して「ホッ」と安心した。

そして、それと同時に水に濡れるといけないので、急いで焚き火の準備をする。

準備をしながら「カナヅチなのに、助けに来たのだろう…?もしかして…好きなんじゃ」と顔を赤らめながら取り掛かる。


「ん…う…ん」


どうやら、ベルの意識が回復したようだ。

ベルの上半身を起こす。


「ようやく、気がついたようね。ほら、風邪引くから抜いで火に当たって!」


ソラは、その事を意識しているのか、まともに顔を見れない。


「あ、あ、あ…。ん?ずいぶん、濡れているけど、着ないの?」

「それに触れるな!!」


ソラはベルの顔を思いっきり引っ張叩いた。そして、ブツブツ一人独り言を言いながら準備のため去ってしまった。


「いてーなぁ…ほんと、女の事はよくわからん」


ベルは、叩いた顔の頬を触る。まだ、ヒリヒリしていて痛い。本当、いいんかなぁ…。


夜はまだまだである。

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