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ガルシア戦記  作者: 千山一
第1巻 バスティアの魔族
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第5章修行開始 No.3

「だいたい、バッツとベルは……」


説教が始まって、数刻、ガルシアはずっと待たされている…なんなんだ!この無駄な時間は!

説教し始めてから、だいぶ外は明るくなり段々と人が増えてきた。そして、町長であるバッツが正座しているという驚きと物珍しさが相まって、人だかりが増えてきた。


ガルシアは「これは、ある意味公開処刑だな」と思って、目立たないように群衆に混じってしまった。


「あの…もうそろそろ」


人だかりにビビったのか、すぐにでも退散したい気持ちのあるベルが声を出した。


「ん?」


あまりにも怒りに集中しているソラは、辺りを見回した。そして、いつの間にか人だかりができていることにビックリしていた。


「そ、そうね。このくらいにしとくわ。はい!これでおしまい!」


湯気が上がったのか、ソラは俯きかげんで、そそくさと退散していった。

ふ〜やっと終わった。怒りに任せて説教するから、あんなことになるんだよ!

…しかし、バッツは悲惨だったなぁ。あまりにも説教が長くて、説教が終わった後で仔鹿みたいになってたぞ。しかも、有名ときもんだ。かわいそうだから、後でこっそりなぐさめに行こう。


「何してんの!?さぁ、行くわよ!!」


ソラは、恥ずかしいのか前を向いて歩く。そして、容赦のない罵声を浴びさせられるのだ。

なんか、若い女性と老人みたいだなぁ…なんだか泣けてくる。


これから旅に出るのか…なんだか、不安になってきた。

ガルシアは頭の中で整理する。たしか、北の方にある首都:京まで、普通の道で順調に行って一週間(忍者ぐらいなら、急いで1日半。どれだけ早いんだよ!)。

このメンバーで旅に出る。何度も言うが、すごく不安だ。何事もなければいいが…。

北の旅、首都:京へは、まだ始まってばかりだ。


ーーーーー


出発から1日目、最初は順調に進んでいたが、ベルとソラは、ちょっとしたイザコザで険悪なムードになり、口を聞かなくなった。


「………」

「………」


ベルとソラは目も合わせてくれない。長い沈黙が続く。すごく険悪なムードだ。バッツはたまらず声をかける。


「アーーー!!!ストップ!ストップじゃ!」


バッツは二人に対して声を荒げた。


「二人とも!これから新しいメンバーなのに、喧嘩勃発しおって、どういうことじゃ!」

「だって、ベルが悪いんでしょ?」

「どっちが悪いんじゃない!!どっちも悪いんじゃ!時間が惜しいかもしれんが、話し合いをするぞ!」

「えっだって、時間が惜しいんじゃ…」


バッツはベルの事を「ギロリッ」と向いた。


「だから、何度も言うが時間が惜しいって言っているんじゃ!何事も順調に行けば、早く着くわい!」


バッツは皮肉混じり言った。それに対してベルは「ぐぬぬ…」と唸って言い返せなかった。そして、バッツとベルの話し合いは持たれた。話し合いは数時間に及び、新たなルールを設けた。そのルールはこれである。

1、たとえ、喧嘩しても黙らない。

(お互いがトコトンまで話し合っていれば解決するため)

1、解決したら笑顔(作り笑い可)でお互いハグをする。

1、どんなにイライラしても、1時間に一回はお互いの目を見て、笑顔で会話する。


正直、関心させられる。さすが年の功だ!バッツは本当に尊敬させられる。

バッツに対して、ガルシアのキラキラした目先で送る。バッツは、あえて目線を合わせないのか、ちょっとずつだが距離が開いた。

なんだよ!俺はあっち系じゃねーぞ!


4日目

話し合いを持ったのか、予定より遅れているがちょっと小走りすれば追いつける距離ではない。

そして、肝心なベルとソラの関係なのだが少し喧嘩はするが、話し合い効果で大きな発展にはなっていない。改めて、バッツの話し合い効果は、絶大だったと言わしめた。

ベルは改めて、バッツのキラキラした目線を送る。バッツは足早に歩く。

…だから、あっち系じゃないって!


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