第4章故郷 No.4
「トントン」
「おう、入れ」
「なんだよ?じいちゃん。突然、呼び出しといて…」
「すまん!すまん!久しぶりの一家団欒じゃ。食事でもと思って…」
なんだ?普通の家族じゃないか?心配して損した!ガルシア一行は、和やかに食事の準備をする。
ーーー
2時間後。
食事を終えて一服した所で話を切り出した。
「で、副頭領はどうするんじゃ」
「ん?あああー、ママの事か?」
「バ!?…まぁ、ええわ。どうせ、薄々分かったんじゃからの。娘はどうすんじゃ?」
あっ認めた。まぁ、ハッキリ分かったのはバッツの発言だからね。このことは墓場まで持っていこう…。
「逃げ出すよ」
「逃げ出すって…地の果てまで追いかけて来るぞ…まぁ、ええわ。折り入って相談したいことがあるんじゃ」
「断る」
ベルは間髪を入れずに応えた。
「ほほう、断るとな。誰がご馳走したのは誰じゃ?おぬしに拒否権はないからな」
「ぐぬぬ…話を聞いても、ろくなもんじゃないからなぁ…分かったよ。聞くよ!」
「ほっほっほ、素直で宜しい(^^)ある女性が行くので同行して欲しいのじゃ」
「…えっ、誰それ?まさか、ババじゃねーだろうなぁ?」
「当たり前じゃ!それに、自分の母親をババって…まぁ、ええじゃろ。娘は別じゃ!」
ベルは無言でいたが、しばらくしてこう発言した。
「…じゃ、どの女の子だよ?」
「それは、その時のお楽しみじゃ。明日の朝には分かるからのう…とりあえず、娘さんには一歩手前の太原の町で別れてもらう。娘さんには偲びないからのう…まぁ、どこの町に行くなり、峠山に行くなり勝手にせえ。無関心に置いておくわい」
「…分かった。ただし。一歩手前の太原だぞ。それ以上だったらリスクが大きいすぎる。すぐに帰らせてもらうぞ」
「よし!交渉は成立じゃわ!今日はゆっくり飲んで、明日から旅に出ようぞ」
バッツはグラスを持って片手で差し出した。そして、ベルのグラスに「カチンッ」と傾ける。
ベルは疑心暗鬼そうで顔を曇らせる。
バッツは何か隠してそうで分からないが、まぁ一歩手前のだろう?それまでに対策を縫って考えていれば…。ベルは「フフフッ」を言った。夜もそこそこにお酒も入って、酔いが回ったところ突然、衝撃的ことに出くわした。
ガルシアはグラスを「グイッ」と傾けている頃、突然バッツの後ろから時計を取り出し、穴から人間が出てきたのだ。そこにはロイドの姿があった。
ガルシアは思わず「プシュー」と吐き出し「ゲホゲホ」と咳き込む。バッツは何事か?と考え、ガルシアの近くに寄っていく。
「大丈夫っす!大丈夫!肺の器官が変に入ったっす」
「それなら、いいんじゃが…大丈夫かいのう?」
「本当に大丈夫っす」
ガルシアはそのタイミングで嫉みそうに感じる。クソ!!このタイミングか!前に言ってた。場面を思い出す。
ーーー
30分後
「トントン」
「申し訳ございません。お食事の準備が整いましたので」
「おう、すぐに行く」
ベルはガルシアに向かってこう言う。
「いいか?どんなにビックリしても、ロイドには触れるなよ。どんなこととでもだぞ」
ガルシアは真剣な顔を見て「冗談じゃないなぁ」と感じていたので、心の隅でおいていた。
それが、どのタイミングだよ!
人が真剣に話をしているのに…ふざけやがって!!
ガルシアは「ふつふつ」と怒りが込み上げてくる。
その瞬間「スクッ」と立ち上げて、トイレの方向に向かう。もちろん、ベルの父親である、ロイドのに会うためである。
「おい!どこに行くんじゃ」
ガルシアは怒りで込み上げいたが、笑顔で顔を作って
「少し、トイレを」
とドアを開ける。ハプニングで怒りが込み上げてそうだ!そして、トイレのドアを閉める。