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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
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第4章 移民王の誕生No.2

俺は前王から使っていない町の広場にやってきた。町の広場は町に囲まれており、100mの大きさになる。

しかも新しい王が誕生すると言うことで珍しさと“誰がやっても同じでしょう…”との感情が入り混じって異様な雰囲気になった。


ザワザワ…ピューピュー…

「この短時間でよく集まりましたね。立派だと思います」


ラウルは窓越しに町の広場を見上げた。

ラウルの見つめていた町の広場は大勢の群衆が“いまか!いまか!”と興奮して待ち望んでいた。


「しかし、この肝心な時に新しい王様ときたら……」


ラウルは怒りを通り越して、ため息まじりでソファーに向けた。そこには“ボケーッ”と寝転がるガルシアの姿がそこにはあった。


「…ガルシア王。ちょっと来なさい」


ラウルは手招きして窓の方に行った。俺も“面倒くさいなぁ…”と思いつつ、黙ってゆっくり歩いていた。


「どうです?市民が集まっているのですよ。しかも、この新王の声明と共に………」


ラウルは淡々と喋ってはいるが、どこかで気持ちが高揚したのか無意識にうわずっていた。


「ふん…まるで虫ケラのようだ」

「………アナタ、◯しますよ」

「冗談!冗談!ラウルちゃん!すぐに怒るんだから///」


ラウルは一瞬、殺意のような感じはしたが、俺は“ヤバイ”と思い、すぐ土下座と謝罪をした。

ーー……なぁ、無様じゃね?

俺の心の中ではデーヤンが“やかましいわ!”と心の中で叫ぶ。

俺には長年得意な技術がある。それは誰にも悟られずに過ごすことが出来るのだ。


「まぁ………いいでしょう。さぁ、ガルシア王様、そろそろお時間です」


ラウルは気持ちを切り替えて前に下がり、お辞儀をした。俺も“うむ”と会釈をし、ドアに進んで歩いた。

ーーおっ、お前の秘書って気づかねーなぁ。

“当たり前じゃボケ!こんな事でバレたら世の中生きてけんのじゃ!”


ギギギィ……


俺はドアを開き下の入り口まで歩いていき、階段の1階まで降りていた。


「ボス!」


その声を聞こえた俺は目を輝かせていたカミルが近づいてきたが、それを静止する騎士達が警戒感をあらわにした。カミルは“シャーッ”と威嚇をよそに俺はカミルから解除するよう言い、すぐに止めた。


「なんなんっすかね…シャーッ」


カミルは隣にいた騎士達に対して必要以上に威嚇した。


「………ゴメン。手短に頼む」


俺はドン引きしながらカミルの方に向いた。それに引き換えガルシアの心の中いたデーヤンは爆笑していた。


「なんでしたっけ?……あっ、王様への昇格おめでとうございます!俺、すんげー嬉しいッス!」


カミルもキラキラした顔でお辞儀をした。


「……まぁ、嬉しくないけどなぁ。あっ!カミル、お前には大事な事があるんだ。この式が終わったら来てくれ」

「了解しました!では、行ってらっしゃい!」


俺は後ろ姿で片手を上げて歩き続けた。そして、秘書のラウルが近づきそっと小さい声で耳打ちをした。


「すぐに本番ですよ。ニヤつくのはどうかと思います」

「あぁ、ゴメン!ゴメン!」


俺は慌てて澄ました顔になりドアの前に立った。


「行きますよ。では…」


ラウルは勢い良くドアを開き、会場にいた大衆が大きな歓声で迎えられた。

ここが勝負である!緊張と興奮でワクワクしてきた!

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