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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
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第4章 移民王の誕生No.1

「どうです?やれるんですか?やれないんですか?」


俺は立っていた秘書ラウルに冷たく、しかも淡々と冷静に喋っていた。

“いやいや、ありえないでしょう…”

俺がラウルの高圧な発言でイライラして黙っていたのだが、何を思ったのか?ラウルは勘違いをして注いだコップにコーヒーを入れて出してくれた。


「悩むのは分かります。しかし、ダマスア王国は王がいない中、一部の頭の悪い権力者が立候補して内乱が起きかかっています…。しかも、前の王、トゥリオ王が市民を蔑ろにするものだから王には嫌悪感があり決してなりたがらない。よって新しい風、新しい王、移民から来た王になって欲しいのです」


俺はコーヒーカップを啜りながら“この人は、毒舌だなぁ…”と思った。


「では、アナタが王だと言うことで決定事項の原案を話しますね。第一項目は…」

「いやいや、ちょっと待って!」


俺はラウルの言葉を遮りツッコミを入れた。


「誰も“お願い”なんて言ってないよ!全く、勘弁してくれよ」


ラウルは表情をピクリと動かさずガルシアの方へ向いた。


「何言っているんですか?わたくしは“お願い”ではなく“決定”を言いました。よろしいでしょうか?では、第一項は…」

「待て待て待て!」


“これ以上、言いなりになっちゃいかん!”と思った俺はラウルとの言論決戦に向かった。


「まだ何か?あるのでしょうか?」


ラウルはため息をつき、ガルシアの方へ冷たく淡々と応えた。

“やっぱ、こ、こわい”


「王にはならない!これは決定事項です!」

「却下です!」


勇気を持って言った俺はラウルの一言で見事に粉砕した。

“クソ〜なんで王なんてならにゃならんのか!…けど、王が不在ならどっか行けば良いのに、何故、復興に従うのか?”俺はそのことが凄く気になって疑問をぶつけた。


「なんでダマスア王国にこだわるんだ?」

「そりゃ、ダマスア王国が好きだからですよ」


ラウルはあっけらかんのように応えた。

“そりゃそうだ。どんなに王がクソでも、市民が不満になってても、このマルクの土地は変わらない。本当に愛しているんだなぁ”

俺は“ジーン”となり、思わず涙が出そうになった。


「ん?ガルシア様、涙が出そうになりましたか?アナタは血も涙もないと思っていましたのに…」


“前言撤回!ラウルとの徹底抗戦してやる!”俺はこの毒舌男が参るまで縦に振らないように誓った。


「とにかく俺は王にならない!」


“どうだ!この絶対、王にならないと誓った男は!!”俺は鼻息を荒くして言い放った。


「仕方ないですね…では、カレー屋さんは撤去しましょう。しかも徹底的に。この世からいなくなるように。それから…」

「ゴメン!王になります。王にならせて下さい!」


俺はラウルの悪魔的発言を遮りるように決定事項を言い放った。

“ラウルの悪魔め!!カレーが無くなるなんてあんまりじゃないか!”

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