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アンドロイド!!

ナターシャがおねえさんと話をしてから少しかたっ苦しい感じがしていた。

始めてあったころのナターシャにもどってしまったようで寂しかった。


「アオイさま、お部屋に戻ってよろしいでしょうか?」

「ああ、そうだな。きっと、クレアとナイルで花かごを販売しているだろうからおれたちも手伝おう」

「はい、かしこまりました」

「ナターシャ、どうしたんだ?」

「なにがですか?」

「おねえさんと話をしてからなんか変だぞ」

「え? そんなことはありません」

「じゃあ、なんでそんなにかしこまった話かたをするんだ?」

「……アオイさまはご主人さまなので」

「ご主人さま?」

「はい、わたしはアオイさまのお供をするように作られたアンドロイドなのです」

「えええええええ!!」


知らなかった。

ナターシャがアンドロイドだったなんて。


「驚いたことでしょう」

「ああ、まあ」

「クレアさんと同じアンドロイドです、メイドという性能ではなく秘書という性能をもったアンドロイドです」

「そうなのか」

「じゃあ、おねえさんもアンドロイドなのか?」

「はい、そうです。神野さんがつくられました」

「姉妹というのは?」

「神野さんが姉とわたしのふたりを作り、性能がいい姉の方を秘書としてそばに置いたのです」

「そうなのか」

「そして、性能が落ちるわたしはずっと倉庫の片隅で眠っていました。そして、アオイさまをお迎えするということになりわたしが発動されたのです」

「そうだったのか」

「だから、アオイさまのおかげでわたしはいまこうして動いていられるのです」

「そうか、よかった。ナターシャに会えて……」

「え?」

「ナターシャがいなかったら、おれはいまここにいない。クレアともナイルとも出会えなかっただろう。ナターシャのおかげだ」

「アオイさま……でもわたしは性能が悪いので足手まといにならないか心配です……」

「ナターシャはすごいよ、どこが性能が悪いんだ。おれは助けられてばかりだよ」

「アオイさま……すんっ」


ナターシャの目から涙がこぼれた。


「おれにはナターシャが必要だ。これからもよろしくな」

「はい、かしこまりました」


ナターシャに笑顔が戻った。


「そう、その笑顔!」

「え?」

「ナターシャはその笑顔が、可愛いよ」

「はっ」


おれは恥ずかしげもなく言っていた。

もちろん、ナターシャは顔を赤くして照れていた。

まあ、そんなナターシャも可愛いけどな。


「よし、戻ろう」

「はい」


おれたちは部屋にもどった。


「クレア、ナイルただいま」

「ただいまもどりました」

「おかえりなさいませ」

「おかえりなさい」


ふたりが迎えてくれた。


「どうだ? 販売の方は進んでいるか?」

「「はい」」

「よし、ナターシャおれたちもやるか」

「はい」


おれたちはナイルの花かごの手伝いをした。

そして、今日も完売だ。


「ナイル、まだまだ売れそうだな」

「はい、うれしいです」


「あの~」


ナターシャがなにか言いたそうにしている。


「わたし……も」

「どうした? ナターシャ?」

「わたしも、今日から一緒に生活をしてもいいでしょうか?」


そういえば、まえにそんなことをいっていたな。

本気だったのか。


「おれはかまわないよ」

「わたしもかまいません」

「これでみんな一緒に暮らせますね」

「では、いいのですか?」

「もちろんだよ」

「ありがとうございます」


クレアもナイルもすごくうれしそうだ。

これでこの家に女の子が3人になってしまった。

おれは毎日ハーレム状態だな。


「では、さっそくとなりの部屋を片付けてまいります」

「ああ」


夕食まで少し時間があった。

久しぶりにゆっくりしている気がする。

おれもそろそろバイクを乗りこなしたいと思っていた。


「ナイル、おれにバイクの乗り方を教えてくれないか?」

「いいですよ」

「クレア、夕食の時間までには戻る」

「はい、わかりました」


おれとナイルは外にでた。

そして、さっそくバイクの購入をした。


「まずはバイクを購入する」

「はい」


おれは画面を出して、乗り物をタッチした。

すると、空飛ぶバイクや水上カーがでてきた。

値段はよくわからないのでナイルに聞いた。


「ナイル、どのくらいのバイクにしたらいいのかな?」

「アオイさんならこのくらいのバイクを乗った方がいいと思います」

「そうか」


ナイルがいったとおりのバイクをタッチした。

次に色の選択だ。

色かぁ~

赤がいいな。

赤に黒のラインが入ったバイクをタッチした。


「ナイル、これはどうかな?」

「うん、素敵です」

「そうか」


じゃあ、おれはこれに決めた。

最後に購入をポチっとタッチした。

すると、バイクは頭上に浮かびあがった。


「アオイさん、少しよけないとぶつかってしまいます」

「ああ、そうか」


おれはよけた。

すると、バイクがストンッと地面に落ちてきた。

といっても少し地面から浮いているけどな。

カッコいいなぁ~

赤に黒のライン入れて正解だったな。


「ナイル、どうだ?」

「素敵です、さっそく乗ってみましょう」

「ああ」


そういうと、ナイルは自分のバイクをだした。


「では、わたしと同じように乗ってみてください」

「ああ」


おれはナイルと同じように乗ってみた。


「アオイさん、上手ですよ」

「そうか?」


ナイルは教え方が上手だな。


「では、エンジンはここです」

「ここだな」

「ブレーキはここです」

「なるほど」

「あとはコントロールだけです」

「わかった」


おれはなんとなく乗れる気がした。


「では、このあたりを1周してみましょうか?」

「ああ」


おれはエンジンをかけスピードをあげた。

すると、バイクは走りだした。

ハンドルをもってコントロールをした。

おぅ!

乗れた!


「アオイさん、上手です」

「そうかな」


自分で乗れて気分がよかった。

1周があっという間だった。


「ナイル、おれ行きたいところがあるんだけど……」

「では、行きましょう」

「ああ」


おれは最初にこの世界に召喚されたときの螺旋階段に、また行きたかった。

あそこからみた景色は最高によかった。


「ナイル、ここなんだ」

「ここですか?」

「ああ」


おれはバイクから降りて螺旋階段に立った。

ナイルも降りてきた。

そして、あの時の景色と同じ景色をみた。


「ここからみる景色が好きなんだ」

「素敵ですね」

「そうだろ」

「ずっと、ここに住んでいますけどこんなに綺麗な景色だったとは思いませんでした」

「そうだよな、おれも忘れていたよ」

「今度はクレアさんとナターシャさんも連れてきましょう」

「そうだな」


そんな話をしていると、どんどん日が暮れていった。


「ナイル、ほらみてごらん。日が沈んでいくよ」

「はい、綺麗です」


しばらくは沈没しないようだから安心だな。

この綺麗な水上の都市を守っていきたいと思った。


「ナイル、帰ろうか」

「はい」


おれと、ナイルはマンションに帰った。

そこにはクレアとナターシャがいた。


「ただいま」

「「おかえりなさいませ」」


おれは嬉しかった。

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