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至れり尽くせり

これはどういう状況?

ナターシャまで一緒に住みたいだなんて。


「ナターシャ、本気なのか?」

「はい……、だめでしょうか?」

「いや、おれはかまわないけど……」

「いますぐにではなく、わたしもみなさんと一緒にくらしたいなと思いまして……」

「そうか、いつでもかまわないよ」

「はい、ありがとうございます」


ナターシャも寂しいのか?

まあ、多いほうが楽しいからおれはいいけどな。

部屋もたくさんあるし、これだけ広い部屋だから大丈夫なんだけど……びっくりしたな。


「そろそろ夕食にいたしましょうか?」

「ああ、そうだな」


クレアが夕食を作り、ナイルとナターシャが手伝っていた。

女性たちがキッチンできゃっきゃっいいながら、食事を作っている姿をみるのはいいな。

なんだか嬉しくなる。

見ているだけで幸せを感じるよ。

みんな可愛いな~

夕食がテーブルに運ばれてきた。

相変わらずの豪華な食事だ。


「お待たせしました」

「じゃあ、いただこう」

「はい、いただきます」

「いただきます」


美味しい食事に可愛い女の子たちに囲まれて食事ができるなんてこんな幸せなことはない。

おれはにやけてしまった。


「アオイ、どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」


クレアはよく見てるな。


楽しい食事の時間が終わる。


「アオイさま、今日は自分の部屋に戻ります」

「そうか、わかった」

「今日はお疲れでしょうからゆっくり休んでください」

「ああ」

「では、明日またお迎えにまいります」

「ああ、よろしくな」


ナターシャは帰っていった。


「アオイ、お風呂に入りますか?」

「ああ、ナイルが先に入るか?」

「あ……あの、わたしも一緒に入ってもいいですか?」


えええええええええええ!!


だめだよそれは。


「ナ、ナイル、一緒に入るって……ど、どういうことかわかってるのか?」

「はい、わかっているつもり……です」


いいのか?

ナイルとも一緒に入って大丈夫なのか?

本人がいいっていってるんだからいいのかな。

この世界の人は裸をみせるくらい、どってことないのか?


「わかった、なら一緒に入ろう」


ふぇ~

おれは平常心でいられるのか。

おれはいつものように風呂場にいった。

服が脱げシャワーの前に立った。

ちょうどいいお湯が出てくる。

そして、クレアが入ってきた。

クレアのあとから、ナイルが入ってきた。

おれは目を背けてしまった。


「アオイ、体を洗いますね」

「ああ、頼む」


クレアはいつものようにおれの体を洗い始めた。


「わ、わたしも洗いますね」


え?

ナイルもおれの体を洗うのか?


「あ、ああ」

「では、失礼します」


ナイルもたくさんの泡で洗い始めた。

おれはいま、二人の女の子に体を洗ってもらっている。

異世界最高!!


おれはクレアの体を洗い始めた。

ふとっナイルを見ると、なんかもじもじしているようだった。


「ナ、ナイルの体も洗っていいのか?」

「はっ、はい」


おれはたしかに了解を得た。

おれはナイルの体をやさしくなでた。

きゃっ。

ナイルから小さな声がもれた。

おれは気にせず洗い続けた。


――――


そして、最後に湯船に入って疲れをとった。

お風呂に入ると疲れがとれるんだよな~


「なあ、クレア」

「はい、なんですか?」

「このお風呂に何か薬草でも入っているのか?」

「はい、疲れがとれる炭酸水素ナトリウムが入っています」


それはもとの世界でも一緒だな。

でも、すっごく疲れがとれるんだよな~

やっぱり、クレアとナイルに癒されているからなのかな~


「おれ、先に出ているよ」

「「はい」」


おれは先に出た。

そして、お風呂の後に冷たい飲み物を飲むのが好きだ。

今日はオレンジジュースだ。

ゴクッ……ゴクッ、はぁ。


クレアとナイルがでてきた。


「クレアとナイルも飲むか?」

「わたしは結構です」

「わたしもいらないです」

「そうか」


ふたりは水でいいようだ。


「アオイ、明日も水の中にいくのでしょ」

「ああ」

「では、もう寝ましょうか」

「ああ、そうだな」


おれたちはベッドにいった。

そして、おれがベッドに横になるとクレアとナイルがおれの隣に寝てきた。

お風呂も一緒に入ったなかだし、いいのかな~

もういいやどうにでもなれ。


「アオイ、体をマッサージしましょうか?」

「いいのか?」

「はい、もちろん」

「どうすればいい?」

「ではうつぶせになってください」

「ああ」


おれはうつぶせになった。

クレアはおれにまたがった。

そして、背中をちょうどいい強さで揉み始めた。


おぅ!

いい感じ!


「アオイ、やっぱりお疲れのようですね」

「そうか」


それを見ていたナイルがおれの手をとり、指を揉み始めた。


「では、わたしは指をもみますね」

「ああ、ありがとう」


おぅ!

指も気持ちがいいな~

至れり尽くせりだ。

おれは気持ちがよかったせいか、そのまま眠ってしまったようだ。

ぐっすり眠り、すっきりと目が覚めた。


はぁ~よく寝た。

隣をみるとクレアがまだ寝ていた。

クレアが寝ているということは、まだ早い時間なんだな。

クレアもナイルも可愛い寝顔だ。

もう少し寝かせてあげよう。

おれは静かに起きてリビングにいった。

ふとっ、窓の外が気になり窓際にいった。

すると、急に外が見えなかったくもりガラスが透明のガラスに切り替わった。

そして、とても美しい風景が目に飛び込んできた。

ここはかなり高さのあるビルだから風景なんてみえないだろうと思っていた。

ナターシャも見えないといっていた。

でもそこには、薄い水色から目を下におろすと濃い水色とリバーシブルのように見えた。

窓が絵の額縁に見えた。


わぁ!

なんて綺麗な都市なんだ。

こんな綺麗な都市を水に沈ませるわけにはいかないな。

おれは改めて思った。

早く扉を見つけて、違う都市を探そう。

なにかヒントが見つかるかもしれないからな。

いよいよ、扉を探しにいきます。

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