5話
ギフトの儀式を終えてからすぐに、とはいっても3日程かけて、家を出た。西側にある農家畜産家の区域から冒険者ギルドや商業ギルドのある南側に家を持った。大通りから1本入った中通りの1つに治療院用の建物とその隣にある集合住宅を金貨140枚で買った。治療院は木造2階建ての2階部分に住居があるタイプ。1階部分は何かの商店だったらしいので、椅子やベッドを運び込み受付と待合所、治療室を作った。集合住宅は、昔、子爵家の持ち物だったが、売りに出されていたのでまとめて買った。なんでも愛人を囲うために建てた住宅らしく、今は集合住宅として売りに出されていた。個室が多くあり、応接間があることが気に入り、一括払いで買い取った。裏庭があり、お風呂までついている、正に貴族屋敷といった様相である。
なぜ、治療院以外にそんな集合住宅を買ったのか。それは、奴隷商を始めようと考えたからである。この町、アーノルド辺境伯領領都アノルドには、正規の奴隷商が北側に1件あるだけで、あとは奴隷紋を刻印できない非正規の奴隷商が東と西に1件づつあるだけだった。
非正規の奴隷商は刻印士や、それに準ずる奴隷紋を刻むことのできるギフトを持たないものがやっている奴隷商である。ギフトは遺伝ではないため、奴隷商のノウハウはあるがギフトが無い現在は、正規の奴隷商に奴隷を斡旋するのが主な仕事である。つまり、借金奴隷や犯罪奴隷、戦争奴隷は運べるが、奴隷紋がなければ店では扱えない。
奴隷には大きく分けて3つある。借金奴隷と犯罪奴隷、戦争奴隷だ。借金奴隷は総称であり、スラムや寒村の口減らしも含めて借金奴隷である。犯罪奴隷は言わずもがな。戦争奴隷は、農民兵の捕虜が、兵站の無駄を減らすために売られるのが戦争奴隷、つまり他国の人間である。
俺がやるのはもちろん正規の奴隷商だ。キリスカ王国の王国東部であるアーノルド辺境伯領は戦争に参加はしている。が、戦線は別にある。キリスカ王国は現在、南側にあるオカラカ王国と戦争中である。よって、戦争奴隷がアーノルド辺境伯領にまで一部流れてきている。犯罪奴隷も平和である東部には少ない。よって、俺の扱う奴隷の多くが、借金奴隷だ。
要するに、儲かると思って奴隷商をやろうとしている。正規の奴隷商も北側に1件しかないし、実は1度見に行った。見た結果、勝算があると思った。見た感じ不潔だし、高級奴隷は殆ど扱っていないと思う。よくて娼婦か単純労働かといった感じだった。それならこちらは高級な奴隷を扱おうと思う。文字の読み書き計算ができる奴隷、鑑定による先天技能を活かした高級奴隷。これなら富裕層にも商業ギルドにも、貴族にも売り込みに行ける。しかも高値で。
あとは東西の非正規の奴隷商に挨拶に行くのと、商業ギルドに治療院と奴隷商の登録するのと、冒険者ギルドに治療院の宣伝に行くのとをこなせば、とりあえずは大丈夫かな。先に商業ギルドに登録にいかないとな。
治療院から歩いて20分程、商業ギルドにやってきた。我ながらいい立地に店を構えたと思うが、良い店がそこにしかなかったというのが正直なところだ。奴隷商館としてはいささか高いが、すぐに元は採って見せる。商業ギルドは石造りの3階建てで、1階が馬車止め、2階がメインホール、3階が資料保管場所となっている。俺が用があるのは2階だけだ。
「ようこそ商業ギルドへ、本日はどのようなご内容でしょうか。」
「この度、治療院と奴隷商館を新たに開設しましたので、その登録の方に。」
「では、こちらに記入をお願いします。こちらの2枚です。……はい……――はい―――はい、結構です。ではこちらを基に登録させていただきます。」
そういうと、用紙から何かしら転記して、後ろに持って行ってしまい、すぐに帰ってきたかと思うと荷物を置いてまた何かを取りにいってを繰り返し、最終的に金属板と首掛け紐とを手渡された。
「こちらが登録された刻印板になります。魔道具にかざすとあなたの名前と店名が――このように表示されます。」
魔道具に金属板をかざすと、そこにはアグラス・アグラス治療院・アグラス奴隷商館と表示された。なるほど、身分証明書みたいなものか。
「無くされた場合は、大銀貨5枚で再発行可能ですが、なるべく失くさない様にお願いします。本日のご用件は以上でしょうか―――では、またのご利用をお待ちしております。」
受付嬢に見送られて、商業ギルドを出た。貰った金属板を首に掛け次の目的地へと向かう。東と西の奴隷商館、所謂ところの仕入れだ。治療院にも奴隷は必要だし、奴隷商館にも奴隷は必要だ。もちろん、俺の生活のためにも必要なので両方の奴隷商館を回るつもりだが、先に食料の仕入れも必要なので西区から周り、明日東区へと向かう予定だ。そしてその次に北区の正規の奴隷商館にも仕入れに行くつもりだ。こちらは先天技能を見れるのだ。仕入れに行かない訳がない。
さて、やってきました西区の奴隷商館、西区の奴隷商館は割と身綺麗にした出で立ちで、北区よりも清潔にしていた。これなら期待できる。さっそく中に入る。
「これはこれは初めまして。オズマンド奴隷商館にようこそいらっしゃいました。」
胡散臭い。ものすごく胡散臭い。だが、身綺麗にしているし、悪感情は沸かない。
「これはご丁寧に。この度正規の奴隷商館を営むアグラスだ。よろしく頼む。」
「それはそれはおめでとうございます。ささ、こちらへ。」
応接間に通される。やはりここも綺麗だった。これは期待ができる。
「それでは、本日はどのような奴隷を買求めでしょう?」
「まずは家事労働、特に料理が得意なものを女で何人か見繕ってくれ。」
「はいそれでは、失礼いたします。」
そういって退室していった。そして10分後くらいで5人を連れて帰ってきた。
「こちらが家事労働を得意だと自称する奴隷にございます。」
さらりと自称と言った当たり、さすがだと思う。これだと得意ではなかったという水準だとしても言質を取られない上手い言い方だ。真似させてもらおう。
さて、それぞれに鑑定スキルを入れる。そうすると真ん中の女性にすごいものを見つけた。
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ステータス
名前:ソフィア
年齢:32
レベル:5
ギフト:『』
先天技能:『料理神の加護』
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神の加護ってものがあるのかと内心驚愕したが、これで外れは無いはずだ。それ以外の奴隷には『体術』や『味覚強化』などの先天技能持ちだったが、今はまだ1人で十分だ。
「ふむ、真ん中の女性にしよう。名前は?」
「ソフィアと申します。」
「では、他は下げさせます。他にご用命はおありですか?」
「そうだな、冒険者をやらせる者たちが欲しい。元冒険者だったものを頼む。」
「かしこまりました。」
奴隷を下げつつ、また部屋を空ける。そして5分もしない内にまた5人連れて戻ってきた。
「こちらが元冒険者の奴隷たちです。」
かなり大柄な男から、狩人のような目をした女、それぞれを鑑定した結果、年齢が1番若い男が目的に会いそうだったのでそれにしようと思う。
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ステータス
名前:ランデル
年齢:23
レベル:19
ギフト:『』
先天技能:『剣術』
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「お前にしよう、名前は?」
「ランデルです、旦那。」
「では、他は下げさせます。他にご用命はおありですか?」
「そうだな、ランデルより若い男を何人か見繕う。頼めるか。」
「お任せください。」
深々と頭を下げ、また奴隷を連れて部屋を空ける。こういう時はうちの場合は茶を入れる支給係を用意しておいたほうがいいかもしれない。一応高級奴隷商館を目指すのだ。その内そういう人材も探そう。扉が開き奴隷商人と奴隷がずらずらと20人近く3列になりながら部屋に入る。さすがに多い。
「この中で、10才以下は下げさせてくれ、さすがに多い。」
「10才以下は部屋を出なさい。」
1列分居なくなる。それでも多いが全員鑑定で見ていく。若くて先天技能持ちで冒険者に向いている奴隷はーっと。
「前1列は下げてくれ。」
「前1列は部屋を出なさい。」
また1列居なくなる。もう決めてはあるが、なるべく不自然に選ばない様に1列にして3人を選んだ。
「お前と、お前、ああ、やっぱりお前も貰おう。名前は?」
「サビーノです。」
「イェンス、です。」
「アルドーです。」
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ステータス
名前:サビーノ
年齢:12
レベル:5
ギフト:『』
先天技能:『剣術』
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ステータス
名前:イェンス
年齢:13
レベル:5
ギフト:『』
先天技能:『槍術』
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ステータス
名前:アルドー
年齢:13
レベル:6
ギフト:『』
先天技能:『斧術』
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冒険者としてやっていけそうな若者を3人を買った。これでランデルと4人で冒険者パーティーを組んでもらって、稼ぐのと、治療院の宣伝をやってもらうつもりだ。冒険者ギルドから少し遠いから道案内なんかも必要だろう。長い目で見れば黒字だ。
「では、他は下げさせます。他にご用命はおありですか?」
「読み書き計算ができるものが欲しい。頼む。」
「かしこまりました。」
奴隷を下げつつ、何回目か部屋を開ける。すぐに3人連れてそこに並べた。男2人に女1人だ。
これは全員買いだな。そして女奴隷が面白そうな先天技能を持っていた。
「3人とも買うことにする。」
「かしこまりました。」
「名前は?」
「ラザールです。」
「ニクラスです。」
「ヘルガと言います。」
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ステータス
名前:ラザール
年齢:21
レベル:3
ギフト:『』
先天技能:『視覚強化』
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ステータス
名前:ニクラス
年齢:20
レベル:3
ギフト:『』
先天技能:『方向感覚』
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ステータス
名前:ヘルガ
年齢:19
レベル:3
ギフト:『』
先天技能:『財宝神の加護』
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なんでこんな大層な加護を持っていて奴隷になるのか、これが分からない。商人だったら成功しそうな先天技能だよな。まあ、過去なんてどうでもいいが。
「では、他にご用命はおありですか?」
「ヘルガより若い女を何人か見繕う。これで最後だ。」
「かしこまりました。」
奴隷を下げつつ、部屋を空ける。最後だし、全員見るつもりで臨もう。また扉が開きぞろぞろと入ってくる。…4列になったぞ。どうしよう…。とりあえず片端から鑑定をかける。
「前半分は下げてくれ。」
「前2列は部屋を出なさい。」
「もう前1列も下げてくれ。」
「前1列は部屋を出なさい。」
疲れたが、それなりに収穫があった。
「お前とお前だ。名前は?」
「ピラール」
「アリーセ、です。」
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ステータス
名前:ピラール
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『水魔法』
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ステータス
名前:アリーセ
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『風魔法』
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2人とも魔法技能持ちだ。さらに幼いというのはいいことだ。これからしっかりと魔法を仕込んでいけばいい。特にピラールには治療院で働いて貰えば俺も楽になる。じっくり育てて行きたいところだな。
「こちらのソフィア、ランデル、サビーノ、イェンス、アルドー、ラザール、ニクラス、ヘルガ、ピラール、アリーセの10人で間違いないですかな。」
名札を見ながら数える。最初の方の名前は見ないと怪しかったが、逐一後ろにおいていたんだ。間違いない。
「ああ、間違いない。して、いくらだ?」
問題はこれだ。逐一値段を聞かなかったが、払えないことはないとは思う。元冒険者のランセルと読み書き計算ができるラザール、ニクラス、ヘルガの3人は少し高いと見積もって、金貨30枚分ぐらいの買い物はしたと思う。もし50枚を超えるようならラザールは切りだな。金貨50枚で収めたい。
「そうですねー。これだけ買ってくれたことを勘案しまして、勉強して金貨28枚でいかがでしょう?」
1人あたりを言わずに一括で言った辺り、本当にこの商人は上手い商人だと思う。俺の予想を外してこない。素人商人でも、さすがに相場くらいは勉強してきている。そのうえでこの値段なのだ。これは長い付き合いになりそうだな。
「ああ、それでいい。…これで間違いないか?」
「…はい。確認いたしました。……ランデルとヘルガ以外は奴隷紋がありません。ここでかいていきますかな? であれば、しばらくこの部屋をお貸ししますが。」
「ああ、頼む。」
「かしこまりました。」
部屋を借りて首裏に奴隷紋を書いていく。手の甲なんかに書いて切り落として奴隷から解放なんてのも昔はあったらしい。だから、首裏が正解。切り落としたら死ぬからね。1人1人地道に書いていく。指の先に魔力を集めて丸を書いてそこから円を3等分するように直線を描く。これで終わりだ。そんなに複雑な模様ではない。
8人分奴隷紋が書きあがると、手もみをしながらオズマンド奴隷商が待っていた。
「毎度ありがとうございました。これからもオズマンド奴隷商館をごひいきにお願いいたします。はい。」
「ああ、ありがとう。有意義な時間だったよ。また来る。」
こうして西区での奴隷売買は一先ず終わった。
そうして、西区で他にやることといえば、食料の買い出しだ。小麦粉やトウモロコシ、ウリその他もろもろ食料を買っては荷車に詰め込んでいく。俺とソフィアが指揮を取りながら日持ちする食材をどんどん買っていく。…荷車5台分は買いすぎたか? どうせすぐ無くなるし問題ないよな。
奴隷たちを奴隷商館に案内したらびっくりされた。こんなにいいところに住めるのかとか、色々感想はあったが、まずは食糧庫に食料を詰め込むことから始めないといけない。そのあとは各部屋に4人ずつ位詰めてもらう。男は1階、女は2階だ。部屋数的には何も問題ないが、どうせ増えるのだからはじめから詰めて住んでもらわないと。ベッドはすでに運び込んである。というより組み立て式の2段ベッドを2つ放り込んである。パーソナルスペースは少ないが、所謂タコ部屋である。仕方ないね。
「明日はもう一つの奴隷商に向かう。金はヘルガに預けるから明日もまた食料を運び込む様に。ソフィアが指揮しろ。この厨房はお前の城だ。好きに使うがいい。」
「お言葉ですが、ここの厨房は広すぎます。この屋敷もです。もう2,3人は人手が欲しいのですが、そのあたりはどのようにすれば…」
ソフィアがそのように言う。…家事労働1人は少なすぎたか? そのあたりは母が1人で仕切っていたし、ここも1人でいいかと考えていたが…考え直した方がいいか。広いしなこの集合住宅。
「分かった。そのあたりは考慮して奴隷を選ぶ。まず今日は1人でやれ。」
「…わかりました。」
その後は、奴隷たちに部屋の使い方を説明し、風呂の使い方も説明した。井戸の水さえあれば、湯沸かしの魔道具が湯を沸かしてくれると説明した時には、皆一同に驚いていたし、風呂にはいれるのかと感動している者もいた。奴隷は共同浴場には入れないからな。そして、一通り屋敷を回った後、ソフィアに頼んで食事を作ってもらった。料理神の加護持ちは伊達ではなかった。普通の料理なのにとても美味い。飯屋をやればよかったろうに奴隷になってしまって。俺が買えたのは幸運だったな。
明日は東区の奴隷商館に行く予定だから、追加の食料を買いこんでおくように命令しておく。奴隷だって食べなければ死んでしまう。腹いっぱいになるくらいには食べさせる予定だし、それくらいなら経費として問題ないはずだ。あとは、ピラールとアリーセには読み書き計算を覚えてもらう。そのために、ニクラスには買い出しに行かずに先生として残ってもらうことにしよう。そして俺が戻ってきたら魔法の練習だ。俺だって2か月の間試行錯誤しながら覚えたんだ。読み書き計算と並行して教えていこう。
冒険者組のランデル、サビーノ、イェンス、アルドーにも読み書き計算は覚えてほしいが、彼らはまずは冒険者として一人前になってもらわないといけない。1人日当たり銀貨10~15枚くらいは稼いでもらわないと、黒字までに時間が掛かりすぎる。ゴブリンの魔石1つで銀貨1枚になるはずだから、先天技能持ちにはそれくらいは余裕だと思っている。魔物の大発生する秋には1人前になってくれていると嬉しい。あの時期は出張治療院も大繁盛だったから、冒険者もそれなりに儲かるのだろう。危険だが儲かるというのは冒険者にとっては稼ぎ時と同意義だ。
今日は初めての仕入れということもあり、さすがに疲れた。さっさと風呂に入って寝ることにする。明日は東区の奴隷商館に行くのと武器屋に行く予定だ。武器屋はいいとして、東区の奴隷商館はいったいどのような場所なのだろうか。西区のオズマンド奴隷商館のようにいい付き合いのできそうな奴隷商館だったらいいなと思いつつ、寝た。
朝食を食べて、やってきました東区の奴隷商館。見た目は西区より広そうな感じだが北区と同じように清潔にはしていなさそうだ。あまり期待できない。まあ、やることは一緒なのでさっさと奴隷商館に入るとする。入ってすぐにきつい臭いがする。つーんとした臭いで顔をゆがめる。
「あぁ? おい、ここはガキが来るような所じゃねぇ。さっさと帰んな。」
いきなりけんか腰に対応された。こうなったらこっちも下手に出る必要はないな。強気で行こう。
「こっちは正規の奴隷商だ。ギルドの金属板もある。奴隷を見せてもらおうか。」
「あぁ。新しい奴隷商か。だったら問題ねぇ、好きに見て行ってくれ。」
そういうと奴隷商はさっさと仕事に戻ってしまう。ここはそういうタイプか。勝手にみてよさそうな奴隷を見繕って買うタイプと。面倒だが、あの手のタイプに接客もなにもないだろう。勝手に見させてもらおう。鑑定を発動させながら奴隷商館を歩いていく。やる気もなく突っ立っている奴隷もいれば、寝転がって動こうともしないものもいる。ここは酷い。仕入れなら西区でやった方がいいかもしれない。とりあえず奴隷商館を運営する人材を確保するとして、ソフィアと上手くやれる方がいいだろうから女で3人選ぶか。
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ステータス
名前:ジーン
年齢:27
レベル:3
ギフト:『』
先天技能:『掃除士』
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ステータス
名前:ブランカ
年齢:28
レベル:3
ギフト:『』
先天技能:『裁縫士』
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ステータス
名前:ミレイユ
年齢:22
レベル:3
ギフト:『』
先天技能:『植物理解』
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この3人にしよう。先天技能はマシなものを選んだつもりだ。掃除士はなんか闇世界の方じゃないことを祈りつつって感じかな。後は有益な先天技能持ちを若いのを適当に選んでいく。
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ステータス
名前:ヤコブ
年齢:11
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『火魔法』
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ステータス
名前:エクトル
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『犬神の加護』
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ステータス
名前:シドニー
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『第六感』
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ステータス
名前:ベネディクト
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『土魔法』
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ステータス
名前:ラリサ
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『槍術』
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ステータス
名前:リカルダ
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『水魔法』
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ステータス
名前:フィグネリア
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『光魔法』
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この7人が良い先天技能持ちだったから遠慮なく買っていく。正直あまりこちらの奴隷商館には来たくないため、隈なく探して鑑定したつもりだ。見落としはあるだろうが、とりあえずこれ以上ここに居たくないと思った。奴隷商を探して歩き、声をかける。
「精算だ。この10人を買う。」
「あぁ? あー、金貨20枚だ。1人2枚だ。」
「ガキを金貨2枚で売るつもりか? ガキは金貨1枚だ。これ以上は出せんぞ。」
「っち、わぁった。全部で13枚だ。これでいいな? ―――よし、それじゃあな。」
金貨を渡すと枚数を数え横柄に挨拶だけして離れていった。正直もう来たくない。西区の奴隷商館の方がよほどいい。基本仕入れは西区からになるだろう。…掘り出し物を探しに年に1回は来るだろうが。
精算が済んだ10人に奴隷紋を書き、奴隷商館を離れる。次の予定は武器屋だったな。そこで冒険者組の武器を買いそろえないといけない。剣を4本と槍を2本、手斧を2本に、盾も4つ買って、後は木の剣や槍、斧、棒、盾なんかを数個ずつ買いそろえようと思う。魔法持ちの子供以外も買ったので、体力づくりと、売り手先を増やすためにも何か武器が使えた方がいいだろうとの思いで、揃えるつもりだ。鍛え上げて冒険者部隊を増やすのもいいかもしれない。ともかく奴隷商館に奴隷を置いておくだけだなんてもったいなさすぎる。何かに使えるのならば、使って金に換えるべきだ。
後は、マジックバッグだな。冒険者組に持たせたいのと、できれば食料調達する際に持たせたいのと、俺の分と3つほど欲しい。効果は時間停止はなくてもいいが、容量拡張と重量軽減がついたもので。その他の魔道具も欲しいものはいくつもあるが、必要かと言われると微妙なところだが、魔道具との出会いは一期一会的なことを聞くと、殊更ほしくなる。…もっとも、金額は要相談であるが。
その後、武器屋、魔道具店を経由して必要なものを購入してからアグラス奴隷商館に戻ってきたが、まだ昼に少し届かないくらいだ。予定よりも早く終わってしまったので、このまま北区の奴隷商館にも行ってきてもいいな。東区の奴隷商館の感じからあまりいい印象はないんだが、このまま行くか。
というわけで急遽やってきました北区の奴隷商館。相変わらず小汚い佇まいではある。東区の奴隷商館と雰囲気が似ているところから嫌な予感がひしひしと感じてはいるが、とりあえず中に入ってみよう。
「っらっしゃい。さあ、見て行ってくれ。」
不愛想に挨拶を交わすと、好きに見てくれという感じに顎で中を指した。あ、これも面倒な奴っぽいな。一応挨拶だけはしっかりしておこう。
「どうも。南区で奴隷商館をはじめました、アグラスと申します。以後――――――」
「あぁ⁉ 奴隷商館を始めただぁ? なんでぇえ、商売敵じゃねえか。帰れ帰れ、お前にはぜってー売ってやらねーし、俺も買いに行かねぇ。とっとと帰れ。」
ただの挨拶の途中で敵認定されて追い出されてしまった。こりゃあだめだ。話にならねえ。質以前の問題だったわ。こいつもしかしなくとも東区とは仲良くやってるが、西区とは関わりねータイプだわ。そうかそうか。なら俺は西区の奴隷商館と仲良くしようかな。今の見た目以上にお粗末な結果に終わってしまったが、一応挨拶はすんだな、うん。一度帰って作戦練り直してみるか。どうやら西区のオズマンド奴隷商館とは長い付き合いになりそうだ。
昼食を済ませると、ランデルの元に出向いた。昼からの予定と今後の事の相談にといえば聞こえはいいが、要は決定事項の通達である。
「いかがしましたか、旦那。」
「おう、ランデルか。いや、君を買った理由とこれからの相談事について少しね。」
ランデルにこれからサビーノ、イェンス、アルドーを連れて冒険者になってほしいことや、3人の指導についての大まかな方針を通達した。要は冒険者としての仕事を教えろというやつである。4人の武器についてはもうすでに買いに行ったし、午後からの予定は4人を連れて冒険者登録をする。そして、明日の朝から冒険者として働く傍ら、治療院の宣伝をすることだ。
「治療院の宣伝ですかい?」
「そうだ。冒険者は生傷の絶えない仕事をしているだろう? それを治療するのをギルドでやっていたんだが、この度、治療院を開設した。俺の方からギルドにも連絡はするが、冒険者に直接伝える役をやってほしい。なに、露骨にやらなくてもいい。さりげなくでいい。場所と値段ぐらいを教えてやってくれ。」
「はあ、まあそれは構いやせんけど。」
「稼いでいる奴や、傷の重症化の危険性を知っている奴らは宣伝したら来るが、新人やバカは生傷を放置する奴らがいるからな。そういうやつらに教えてやってくれ。稼いでいるなら傷ぐらいは治せと。」
「確かに手足の生傷はぁ放置すりゃあ、最悪切断することがあるってのはギルドでも教えてくれやすが、…分かりやした。やってみやしょう。」
「ああ、頼むぞ。まあ、それ以上に新人たちの教育も頼む。パーティーでの動き方から色々と教えてやってくれ。しっかりと儲けが出る範囲なら酒を飲むことくらいは許す。」
「へい。ありがとうございやす。」
治療院がちゃんと稼働すれば、酒くらいなら自由にやってくれればいい。さすがに銀貨5枚も6枚も飲まないだろうし、報告はさせるからなと釘は刺しておく。肉を再生させるポーションよりは治療院の方が安上りなのは使ってさえくれれば、分かることなのだ。
錬金術師が作るポーションには、安いものから高いものまでピンキリである。止血するだけのポーションでも銀貨数枚。肉を再生させるポーションは金貨になることもある。欠損を治すものなら天井知らずに上がっていくだろう。しかし、治療院の利用の方が安いのに、ポーションが売れる理由は、現場で使えるからだ。止血するポーションだけでも町に帰る前までに死ぬことはないだろうし、戦闘中に治療院に行くわけにも行くまい。
だから、治療院があるなら行っておくのが常識なのだ。…そもそも治療院がない場合は、ポーションで治すしかないのだが。この町には現在うちしか魔法による治療を行う店はない。薬なんかを使った治療院はあるみたいだが、安い代わりに治りが魔法よりも遅いのが欠点だ。魔法だと魔力の上限という欠点もあるが、欠点を指しあってもキリがない。そんな訳で、宣伝さえちゃんとすれば、治療院が食いっぱぐれる事はないのだ。
善は急げってことで、ランデル、サビーノ、イェンス、アルドーの4人と冒険者ギルドにやってきた。ランデル達は冒険者登録をしに、俺は治療院の宣伝をしに。冒険者ギルドは石造りの2階建てで、1階に受付や買い取りカウンター、ポーションの販売所。2階にはギルドの偉い人の部屋や資料館がある。俺が用があるのは、受付の何時も担当してもらっていた受付嬢だ。
「こんにちは、クリスチーナさん。」
「あらあら、いつもありがとうね。今日も出張治療院かい?」
「いえ、この度アグラス治療院を開院しましたので、そのお知らせです。」
「あらあら、それはおめでとう。とうとうお店を持ったのね。場所はどこかしら?」
「えっとですね―――――」
クリスチーナさんに地図を使って場所を説明する。冒険者ギルドから10分程度の場所を指しながらここで始めました、と伝えると、あらあら近いわね。と言いながら何かにメモを取りながら地図を模写し始めて、簡潔な地図を作成してくれた。どうやら掲示板に貼り付けて宣伝してくれるらしい。冒険者ギルドにとっても治療院ができることは歓迎すべきことではあるのだ。大々的に宣伝してくれるならしてもらった方がありがたい。
しばらく世間話をしながら、地図の作成を待つ。それと4人の冒険者登録も現在進行形で行われている。今は注意事項や、ケガの対処などの説明を受けている。こうやって初期治療の大切さを冒険者ギルドが率先としてくれるのは、治療院を経営する者としてはありがたい。ぜひいろんな冒険者に来てもらいたいものだ。
しばらく待っていると、簡易地図が完成したようで、買い取りカウンターのある所の掲示板に張り出してくれた。一応料金は発生しないということらしい。俺の治療院の宣伝地図の横には別の治療院の地図も張り出してあった。買い取りの合間に見られるようにとの事なのだろう。ありがとうとお礼を言うと、あらあら、いいのよーうちにも利益があるから。と返されてしまった。ここの冒険者ギルドは冒険者を大切に扱う方針らしい。別の支部では、冒険者は使い捨ての様に雑に扱う事もあるらしいが、辺境伯領の冒険者ギルドは、差はあれど、どこもこんな感じらしい。
辺境伯の領地は魔物の領域のすぐ近くだからという場所柄もあるのだろう。現にこの領都の北側は完全に未開の領域だからな。毎日のようにゴブリンやコボルトが畑を荒らすらしい。そのため、北側の農地を持っている農民は貧民が多い。豪農は南や西側に畑を持っているからな。その関係でスラムも北側にある。…多分北の奴隷商館は殆どがスラムや貧民の奴隷なのだろうと想像がつく。見せてはもらえなかったが。
掲示板の掲示物を読んだり、依頼掲示板の方に行ってみたりと暇をつぶしていると、ランデルが声をかけてきた。新人研修講座は終わったようで、常設依頼の確認をしに来たようだ。
「どうだランデル、1日にどれくらい見込めそうだ?」
「そうでやすね。始めはゴブリンからでやすから、1人1日銀貨5,6枚で見込んでやす。慣れてきたら森の中に入るんで、マジックバッグを持たせてくれるってんで、1人大銀貨2,3枚は堅いとおもいやす。」
マジックバッグは金貨15枚もした一番いいやつを持たせることにしたのだ。森に入るようになれば元手は取り返したと思ってもいいだろう。とはいっても新人の事を思えば、秋のスタンピードにさえ間に合えば、オークが売れるからな。ここのところ毎秋オークのスタンピードだから、多分今年もオークだろう。オークは肉が売れるから、マジックバッグさえあればおいしい獲物だ。それが畑付近にまで出てくるのだから、今からオーク討伐までに新人たちが間に合ってほしいものだ。それでなくとも、森には肉にできる魔物や、毛皮が使える魔物もいるのだ。マジックバッグは中堅冒険者には必須の持ち物なのだ。
1日1人銀貨5,6枚だと……。
明日からの予定を立てつつ、奴隷商館まで帰ってきた。ランデル達に武器を配りつつ、マジックバッグを預ける。明日から本格稼働するのだ。因みに6日に1度の休みは強要した。…でないと労基が怖い。いや、無いんだけどさ労基なんて。しっかし、稼ぐ冒険者は2日に1日は休むらしいけど、それに倣って稼いでない冒険者の多くも1勤1休かそれ以上なんだけど、金たまるんだろうか? 食費や宿代もバカにならんのだぞ? うちは儲けを出させるから5勤1休だけどさ。
そしてヘルガなんだが、なんと元子爵家のメイドをしていたということが発覚した。なんでも戦争で当主と嫡男が死んでしまったそうだ。南部の戦争も思ったよりも大変そうだ。財宝神の加護が泣いていそうだが、うちではチビ達のマナー講習、対貴族の対応講習を増やしておこう。9人いるチビ達の読み書きをラザールとニクラスに任せてしまって、ヘルガには他にうちの経営の財務担当をやってもらう。無駄遣いしなければ黒字は確定しているが、俺がやるのも面倒だ。彼女に任せてしまう。これで財宝神もご満悦に違いない。
というか商品がまだチビ達9人だけなんだよな。他は館の運営や治療院の宣伝、奴隷の教育係を必要最低限って感じだし、近いうちに西区のオズマンド奴隷商館にまた仕入れに行こう。それと、あそこの奴隷たち全員に奴隷紋を書いてやらないとな。あそこが商売繁盛しないと奴隷の循環が起きない。そうなれば、先天技能持ちの仕入れが滞ってしまう。東区? あそこは知らん。多分北区の奴隷商館と仲良くやってるだろ。同じ系統の商人だったし。
さっさと面倒な仕事は終わらせたいため、早速明日、オズマンド奴隷商館を訪問しよう。今日はヘルガに財務を担当させて、さらにチビ達に対貴族の応対を教える方針だと伝える。ラザールとニクラスに明日から読み書き計算を教える教室をやらせて、今後継続してやらせる事を伝える。そして、ソフィア、ジーン、ブランカ、ミレイユに家事全般を手伝わせるように伝える。商品である子供たち9人…明日もっと増やす予定だが、にも明日から勉強をやらせることを伝えた。嫌がっても強制してやらせるが、子供たちは素直に頷いたので良しとしよう。因みに俺も戦闘と魔法の練習を監督する時間をとる予定だ。明日からの予定にもう一度考えをめぐらせ、ぐっすり寝た。
零細商人の朝は早い。ソフィアから朝食を貰い、早速西区のオズマンド奴隷商館を訪れた。
「これはこれは、アグラス様。オズマンド奴隷商館にようこそいらっしゃいました。本日はどのようなご用件でしょうか。」
「ああ、今日はここの奴隷たちに奴隷紋を書きに来たんだ。必要だろう?」
「おお! それはそれは。どうもありがとうございます。」
奴隷紋を書きに来たと言ったとたんに、胡散臭さが2割増しになったが、まあいい。奴隷1人当たり銀貨5枚で請け負う予定だ。それを伝えたとたんにさらに胡散臭さがました。…すこし安かったか。まあいい。共存共栄の精神だ。それと同時に奴隷をさらに何人か買い足すと言って、後で足し引きすればいいということで早速奴隷紋を書いていく。鑑定はせずに数をこなしていく。買うのは後だ。
一応数を数えながら書いていくと、122人の無紋奴隷がいた。銀貨610枚だが、ここは金貨6枚で済ます。そして12歳以下の奴隷をまとめて買っていく。東区に比べるとこちらは12歳以下の子供たちが少ない。やはり北区の奴隷商館とはそりが合わなかったのだろう。仕入れが滞っていそうだった。鑑定で見てよさそうな子供の奴隷を買っていく。21人の子供を買い上げた。
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ステータス
名前:ニュートン
年齢:11
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『剣術』
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ステータス
名前:シードル
年齢:11
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『斧術』
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ステータス
名前:フェレ
年齢:11
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『身体強化』
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ステータス
名前:ラルス
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『闇魔法』
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ステータス
名前:キリアン
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『猫神の加護』
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ステータス
名前:エドガー
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『危機察知』
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ステータス
名前:アキーム
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『剛力』
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ステータス
名前:グレゴール
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『精密操作』
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ステータス
名前:ハンヒェン
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『神速』
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ステータス
名前:ヒュー
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『錬金術師』
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ステータス
名前:アンドニ
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『斧術』
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ステータス
名前:ラインホルト
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『盾術』『魔力上昇』
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ステータス
名前:サミュエル
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『視覚強化』
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ステータス
名前:ラモン
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『水魔法』
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ステータス
名前:リナ
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『剣術』
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ステータス
名前:ニノン
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『鎌術』
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ステータス
名前:マリア
年齢:10
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『槍術』
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ステータス
名前:ロジーヌ
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『聴覚強化』
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ステータス
名前:マルグレット
年齢:9
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『方向感覚』
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ステータス
名前:ヴェーラ
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『本神の加護』『魔本士』
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ステータス
名前:イゾルデ
年齢:8
レベル:1
ギフト:『』
先天技能:『調薬士』
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さて、完全に奴隷商館が小学校になってきたぞ。子供が30人とりあえずはこれでいい。面白い加護の子もいたし、全体的に冒険者となりそうな先天技能が多かったな。魔法使いになれそうな子もいたし、これは大きい。魔法使いになれなくても、魔力を持っている子と教育を変えるつもりはない。魔力の操作になれることは悪いことではないし。魔道具を動かすのにも魔力は必要なのだから。
「この21人を買う。幾らだ? ああ、先ほどの奴隷紋を刻んだ手数料の金貨6枚は引いといてくれ。」
「幼子ですからね。金貨15枚でどうでしょう?」
「わかった。それでいい。それと今後は仕入れも頼むぞ。教育はこちらでするから、なるべく幼い方がいい。」
「おお、ありがとうございます、そのようにいたします。」
金貨15枚を払い、小学校の引率の様に子供の奴隷を引き連れていく、先生役が年齢が殆ど変わらないのは無視してくれ。これでアグラス奴隷商館も稼働開始だ。商品に価値を付加している段階だが、治療院と冒険者業で回していくだけだ。元手は絶対に回収する。冒険者をやらせるだけで回収できる金だ。軽い軽い。
ヘルガに21人買ったことと、名簿を作らせて部屋に案内するように頼む。命令しないといけないんだろうけど、頼んじゃうんだよなぁ。上司経験なんて前世でも無かったからな、ましてや奴隷なんていなかったし。そして、昼食を食べて治療院に詰める。実際は夕方からしか来ないだろう。まだ昨日宣伝しただけだし、誰も来ないかもしれない。しかしながら宣伝をした建前、一応詰めておかないと。
結果、治療院に冒険者は結構な数やってきた。ギルドの宣伝効果はすごいな、いきなりこんなに来るとは。出張治療院をやってた頃から比べれば少ないが、これなら十分に食っていける1日の食費以上は稼げているし、このペースでも税金は問題ないだろう。まあ、きっと来る人数もペースアップしていくだろうけど、魔力が持つかどうかは分からない。魔力が切れれば閉院なのは仕方ない。前世の病院だったら憤慨ものだろうが、この世界の冒険者は仕事を詰めない。また明日って感じでも大丈夫なのだ。問題ない問題ない。ただ、ランデル達の分は魔力を残しておかないといけないのは仕方ないだろう。この調子でガンガンと稼いでいこう。