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記録  作者: 柳瀬
2/4

5/12 晴

 時計は持って来なかったし、iPhoneの電源も切っていたため正確な時間が分からないが、起きた時間は昼を過ぎていたらしい。

 目覚めた時間は分かったのは、起きてから日が暮れるまでの長さが短かったからだ。余程疲れていたようで、深い眠りに落ちていたらしい。

 今これを書きながら、室内の時計の存在にやっと気付いた。時間などどうでもよかったらしい。

 残された日中に外に出た。

 この国の1番大きな都市であるが、日本の都会のような雰囲気ではない。東京の様に背の高いビルは密集している訳ではなく、商業施設やオフィスと思われる建物と住家とも思われる煉瓦の建物、どれも背があまり高くないが、遠くまでそれらがあり街を作っている。この国に着いた時は夜で、あまり風景を眺めるような気力もなかった。改めて街を見ると、異国へ来たのだと実感する。

 路上駐車が多い。

 ナンバープレートが見慣れない。

 行き交う人の背が高い。

 スーツ姿が少ない。

 少し離れた場所に、日本でもよく見かけるビル群がある。

 緑の多い場所へ出て、公園かと思ったが墓地だった。こんな街の真ん中にあるのだから驚いた。騒がしくてたまらないだろう。

 街並みを眺めながら大通りや路地を何度か折れながら道を歩くと、夕日が川の向こうに沈むのが見れた。

 桟橋の様な所に便利があって、そこに座った。犬を連れた人や、ランニングする人が多々おり、そういうコースに向いている道だと察した。

 ぼんやりと、それが沈むのを眺めていた。

 沈む瞬間に、じゅっ、と音がしたような気がして、サイモンに近付いたと思った。

 沈んでから気付いたが、これは川ではなく海だ。

 向こうに見える島々には橋が掛かっていて、歩いてもいけるはずだ。此処からは木々と三角頭の建物が見える。

 ホテルに戻ろうと踵を返した。

 3日間ホテルは予約している。その先は考えていない。

 明日は旧市街を歩いてみようかと思う。

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