PCエンジンミニが来た 〜無敵の自分になりたくて〜
2020年3月21日、発売日から2日遅れで私の部屋にレトロゲーム機、「PCエンジンミニ」が到着しました。
2019年の7月という、レトロゲームファンの中でも比較的早い段階、まだ収録ソフトさえ明らかになっていない内に予約していたPCエンジンミニ。
これまで近年流行りの「〇〇ミニ」シリーズに全く関心の無かった私でしたが、PCエンジンはそれだけ想い出深いゲーム機だったのです。
今の時代にPCエンジンと聞いても、若い人にはピンと来ないでしょう。
PCエンジンよりもひと昔前にブームを築いたファミコン(ファミリーコンピューター)の事は社会現象として良く知られていて、PCエンジンよりも後の時代にブームを築いたプレイステーションは、現在も5代目へと続くロングセラーとなっています。
また、当時のプレイステーションのライバルだったセガサターン等も、辛うじて今の若い人の記憶には残されているはずですね。
つまりPCエンジンは、テレビゲーム機としてヒットは記録したものの、ブームを起こす事が出来ずにマニア以外からは忘れられたハードなんですよ。
PCエンジンは私が中学生になったばかりの1987年に発売され、当時は「ファミコンには出来ないレベルでゲームセンターのゲームが移植出来る」という事を売りにしていました。
しかしながら、ファミコンより1万円も高価な24800円という価格と、中学生になってからは部活に打ち込む様になっていた私にとって、テレビゲームは小学生で卒業していた存在だったのです。
そもそもファミコンも自宅には無く、友達の家でやらせて貰う物という認識だった私は、中学・高校とゲームには全く縁の無い生活を送り、部活やバンド活動に夢中でした。
そんな私がPCエンジンと出会うきっかけは、大学に合格して暇な時間が増えた事。
私が現在で言うFラン大学に入学した年には、前述のプレイステーションやセガサターンが発売されており、ピークを過ぎてしまったPCエンジンは本体もソフトも二束三文で売られていたのです。
中学・高校時代は時間が無かっただけで、元来ゲームは好きだった私は、大学の側にある質屋で3000円位のPCエンジンDUOーRという中古ハードを購入し、これまた大学の側にあるゲームショップで300円位から叩き売られていたPCエンジンの中古ソフトを集めまくりました。
学食のお昼ご飯を1回抜けばゲームソフトが1本買える訳ですから、そのゲームショップにあるPCエンジンソフトは殆ど私が買い占めましたね(笑)。
今思えば、孤独な部屋で思わずガッツポーズを取りたくなる様な名作から、床にソフトを実際に叩きつけた超・駄作まで、まさにジャンルを問わずにPCエンジンをプレイしまくっていたのです。
とは言え、大学の授業にゲームのせいで遅刻したり、ゲームのせいで授業をサボったりはしていません。バイトもしましたし、友達とも遊びましたし、恋愛もしました(成就したとは言っていない)。
単位も出来るだけ沢山取得し、その履修科目は卒業後20年経った介護の職場で相談員になる資格となってくれました。
あの頃の自分は、Fラン大学に何の恥も劣等感も感じずにやりたい事を全部やる、正に無敵の状態でしたね。
Fラン大学に行く事が悪いのではありません。
Fラン大学でやる気を無くして勉強しない人間になってしまう事が悪いのです!!!!!(←強調し過ぎ)
20年後に何があるか分かりませんので、現役の大学生の方!履修科目は卒業単位ギリギリにはしない方が良いですよ。
さて、PCエンジンは、ファミコンと同じ8BIT機として誕生しながらも、世界で初めてCDーROMを家庭用テレビゲームに採用する等、テレビゲームの歴史の転換期を身を以て体現したハードでした。
従って、リアルタイムでハードを拡張して行ったコアユーザーの方々にとっては、甚大な出費とは割の合わないゲーム機だったかも知れません。
私は好運にも、ピークを過ぎたハードを買うという作戦で、しかも売れないソフトの居場所が沢山あった90年代だったからこそ、ゲーム三昧と学業、バイトを両立出来たのかも知れないですね。
そんな私でしたが、社会人になってから再びバンド活動をする様になった事でPCエンジンとは疎遠になり、引っ越しの際、あろう事か初老の大家さんにPCエンジンの処分を一任してしまったのです!
ゲームの価値など全く分からない大家さんは、恐らく全て廃棄処分にしてしまったと思います……レトロゲーマーの皆様、誠に申し訳ありません!
あれから20年以上が経ち、ファミコンミニから始まったレトロゲームのミニ化もスーパーファミコン、プレイステーション、メガドライブまで実現。
しかし、PCエンジンを開発したハドソンは倒産してKONAMIに吸収され、共同開発のNECもゲーム事業からはとうに撤退……と、私個人としてはPCエンジンのミニ化だけはあり得ないと思っていました。
それが突然、PCエンジンミニ発売の予告。
近年のKONAMIは肖像権ビジネスやスポーツジムに力を入れ過ぎていて、ゲームマニアからは評判が悪かった様子でしたが、恐らく今回のPCエンジンミニを置き土産に、うるさいゲームマニアとは手を切りたいという本音も見えてきますね。
それで良いと思います。
現在の日本のゲーム産業は、とても未来があるとは思えませんからね。
私は大学時代、学内のマニアな友人から借りたソフトも含めると、計200本位のPCエンジンソフトをプレイしました!
これはPCエンジン全ソフトの3分の1近い数です。
その中に、今回発売されたPCエンジンミニに内蔵されている58本のソフトはどれだけ含まれているのだろう……と数えてみると……
何と!「ドラゴンスピリット」と「ボンバーマン`93」の2本だけでした(笑)!
これ殆ど新作ゲーム機ですよ(笑)!
……いやお前、「グラディウス」とか「桃太郎電鉄」位はやった事あんだろ……って、やってません!
じゃあお前はどんなゲームしていたんだ?と訊かれたら、「凄ノ王伝説」とか、「BABEL」とか、「ビジランテ」とか……と答えます。
やはり俺はおかしかった。
そんな俺に助言ひとつせず、バグだらけの「アルナムの牙」を貸してくれた友人もおかしかった。
従って、当初の目的である「無敵だった大学時代を思い出して活力にする」事がほぼ不可能(笑)。
その代わりに新鮮な驚きに毎日K.O.されております(笑)。
果たしてこれは幸せなのか……?
◎最後に個人的にどハマりしたPCエンジンソフト
☆エメラルドドラゴン
☆究極タイガー
☆プライベート・アイ・ドール
PCエンジンはマニア向けのハードです。
しかし、シューティングゲームに関しては他のハードには無い快適な操作性が魅力。
私は決してシューティングゲームは得意ではありませんが、PCエンジンのシューティングゲームはとても楽しいです。
「PCエンジンミニ」にはやたらシューティングゲームが多く収録されているので、2Dシューティングゲームが好きな人なら一見の価値があると思いますね!