3 何にも入ってないじゃん.....
前回キャラ紹介してませんでした。すみません...
倉井 美貴 主人公の片割れ
倉井 美咲 主人公
絹山 樹 モバイルバッテリーな友達
高校の最寄りの駅で降りた私たちは高校前の坂を上り始めた。坂の途中で振り返ると自分たちの町よりも発展してる街並みが見れる。ところどころに見えるビルのガラスは太陽の光を反射し強く輝いている。
道に植えられている桜は今は新緑に染まり、時々吹く風に共鳴するようにざわざわと音を立てる
高校の生徒玄関についた私たちは互いに別れ互いの教室に入る
私の席は窓側の後ろから2番目である。皆はその席いいなぁと言うが私はそうは思わない。外は景色が綺麗で町が一望できる。
自分の席に着くとキーホルダーだらけのカバンを置きチャックを開ける
やはり自分の教科書はない。入っているのはルーズリーフと謎のノートである。
謎のノートには「日記」と書いてある。後でじっくり見てやろう
さて、教科書がないので誰からか借りなければならない。どうしたものか
3年間同じクラスのこの学校だが、他クラスに教科書を貸してくれる友達もいない。
さて考えているうちに樹のいる2-2まで来ていた。
「うん借りるしかない」と呟き2組のに入る、友達だろうか樹は4人くらいの男子達で盛り上がっていた。
話し掛けるタイミングがわからず「あ・・。」「あ・・。」と顔ナシみたいな声を上げていると。
メンバーの一人が気づき樹に「お前の客人じゃね?」と質問する
それに答えるように樹が振り向き「ん?なんか用?」と言った
私が答える前にメンバーの一人が「ヒューヒュー」と言い始め、樹をからかう。
別に付き合ってるわけでもないのに互いに顔が赤くなっていく。
「廊下で話そう」と私に言い廊下に私を連れ出した
「ごめん」と私が言うと樹が「大丈夫、あいつらすぐ騒ぎ出すから」と私をフォローするような発言をした。仕切りなおすように「で?用は」と樹が聞いてきたので「教科書を貸してほしい」と答えた。樹は「別にいいよと」と言ってくれた。
やはり持つべきなのは友達である。
古文の時間、相変わらずこの授業は暇である。
睡魔に負け、寝ている生徒がちらほら見え始めたとき、暇つぶしに私は美貴の日記を読み始めた。
初めは他愛もない話で二人で話すときに聞いたような話題ばかりであった。
しかし、ある一時を境にある男についての記述が目立ってきた。その男のことで話題は溢れかえっていた
そして、一昨日の日記には衝撃的な一文が載っていた。
「レイくんへの告白成功」
衝撃的な言葉だった。
え?と思わず言いそうになってしまった。
私はいったんノートを閉じる
落ちつけ。落ち着けと心に言い聞かせる。
そしてまたノートを開く
「レイくんへの告白成功」
汗が全身から噴き出す
私はこの時間、何をしていたかわからなくなり記憶喪失みたいな状態になった