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前科部!  作者: 蛇猫
進み始める日々と不安
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目フェチ

遅れたけど後悔はしていない。......あ、この後私のもうひとつの作品『堅物悪魔と契約者』も更新するのでよろしく!

イラスト描いて貰ったんで、それだけでも見ていって下さい! イラストは今日更新する話の一話前の話で見れますよ!


調月の説明を整理しよう。まず、最初に俺達が学校に行っている間

俺の家を調月の母が訪ねてきたらしい。


『はい~?』


そして、インターフォンを鳴らされて玄関から顔を出した親父に

調月の母親は


『私は調月雹霞の母です。娘がそちらにお邪魔していると聞いてきたのですが』


と、言ってきたらしい。


『ええ。確かに調月雹霞さんはウチで生活していますが』


『娘を返していただけないでしょうか?』


『返せ、だなんて人聞きの悪いことを仰有らないで下さい。それじゃあ

 まるで私が御宅の娘さんを閉じ込めているみたいじゃないですか』


『似たようなものでしょう。その証拠に娘は三週間以上、帰ってきていませんし』


『失礼ですが、そのお考えは間違っているかと。娘さんは貴方を恐れて此処に

 逃れてきたのです。そして、私達はあくまで娘さんを匿っているだけです。

 娘さんが帰りたいと言えば、当たり前ですが私達は帰しますよ?』


みたいなことを親父が調月の母親に言うと、彼女はキレ気味で


『では、娘が帰りたくないと言えば?』


と聞いてきたのだとか。

 

『勿論。私達は娘さんを優先して匿い続けます』


そして、親父はそう断言した。


『そんな権利、貴方にはない筈です。警察を呼びますよ?』


そのことに彼女は激昂し、そう叫んだらしいが


『ええ。良いですよ。今すぐにでも呼んでください。逮捕されるのは知人の家に

 逃げなくてはいけないほどまでに実の娘を虐待した貴方でしょうし』


とか何とか、親父は言い返したらしく結局その日、彼女は帰ったらしい。

やっぱり、いざというときに親父は頼りになる。


「でも、どうしてそれがお前が帰ることに繋がるんだよ。親父はお前をこれからも

 匿い続けるって言ったんだろ? なら、出ていくこともないんじゃないか?」


「さっきも言ったけれど私にも遠慮というものがあるの。母のことも自分の家も

 嫌いだけど、あの親がわざわざ私を返すように訪ねてくるというのは相当のこと。

 それだけの期間世話になったのだから、これ以上迷惑は掛けられないわ」


「……お前にも其処まで人への迷惑を考える脳があったんだな」


「結構、真面目に話していたのだけれど。しばいて良いかしら? というか、しばく」


そう言って調月は何故か持ってきていた爬虫類に関する雑誌を丸めて

俺の頭をしばいた。


「ありがとうございますうっ!」


「どういたしまして」


「......よし、話を戻すか。俺は別に調月がずっとウチに居ても良いと思うけどな」


「ごめんなさい。私達、まだ高校生だしそういうのはどうかと思うわ。

 私と結婚したいならまず、交際から始めましょう」


「プロポーズした訳じゃねえからな!?」


「回りくどい言葉は嫌いよ。私のことが好きなら最初に『調月様、貢ぐので

 どうか私と交際してくださいませ』と言いなさい。まずは其処からね」


「何だコイツ」


「何処にでも居るただのヒモ志望の美少女よ」


「一人も要らねえわ。そんな美少女」


「まあ兎に角、私はそろそろ家に帰るわ。母に何をされるのか分からないけれど

 それよりも貴方達に迷惑を掛けていると思う方がストレスなの。貴方達が迷惑

 ではない、と言ってくれてもね」


調月は乾いた笑顔を見せる。こんなに弱った様子の調月を見るのは久し振りだ。


「まあ、お前がそう言うなら俺に止める権利はないしな。分かった。

 ただ、一つだけ頼みがある」


「何かしら」


「メアド交換しようぜ」


「きも」


「んなこと言うな。上里さんのメアドってめっちゃレアなんだぞ。

 あの雪加でさえ知らないんだからな」


というか、基本的に俺は人と連絡先を交換しない。部活の奴らには電話番号を一応

教えているが、それだけだ。それにアイツらの性格上、どうでも良いことで電話を

掛けてくることはまずないので業務連絡用と化している。なので、軽い気持ちで

連絡を取れるメールのアドレスを俺が人に教えること自体、非常に珍しいのだ。


「それを言うなら私もよ。それに、私のメールアドレスは貴方と違ってきちんと

 価値があるわ。そんなものがただただ、珍しいだけの薄汚れた貴方のアドレスと

 釣り合うと思っているの?」


其処まで言わなくても良いじゃん。


「いや、単純にメアドを交換しておけばお前が親に何かされても直ぐに俺に報告

 出来るだろ? 場合によっちゃ、警察を呼んだり出来るしな。お前が嫌だって

 言うなら別に良いが、どうする?」


「......まあ、其処まで言うなら交換してあげないこともないわ」


相変わらずの調月の態度のデカさに呆れつつも俺は調月とメアドを交換した。


「というか、お前の母親ってスマホとかは買ってくれるんだな」


私服もきちんとした物を着せて貰っているし、金は出してくれるのかもしれない。


「......ああ、これは母に買ってもらったものじゃないわ」


調月の表情が曇る。


「お前アルバイトとかしてたっけ?」


「いえ」


調月は首を振る。


「じゃあ、誰に?」


「……聞きたい?」


「別にどちらでも」


「そう。じゃあ、聞きなさい。恥ずかしいことだから貴方には言いたくなかった

 のだけれど、今は聞いてもらった方がスッキリする気がするわ」


調月は溜め息を吐いてそう言うと、改めて口を開いた。


「私の両親は私が小さい頃に離婚したわ。このスマホや本、小遣い、その他諸々を

 私に与えてくれているのは母ではなく離婚して別居している父なの」


「な.......」


先程、調月がこの話を俺にするのを躊躇っていた理由が分かった。どうやら

かなり重い話だったらしい。


「驚いた?」


「そりゃ、多少はな。父の方は優しいのか?」


「ええ。母とは比べ物にならないほど、優しい人よ。今でも定期的に会って

 話相手になってもらったり、物を買ってもらったりしているの」


そう語る調月の表情は少し、寂しそうだった。


「でも、何でそんな優しい人がお前の母親と結婚したんだ?」


「最初は母も本性を隠していたのよ。私の父は企業の重役でそれなりに金持ち

 だったから、金に目が眩んだ私の母は猫を被って父に擦り寄っていったの。

 でも結局、母が私を産んでから数年で化けの皮が剥がれて父は離婚を決めたわ。

 最低限の資金援助を条件にね」


「でも何で現在、親権がお前の母親に有るんだ?」


調月の母はとてもではないが調月を愛しているとは思えない。一方、調月の父は

現在でも調月に物を買い与えてくれていて、母よりも調月を愛しているようだ。

なのに何故、親権が母に渡ったのだろうか。


「私もよく分かっていないけれど、離婚を切り出した父への嫌がらせだったらしいわ」


「は?」


「最低限の資金援助が有るとは言っても、離婚をしたら母は父から渡される金が

 減る訳でしょう? だから、母は父が可愛がっていた私の親権を自分に渡すことを

 離婚の条件にしたのよ。当時の母は本性が表れ出していたとはいえ、私に虐待を

 するようなことは流石にしなかったから、父は泣く泣くその条件を飲んだらしいわ」


うわあ.......。


「何と言うか、調月の父も其処まで離婚したかったんだな」


「ええ。切実だったみたい」


「お前は父親のこと、好きなのか?」


「勿論。私が爬虫類が好きになった理由も父と一緒に幼い頃、畦道(あぜみち)なんかを

 歩いてヘビやヤモリの観察をしていたからなの。嫌いな筈がないわ」


俺は何度か頷いた後、一つだけ気になったことを調月に聞いてみた。


「それなら、今からでも父親に助けを求めたら良いんじゃないか? 話を聞いてる限り

 お前が母親に虐待されていることを言えば、どうにかしてくれる気がするんだが」


しかし、俺がそう聞くと調月は黙ってしまった。どうやら、あまり踏み込んでは

いけない話だったらしい。


「すまん。俺が悪かった。そんな当たり前のことをお前が考え付かない筈が

 ないもんな。何か事情が」


有るんだよな、そう言おうとしたとき調月が不意に口を開いた。


「父は再婚して、新しい子供もいるの。再婚相手は性格も良いそうでたまに

 私に会うと楽しそうにしているわ。そんな......、そんな幸せな父を私の

 『不幸』に巻き込むことは出来ないわ」


そして、苛立った様子で震えながら言う。今にも泣き出しそうな勢いだった。


「調月」


「何!?」


ヒステリーな声を出して調月は俺を睨む。


「やっぱり、もうちょっとだけウチに居ろ。どうせ、雪加が毎日のように

 居座ってるんだ。そんな変わらねえよ」


「......でも」


「でもじゃない。お前、ウチに来てから俺を見下す目が鋭くなっただろ。

 調子が良くなった証拠だ。そんなお前を今の状態で『不幸』に戻すことは

 出来ない」


「普通は笑顔が増えた、とか明るくなった、というところで見下す目を

 比較対象にする辺りマゾの貴方らしいわね」


「おうよ。マゾで目フェチな上里さん舐めんな」


「気持ち悪いわね」


調月はクスっと笑った。


「お前ってそんな顔、出来たんだな」


「......はっ」


調月は我に帰ったように俺を睨み付ける。


「今更、信じられないほど柔らかな笑みを浮かべてたことに気付いても遅いぞ」


「......しばいても喜ばれるだけの気がするからもう良いわ」


よく分かっていらっしゃる。


「ま、帰るにしても別に今すぐじゃなくても良いだろ。お前の母親、多分今頃

 カリカリしてるだろうし。親父とかを挟んで和解してから帰ったらどうだ?」


俺はスマホのホーム画面を見ながらそんなことを提案する。もう勝手に部活動から

抜け出してきてから随分、時間が経っている。そろそろ戻った方が良さそうだ。


「......分かった。もう少しだけ、貴方の家に居させてもらうわ」


「おう。あ、メアドはどうする?」


「面倒臭いから取っておきなさい」


なんか貰えた。


「あ、先輩!.......と調月先輩!」


調月との話が一件落着したことに俺が安堵していると、遠くの方から此方へ

息を切らして走ってくる小戸森の姿が見えた。


「おい、なんか来たぞ」


「そうね」


「流石に遅すぎます。早く帰ってきてください」


小戸森は呆れたように俺と調月を叱る。


「悪かったよ。どうして此処が分かったんだ?」


「勘解由小路先輩がお二人の歩いて行った方角から大体の位置を予想してくれました。

 最初は半信半疑でしたけど、居ましたね」


何それアイツ怖い。


「勘解由小路さんなら納得ね」


お前もお前で納得すんな。......なんか、調月の母に雪加をぶつけたら

何もかも解決な気がしてきたな。

......メキメキ(キメラの鳴き声) ども、蛇猫です。なんか最近、忙しいんですよね。

小説書きたいんですけど。新作の案も5つくらいあるし。......皆さんが感想とかくれたら能率上がる気がするな~?

な~?(チラッ、チラッ)

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[一言] 体に気をつけて頑張ってほしい
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