疲労困憊
やっほー、蛇猫だよ! 画面の前の其処のキミ、評価、ブクマ、感想、レビュー宜しくね!
「……まあ、ということが有った訳よ」
俺は溜め息を吐く。
「祐也は私の知らないところで頑張りすぎ。たまには頼って......というかこの話
前もした」
「悪い。でも、こうやって愚痴らせてもらうだけでもかなり助かってる」
「愚痴くらいなら幾らでも聞く。相談にも乗ってあげる。協力もしてあげる」
コイツは俺をどれだけ甘やかすつもりなんだ。
「ねえ、あの......」
「雪加、そんなことは簡単に言うもんじゃないぞ。俺、結構癒しに飢えてるからな。
俺を甘やかしたら最後、一生お前におぎゃり続けるぞ」
「よしよし。良い子、良い子」
「おぎゃああ! ......は! 雪加に頭を撫でられて思わず幼児退行してしまっていた!」
「祐也、頑張ってるもんね。祐也は部活では副部長的な役割を担い、自然観察部の
崩壊を防ぎ、色んな人の相談に乗り、何時も皆の矢面に立ち、それでいて自分の
生活も私の言い付けを守ってしっかりしている。中々、出来ないことだと思う」
雪加は俺をぎゅっと後ろから抱き締め、俺の耳元でそうささやく。
「ちょっと、貴方達」
「雪加あ......」
「最近、祐也の笑顔を見てない。多分、祐也に心の余裕が無いからだと思う。
だから、今日は私が祐也を癒して心の余裕を取り戻して貰う」
雪加は優しくそう言うと、頭を更に撫でてきた。心が休まる。
「うう........」
調月を匿ったり、幻中と蜂須賀の関係の修復を手伝ったりしたことが無駄だったとは
全く思っていないが、確かに雪加の言う通り最近の俺は心の余裕が無くなっていた
かもしれない。自然と目頭が熱くなってきた。
「泣いても良い。此処にそれを責める人はいないから。泣いたらスッキリする筈。
ほら、祐也」
雪加は俺の耳元で誘惑するように囁く。
「無視しないでくれるかしら?」
「......っ。うううううううっ」
そして次の瞬間、俺は涙を流していた。雪加は更にぎゅっと俺を抱き締める。
「どう?」
雪加はかなり嬉しそうに聞いてきた。
「まあ......」
俺がそう答えると、強く床を叩く奴がいた。
「『まあ......』じゃないわ。貴方達、私の前で何をやっているの?」
「「俺(祐也)のカウンセリング」」
俺と雪加が即答すると、何処からかブチッと何かが千切れるような音がした。
「茶番をするなら私の居ないところでして。目障りよ」
調月は額に青筋を浮かべながら言う。
「だって此処、俺の家だし」
「だって此処、私の幼馴染みの家だし」
「あ?」
調月は俺の顔を穴が開くほど睨んできた。何コイツ怖い。
「そんなに見つめんな。照れる」
「死ねば良いのに」
「とか言いつつ、俺が死んだら泣くんだろ? 上里さん知ってる」
「そうよ。確かに泣くわ。ふふっ」
満面の笑みで肯定された!?
「俺の死を想像して笑うのやめろ。雪加は泣いてくれるよな?」
「不謹慎」
「ごめんなさい」
なんで俺が謝らなければならないのだろうか。
「というか、さっきの話、私が聞いても良いことだったのかしら?」
「大丈夫、大丈夫。幻中が不登校になってた理由は幻中から聞いただろ?
俺はその裏でどんなことが起きていたのかを話しただけだから」
幻中が不登校から脱するのは割と早く、俺が彼女の家に行って相談に乗ってから
一週間ほど経つ今日、彼女は復帰した。そして、長い間休んでいた理由を部員と
宗里先生に打ち明けたのだ。
「そう。なら良いのだけど。彼女は勿論、貴方も大変だったのね。一応
お疲れ様とだけ言っておくわ」
「......あの毒蛇が、人を労った?」
「……あの雹霞が、デレた?」
「貴方達って、人を苛立たさせるようなことばかり言うわね」
調月は気分を害したように舌打ちをする。
「「貴方だって、暴言ばかり言うじゃない」」
「言葉を重ねないで。後、私の口調を真似しないでくれるかしら?」
「「善処するわ」」
「......此処まで苛立ったのは久し振りよ」
調月は手を握り締め、目を見開き、黒いオーラをドロドロと放つ。
流石にからかい過ぎた。この辺りで止めておこう。
「悪い。何時もお前に罵倒されてばっかりだからな。たまには仕返しを
してやろうと思って」
「仕返しも何も貴方マゾじゃない。私の暴言は寧ろご褒美でしょう?」
これは酷い。
「ねえ、祐也。話は戻るけど、その梓って言う人はどんな人だったの?」
調月をからかって疲れたのだろうか。雪加は俺のベッドで寝転んでそんなことを
聞いてきた。
「どんな人か、って聞かれるとそうだなあ......。見た目はゆるふわ女子なんだが
中身は何と言うか、凄く優しくて素直な常時テンションMAXな感じの人だな。
ふざけてるときの俺って言ったら分かるか?」
「蜂須賀さんのことは知らないけれど、貴方に例えられるなんて哀れね」
「常にふざけてるときの祐也のテンションなんて、絶対頭の可笑しい人に違いない」
なんか、二回罵倒された挙げ句に流れ弾が蜂須賀に当たった気がする。
「いや、マジで俺や雪加レベルで頭の可笑しい人だぞ。この前も急に幻中の電話番号を
教えろとか言ってきたからな。しかも、ジャブだから大丈夫だとか意味不明なことを
言ってた」
「梓、アズサ、アズ、それにジャブ......?」
雪加は驚いた様子でそんな言葉を呟く。
「どうかしたの?」
「......何でもない。それより雹霞、公園に自然観察をしに行くのは
何時だったっけ」
「さあ?」
調月は自分も分からないから教えろとばかりに俺に視線を送ってきた。
「再来週の土曜日だな。井上も来れるらしいぞ」
「ありがと。......次の自然観察は賑やかになると思う」
俺はその時、雪加が小さな笑みを浮かべていたことに気付けなかった。
やあ、俺は翼蛇猫だあ......。画面の前にいるそこのアンちゃん、評価、ブクマ、感想、レビュー、よろしく頼むぜえ。




