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前科部!  作者: 蛇猫
そして前科者『上里祐也』は鳥好きになった
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冷徹ロリ


スクールカースト、というものが学校には存在する。これは

校内における、人気や権力を持つ人間の序列をカースト制度に

喩えて表した物である。主に高校や中学校に多いイメージを持つ者が

大半で有ろうが、今のご時世中学校から一つ下がった義務教育の場。

小学校でも類似した、物が見られている。


例えば、ママ友の中で権力を持っている親の子。家族ぐるみの

付き合いをしていることが多く、遊園地や映画などに誘い

周りからの人気は高い。まず、間違いなく殆どのこのタイプは

カースト上位者だ。


例えば、かなり天然で優しく、運動が出来て笑いを起こすことに

特化している奴。こういった奴には何故だか、イジっても良いが

虐めてはいけないという、暗黙の了解が発生し結界の如くカースト

上位者に守られる。


例えば、勉強が出来無いことに何の危機感も抱かず遊びまくっている奴。

これは同レベルの人間が集まりやすく、普通の小学校であれば

集まり易いので結果的に数の暴力のように権力を振るう。

種類は様々だが害悪なこのタイプの集合は勉強が出来ない自分達を

正当化するため勉強が出来る奴、あまり遊ばない奴、暗い奴等を悪と断じる

風潮を造り上げる。


例えば、陰気で猫背、勉強はまあまあ出来て傲る訳では無いが

通常の小学四年生よりも精神年齢は少し高いであろう、オタクで

遊びで誘われても断り、親はママ友、パパ友両方居ない奴。


このタイプは場合にもよるが、基本的に最底辺に位置する。

特に先程説明した害悪な遊びたがり集団の数が多ければ多いほど

地位は沈んでいく。というか、このタイプにはそもそも地位など

無いことが多い......そもそも友達が居ないからだ。


「はあ......」


友達が欲しいとは、思わない。なんなら幼稚園の頃

『友達百人出来るかな」という歌詞が存在する歌をテコでも

歌わなかったと、親に伝えられたのでその執念が伺える。


只、俺に友達が出来ないのは妥当としても、俺が何かをした訳では

無いのに陰口を叩かれ、まるで汚物のように使われるのは

不当ではないかと思うのだ。此方は何もしていないのに

只、異質だからと虐めるのは黒人差別などと似通っている気がする。


結局、人間は何時の時代も少数派を何処か嫌悪していたのだ。


「これ、此処で良いかな?」


「ふふふ、良いんじゃね? ほら、気付かれない内に行くぞ!」


俺が昼休み、誰が聞いている訳でもない学校社会の現状を

整理していると、近くからそんな声が聞こえてきた。

俺が今、居るのは殆ど人が寄り付かない小さな渡り廊下。

その渡り廊下を渡って直ぐの校舎の入り口付近に児童はいるらしい。


「......お前ら、なにしてんだ」


静かにその児童二人へと近付き、そう声を掛けた。何やら

教科書のような物を校舎の入り口付近に置いてある、ゴミ箱に

投げ込もうとしていたようだ。


「ひっ......って、上里かよ!」


「気持ち悪い。何で初対面の筈なのに名前、知ってんだよ」


一応、俺の組である4組の児童では無いことは分かった。


「有名だからに決まってるじゃん。大体の奴が知ってるぞ?」


俺が聞くと、もう一人の児童が前に出てそう答えた。


「あそ。それで? その教科書は誰のもんだ?」


俺に気付いて、慌てて児童が後ろに隠した教科書を指で指す。


「え、ええと......俺のだよ。罰ゲームで」


すると、もう一人の児童が答えた。


「そ、そうそう。テストの点が悪かった方が教科書を

 一度ゴミ箱に入れるって約束で......」


「じゃあ、お前。名前言ってみろ。それと、教科書に書いてある

 名前も見せてみろ」


「は? 何でお前にそんなことしなきゃなんねーんだよ」


突然、児童の態度が豹変する。


「逆に何で見せられないんだよ。ああ、お前らの名前なら

 幾らでも後から調べれるから、教科書の名前だけでも見せてくれ。

 そうでないと、教師に言うことになるぞ」

 

教師に悪事を言うことは、小学校では悪事とされがちだが

どう考えても当然の権利だと思う。


「チッ、分かったって。これ、やるから教師にチクんなよ!」


児童二人は強引に俺へとその教科書を渡して何処かへと走っていった。


「別に、渡せなんて言ってないんだが......」


教科書の名前を確認すると『勘解由小路雪加』という

名前が書いてあった。


「かんかいゆこみちゆきか?」


全く読めないが、後ろめたそうにあの児童達が持っていた

ということは十中八九彼らの物では無いのだろう。不幸中の幸いで

組と出席番号は書いてある。俺は後、5分程で昼休みが終わることを

確認し、急いでこの教科書の持ち主がいるであろう3組へと向かった。


「出席番号13番の奴を呼んでくれ」


3組に着くと、扉付近に居た児童にそう話しかけた。名前の読み方が

一切、不明であるため敢えて出席番号を伝える。


「13番......ああ、勘解由小路(かでのこうじ)か。待っといて」


あの名字、かでのこうじと読むのか......と、驚きつつ待っていると

先程の児童に俺が呼んでいることを伝えられて本人がやってきた。

灰色で長い髪を持っていて、何処か神秘的且つ大人びた雰囲気を

漂わす少女だった。只、一つ気になったのは......


「......貴方、誰?」


彼女の左目には白い包帯のような眼帯が着けられていたのだ。


「四年4組、上里里祐也だ。これ、お前のだろ」


俺は何処と無く威圧的な彼女に少し驚きつつ、教科書を渡した。


「......これは?」


「何か、知らんが男子児童二人がゴミ箱に捨てようとしてたから

 脅して奪ってきた」


「・・・・」


勘解由小路はその教科書を静かに受け取ると、沈黙し

やがて......


「焼いてほしくもないお節介を有り難う。何が目的でこんなことをしたか

 知らないけれど、二度とこんなことはしないでもらえる?」


と、俺を鋭く睨んで言い放った。


「......了解」


別に此方とて礼が欲しくてやったことではないので

別に良いが......もう少し、言い方は無かったのだろうか。


「そう。ところで、貴方はこんなところに突っ立てて良いの?

 もう少しで、昼休み終わるけど」


廊下の時計を見てみると、確かに昼休みの終わりまで後、1分。

勘解由小路の忠告は正しいようだ。


「じゃあ、また......会うことはないか。じゃな」


「さようなら」


俺はその時、何処か寂しげな彼女の瞳に気付くことは

出来なかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「また、会ったな」


「......たまたま」


勘解由小路とはもう二度と顔を合わせることは無いと思って

いたのだが放課後、下駄箱で偶々鉢合わせになってしまった。

勘解由小路は何故か自分の番号の靴入れを見て固まると、下駄箱の

周りを何かを探すように彷徨き始めた。


俺はそんな勘解由小路を横目に靴を履くと、依然として

何かを探し回っている勘解由小路へと近付いた。


「茂み」


そして、一見なんの脈絡も無い言葉を漏らした。


「は?」


「恐らく、そんなところにお前の探してる物は無いぞ。

 ほら、彼処の茂みとか探せ」


そう言うと、俺は勘解由小路に指定した場所ではない

茂みを漁り始めた。


「......何をしているの?」


「珍しい、植物が生えてないかと思って。何か探してるなら

 お前も彼処の茂みを探せ」


「......なにそれ」


理解不能だと言わんばかりに言葉を吐き捨てながらも、勘解由小路は

言われた通りに茂みを探し始めた。すると......


「おい、勘解由小路。戻ってこい」


「次から次に貴方は一体なんな.....の?」


勘解由小路が驚くのも無理はない、何せ俺が両手に持っていたのは

恐らく勘解由小路の物と思われる、靴だったのだから。


「ほら」


俺は勘解由小路へと靴を渡した。


「こういうお節介は......」


「偶々、植物を探してたら見つかったんだ。別にお前のために

 やった行動じゃない」


「......滅茶苦茶」


「あいつらワンパターンだからな。もし、靴が隠されてたら

 茂みを最初に怪しんだ方が良いぞ」


俺も何度か靴を隠されたが、飽きたのか次第に回数は

減っていき最近は全くされない。


「貴方も、虐められているの?」


勘解由小路が不思議そうに聞いてきた。


「世間一般でそう言われている行為をされているのは否定しない」


「......そう」


勘解由小路はあくまでクールだ。俺の言葉を聞いても

眉一つ動かさない。


「じゃあ、俺は帰るぞ......またな、勘解由小路」


「......馴れ馴れしい」

 

「ああそう.....じゃあ、やっぱり前の文句に戻した方が良いか?」


「別に」


勘解由小路はプイと顔を逸らして髪を触った。


「もしかしたら......今回みたいに偶然、鉢合わせることも

 有るかもしれないから、さっきので良い。バイバイ」


「おう」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「って、感じで初めて出会った日は終わりました」


「第一話『出会い』完」


色々と恥ずかしい過去を晒されて死にたくなった。


「へえ~、祐也君小学校の頃からそんなだったんだね」


「褒めてませんよね?」


「勘解由小路さんは今と違って髪、伸ばしてたんだ」


「......単純に切るのがめんどくさかっただけ」


先輩は勿論のこと、他のメンバーも結構聞き入ってたようだ。


「雪加はあの頃、滅茶苦茶ツンツンしてたからな。俺への

 当たりの強さで言えば、調月よりも冷徹で怖かった」


調月の言葉はまだ、幾らか感情を感じるがあの頃の雪加の言葉からは

感情という物が一切削ぎおとされていたようだった。


「祐也も、今よりもやさぐれてて言葉使いも若干荒かった」


俺が雪加の過去をつつくと、雪加も負けじとそう言ってきた。

確かに、あの頃は色々と荒んでいた気がする。


「勘解由小路さん......私のアイデンティティーを取らないで」


調月は結構ガチで傷付いたような言った......というか、雪加が

無口な方だからまだ、差別化できてるけどあの頃の雪加が饒舌に

話したのなら、俺と親父みたく話し方が被るんじゃなかろうか。


「そんなアイデンティティー捨てちまえ」


「というか、勘解由小路さん。小4の頃はまだ普通の眼帯だったんだね」


あの頃の雪加がしていたのは、病院などの手当てで使われるような

本当に一般的な眼帯だ。今の厨二全快の物ではない。


「あの頃はコイツ、まだ厨二病を発症していませんでしたから......」


「きちんと、眼帯についての話も出てくるから安心して」


雪加は親指を立ててグッドを作る。


「先輩、小学生でも可愛いげが無かったんですね」


「人のことをそんなに言うってことは勿論、小戸森のロリ時代は

 可愛かったんだろうなあ?」


確かに、俺が小学校の頃から色々と冷めていたのは

否定しないが、それは雪加にも言えることだ。


「ボ、ボクの話は良いんです。ほら、話の続きしてくださいよ」


何この反応。気になる。


「そうだね。まだ、色々と続き有るんでしょ? 折角だから

 最後まで聞きたいな」


上手い具合にまた、暴露話をしなければならない流れになってしまったので

俺と雪加はまだ、何も言っていない幻中を見つめて助け船を期待した。


「・・・部長、宗里先生からの返信はまだ有りませんか?」


流石幻中。此方の意図を直ぐに理解し、助け船を出してくれた。


「うん。やっぱり既読すら付いてないね。大丈夫かなぁ」


宗里先生......マジで助けて下さい。


12月25日 クリスマス当日。蛇猫の誕生日です(どうでも良い)!

いやあ皆さん、クリスマスクリスマスってそんなに私の誕生日を楽しみに

してくれてるんですかね? その割にはクリスマス&誕生日ボッチでしたけれど......。


そんなことはさておき、何と無く時間が空いたので、投稿しました。

というか、今日のアクセス数が滅茶苦茶増えてたんですけど何故ですかね?

もしかして、これがサンタさんからのプレゼント?


ということで今、後書きを見ている皆さん!

誕生日&クリスマスプレゼント(評価&ブクマ&感想)下さい!

以上!



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