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前科部!  作者: 蛇猫
前科者達との自然観察
PR
29/108

マゼンタ


「もう、お前が俺のことをストーカーとしか認識していないのは

 理解したから、せめて人前で呼んでくれるな」


俺は大きく溜め息を吐く。


「あら? ストーカー被害にあった少女が、周りに助けを求めることの

 何がいけないと言うのかしら?」


「俺はストーキングなんてしてないだろ......」


「残念、女がストーキングされたと主張して、簡単な証拠が出揃えば

 男は直ぐにストーカー認定される。それが今の世の中よ。痴漢なんて特にね」


「......まあ一理あるな」


確かに調月は間違ったことは言っていない。男がそういった行為をする場合が

多いからなのだろうが、やはり痴漢は男の場合女の証言が有れば例え冤罪であろうと

犯罪者に仕立て上げられることが多い。


「あら、今私の言ったことを認めるの? てっきり、綺麗事を宣うのかと思ったけれど」


調月は少し不意を突かれたような顔をする。


「俺がそんな綺麗なことを言うような人間に見えるか?」


「......捻くれいて、薄汚れた負け犬、もとい敗北者のような言葉を吐き出しそうね」


ハア......ハア......敗北者? じゃなくて言い過ぎじゃないですか調月さん。


「リアリストと呼べ、リアリストと」


「物は言い様ね」


開き直る俺に調月は流し目を送りつつ、本を手に取り読み始めた。俺への興味は

無くなったらしい。俺としても此処へ来た理由は悪魔で本を買うためなので

欲しい本を探した。すると、目に留まったのは『世界の猛毒を持つヘビ』という本。

調月は載っているだろうか。


「調月、これとか好きなんじゃないか?」


一応、薦めてみる。


「......それなら、もう何度も読んだわ。無論立ち読みで」


流石と言うか。呆れるというか。コイツは常識が有るのか

無いのかどちらなのだろう。


「お前......」


「用はそれだけ?」


呆れる俺に調月はそう聞いてきた。


「ああ」


これ以上話すことも無いのでそう返事をして、また本を探した。鳥類関連の

本は其処まで存在していなかったが、幾らか気になる本を発見したので釣り合いは

とれたというもの。俺は気になる本を3冊程 手に取り値段を確認した。

1500円、1300円、1600円合わせて4400円......か。流石に貧乏学生に払える

値段じゃないので、1600円の本を諦めよう。ということは2800円、まあ余裕で足りる。


「調月、聞きたいことが有るんだが、良いか?」


俺は買う予定の本を手に取り、依然として立ち読みを続ける調月に聞いた。


「何かしら? いかがわしいことなら即通報だけれど」


いや、調月のバストとか聞くまでも無いので大丈夫です。

具体的に言えば、刺身を上で切れるくらいには膨らんでいる。


「いや、何を聞いてもセクハラだのパワハラだの言われるこのご時世で

 何がいかがわしい質問になるのかは分からないが、多分違うから安心してくれ」


ニホンシャカイ、コワイ。


「そう。貴方の常識は世間の非常識だとは思うけれど一応聞いても良いわ」


調月さん事実だけどね、言わないで。そういうことは。


「じゃあ聞くが......お前親とどんな関係だ?」


俺は一呼吸置いて、そう聞いた。やはり、先程の出来事が気になる。

確かに俺が関わるべき問題ではないかもしれないが、こういった聞き方なら良いだろう。


「......人のプライベートに踏み込むのはどうかと思うのだけれど」


調月は俺の質問に目を鋭く開いて言った。調月は何時も目を半開きのような

状態にしていたので良く見えず適当に紫色なのだろうと思っていたが

調月が目を開いた時に見えた目の色は赤紫だった。意外な発見だが、

調月の鋭利な瞳は俺にそんな思考をすることを許してはくれない。

正に『蛇に睨まれた蛙』状態である。


「いや、まあ.....俺自身こんなことを聞くのはどうかとは思ったんだがな......」


「それじゃあ、何故そんな訳の分からない質問を?」


「その、だな。ほら、今日郊外学習から帰ってきて家に帰るとき

 俺達、家が同じ方向だから結果的に一緒に帰ることになっただろ?」 


俺は一つ一つ、調月に質問の意図を伝えていく。


「ええ、誠に遺憾だけれど結果的にそうなったのは事実ね」


「それで、お前が急に早歩きになって俺を置いていったときに

 お前が親みたいな人と合流したのを見たんだよ」


話している内に記憶が鮮明になってくる。


「......まさか見たの?」


調月は目を何時もより開けて言う。


「お前の『見た』が、何を指すのかは分からんがお前が無抵抗で

 叩かれたのは見たぞ? 白昼堂々やってるから流石に驚いた」


俺は事も無げに伝える。


「......そう。いえ、別に見られて困るようなものじゃないのだけれど

 貴方に見られていたとは中々屈辱的ね」

 

「いや、俺と別れて直ぐに起こったことなんだから俺が見てたことくらい

 想像は容易だっただろうに」


「てっきり貴方のことだから、私のことなんて気にせずそのまま家に

 帰る物だと思ったのよ」


調月は不満そうに言う。


「幾ら俺でも急に置いていかれたら気になるからな」


「はあ......そう、それで?」


調月は大きく溜め息を吐いて聞いてくる。


「それで、とは?」


質問の意味が不明瞭だったので聞いてみる。


「聞きたいことが有るのでしょう? 答える義理は無いけれど

 後々まで引きずるのは嫌だから答えてあげる」


鋭かった調月の目は多少和らぎ、剣呑な雰囲気が消えていった。


「分かった。じゃあ改めて幾つか質問良いか?」


俺がそう聞くと、調月はそれを制止するように掌を此方に向けて


「待って。多分その話、長くなるでしょう? そんな話を本屋で

 長々と話すのはマナー違反よ」


調月が真面目なことを言ってきた。


「いや、確かに正しいことを言っているんだろうけどさ。調月の口から

 周りを気遣うような言葉が出てくるのは何とも嘘臭いというか......」


何時、人を罵倒したり怠けた反動を如何に人に押し付けれるかが人生では

大事だとか説いている奴が、そんな生真面目な言葉を言うのはどうにも納得出来ない。


「失礼ね。私は確かに怠惰で人の不幸を甘く煮詰めてトーストに

 塗って食べたいくらいの性悪だけれど、マナーくらいは守れるわ」


「あ、はい」


調月は自虐ネタもいけるのか......そろそろ、キャラが被ってきたから

毒舌路線一筋で行ってくれません?


「本屋を出るから、早くその本を買ってきなさい」


調月は俺が買おうとしていた本を目線で指して言った。


「本当に良いのか?」


「それじゃあ、貴方は購入していない本を外へ持ち出すと言うのかしら?

 私は貴方への最低評価がカンストしてしまってこれ以上低評価出来ないから

 これ以上、罪を重ねてもらっても困るのだけれど」


違う、そういうことじゃない。というか、最低評価がカンストって何?

初めてそんなパワーワード聞いたわ。


「いや、そうじゃなくてだな。俺の質問の為にわざわざ付き合ってくれて良いのか?」


あの、調月が積極的......とまでもいかなくても俺に賛成するのは珍しい。


「......だから言ったでしょう? 私は後まで引きずるのはご免なの。

 早く事情を説明しておいて、終わらせるのが賢明だと判断しただけであって

 貴方に与する気はこれっぽっちも無いわ。精々変な気を起こさないことね」


調月はあっさりと言い切る。


「逐一、俺が傷付けられるのは納得いかないが......分かった。

 すまん、取り敢えず会計を済ましてくるな」


俺は軽く頭を下げてそう調月に言う。


「ええ、精々私を待たせないように」


すると、調月は何時もの高圧的な態度を崩さずにそう言った。

何時と変わらぬ調月の態度に若干の安堵と不安を抱きつつ俺は

レジへと向かった。


「2点で3024円となります」


レジの店員が料金を告げる。


「あ、はい」


俺は財布から3500円を出して払う。


「当店のカードはお持ちでしょうか?」


無論、この町に来たばかりの俺はそんなものは持っていない。


「あ、えと。ああ、持ってません」


店員と会話をするだけでも緊張する、それがコミュ障。

若干挙動不審になりながらも俺は店員にそう答える。


「無料で直ぐにお作り頂けますが、いかがいたしましょうか?」


「いや、大丈夫です」


調月も待たせているし、呑気にカードなんて作っていられない。

というかそんなことしたら調月に殺される気がする......。 うわ、恐ろし。


「承知致しました。では、3500円からお預かりして476円のお返しと

 なります。また、お越しくださいませ」


「あ、はい。ありがとうございます」


俺は店員にそう言うと、そそくさとレジから抜けていき調月の元へ向かった。


「あら、山本君お帰り」


「いや、誰だよ山本。俺は日本に約4000人存在する名字上里だ」


上村だったり、山本だったりもうやめて上里のライフは-0よ!

......アカン。心の中でボケても誰も『-0は0と同じ』だって

ツッコンでくれへんやん。


「うえざと?」


調月は地味に読み間違えて言ってくる。


「かみさと」


何だこの会話。


「まあ、一般人Aの貴方の名前なんてどうでも良いのだけれど」


「せめて、Kにしてくれないか?」


Aだと芦原、みたいになっている......有馬? 知らない子ですね。


「何だか、キングみたいだから却下」


あ、はい。


「それで、何処に行くんだ?」


「この近くに喫茶店が有るから、其処に入りましょう」


「近くに喫茶店ってこの辺りにそんなの......」


無かった筈だ――そう言おうとしたとき、俺の脳裏に何かがフラッシュバックした。


「貴方と喫茶店に行くなんて、本当は死ぬほど嫌なのだけれどあの件を

 見られてしまったのなら仕方がないわ。付いてきなさい」


そう言って足早に進んでいく調月に俺はあることを考えながら

付いていった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「喫茶店って......やっぱり『みさご』かよ!」


俺は寂れた路地裏にある喫茶店の前でそう叫んだ。


「......あの、確か貴方転校生よね? 冗談無しで何故、私の行き付けの

 店を知っているの? 大通りの喫茶店なら兎も角、こんな路地裏の喫茶店中々

 知らないと思うのだけれど......」


調月は軽蔑の目を此方に向けて、体を守るような格好になる。


「割とマジトーンでそういうこと言われると泣くからな?

 この店は先輩、自然観察部部長のお気に入りの店なんだよ」


「まさか、私だけでは飽きたらず部長までもその毒牙に掛けたと言うの?」


「いや、そもそもお前と会うより先に俺は先輩と知り合っているし、

 毒を持っているのは毒蛇、お前だからな?」


後、何時俺が調月を毒牙に掛けたんだよ。


「それはそうと、部長が此処を良く利用しているって本当かしら?」


調月は声のトーンを少し落として聞いてくる。


「ああ、此処も先輩に教えてもらったし、良く使ってると思うぞ」


「......この店を利用するの止めようかしら」


調月は苦い顔をして言った。


「そう言ってあげるなよ......まあ、プライベートの時間を面識のある人物が

 侵してくる腹立たしさは分からんでも無いが」


そもそも、俺にそんな人物は今も昔も殆ど居ないが、顔見知りというだけでも

嫌な気分になるものだ。こう、何というか自分だけの世界に侵入されたというか

自分の思考の中に割り込まれたような気分になる。


「私のプライベートを侵しまくってる、貴方が言うことじゃないと思うのだけれど」


「いや、それだったら俺だって侵害されてるだろ」


調月の言葉に俺は抗議する。


「じゃあ、入りましょうか」


調月は俺の言葉を無視して、喫茶店のドアに手をかけた。


「ちょっとは、お前も俺の話をだな......」


調月は聞こえているのだろうが、わざと俺の反論を無視してドアを開けた。

まあ、店員の相手をしてくれるなら好都合だ。『店員に何名様ですか?』

って聞かれるのもコミュ障としてキツいものがある。俺は心の中で親指を立てながら

調月の近くに移動した。


「いらっしゃませ、お二人様で宜しいでしょうか?」


中から店員が出て来た店員は眩しい営業スマイルと共にそう言った。


「ええ、間違いありません」


調月は何時もの口調を敬語にしたような話し方でそう答える。


「畏まりました。お席空いているので此方へどうぞ」


そう言って、俺達は店員に案内されたテーブル席に移動して腰を掛けた。


「ご注文が決まりましたら、店員をお呼び下さい。では」


店員は席を案内し終わると、そう言い残して去っていった。


「んで、何頼む?」


俺はメニュー表を取って調月に見せる。


「アイスティー」


「じゃあ、俺もアイスティーで」


俺は『珈琲嫌いなんだよ』と付け加える。


「貴方と趣味嗜好が似通っているのもぞっとしないけれどその点は同意するわ。

 只、苦いだけでそれ以外は何も感じれない」


調月は渋々そう述べる。


「ほんそれ。何故にあんな飲料を好む人間が多いのか分からん。そもそも

 人間は雑食動物である以上、毒を検知するための味覚、苦味には一定の敏感さを

 持ち合わせている筈でそれに逆らうのはどうだよ」


いや、ガバガバな理論なのは分かってますけどね? やっぱりブラックコーヒーを

旨そうに飲むのは憧れる訳ですよ、其れなのに俺は飲めない......要するに

只の僻みですよ、そうですよ。


「アイスティーも苦味が有ると思うのだけれど」


調月が早速俺のガバ理論の穴を突いてくる。


「裏切り者が」


「何時から私が貴方の味方になったと錯覚していたの?」


コイツ、地味にネタを挟んでくるよな。


「取り敢えず頼むか。スイーツとかは要らないのか?」


俺の言葉に調月は


「ええ、なるべく話は直ぐに終わらせるつもりだし、何より

 喫茶店の菓子類は高くつくでしょう?」


と、断言した。コイツ......ケチ臭い所まで俺のキャラと被せてきやがって。

何処で差別化を計ろうか。


「同感だ。すいません、注文良いですか?」


俺は調月にそう答えると、店員を呼んだ。


「畏まりました。ご注文お伺い致します」


店員は手が空いていたのか直ぐに俺達のテーブルにやってきて注文を聞いてきた。


「アイスティー、二杯お願いします」


「畏まりました。少々お待ち下さい」


店員はそう言うと伝票をテーブルに置いて帰っていった。

調月はそれを見送ると、口を開いて


「さて、本題に入りましょうか」


と、言った。無論、本題とは調月が親らしき人物に叩かれていた事だろう。


「ああ、分かった。何から話す?」


「そうね。取り敢えず、今日のことについて順を追って説明しましょうか」


調月は先に出されていた水を少し飲んで、話し始めた。


「まずは......そうね。今日の事なのだけれど決して他言しないで貰えるかしら?」


調月はあくまでも俺には他言する権利がある前提で言ってくる。


「断ったら?」


「......それは、それで仕方がないわね。私に止める権利は無いわ」


調月は俯いて言う。


「そうか。まあ、他言無用と言われるんなら言うつもりは無いけどな」


「......助かるわ」


調月は視線を逸らして言う。何時もと違い気味悪いほどにしおらしい。


「それで? 結局お前を叩いてた女は誰なんだよ」


俺は調月に聞く。


「アレの正体は貴方の予想通りよ」


「つまり、母親だと?」


回りくどい言い方で言ってくる調月に俺は確認する。


「ええ、間違いないわ。正真正銘血の繋がった私の母親よ」


そのわりにはあまり服装は似ていたかったが......。調月は紫の髪に合わせて

黒い地味目の服を私服にしているが調月の親は大分派手な服装だった。


「んで、実の母親に何で叩かれたんだよ」


「......近所の人間に私のことを馬鹿にされたから、らしいわ」


はい?


「え、すまん全然意味が理解出来ん」


近所の人間に娘のことを馬鹿にされたから八つ当たりで本人を

殴ったということだろうか。何それ謎過ぎない?


「本人曰く『近所の人間にお前の悪評が流れていて、私も嫌味を言われた。

 親に恥を掻かせておきながら、泊まり込みの郊外学習? ふざけるな、

 自然を学習する前に人様に顔向け出来る真人間になれ馬鹿娘』、ということらしいわ」


・・・・。


「その勢いで叩かれたと」


「察しが良いわね、その通りよ」


「......すまん。少し心の整理をさせてくれ」


俺は調月にそう断って思考に入った。わざわざ、そんなことを言ったのにも理由がある。

調月が先程要約した親の言い分と行動、はっきり言って死ぬほど腹が立つ。

勿論、冷静沈着が基本の上里さんは他人の親にギャアギャア感情を吐き出したりはしないが、子に親の価値観を無りやり押し付け、世間体を気にして子を巻き込み、理不尽に怒り、理不尽な暴力を振るう。俺の嫌いな典型的なタイプだ。


聞いているだけで、もし俺が調月の立場だったらと感情移入してしまい

頭に血が上る。しかし、此処で吐き出す的もなく、感情を吐露してしまえば

上里さんのクールキャラが崩れてしまう。俺はそう自分に言い聞かせて、気持ちを

落ち着かせた。上里さんも人の子たまには感情が脳内を支配することも有るのだ。


「サンキュ、心の整理がついた。それで聞くが、お前が叩かれたときに

 抵抗しなかったのは何でだ?」


あのとき、調月はあまりにも無抵抗だった。

 

「私は貴方と同じで全く肉体的な力を有していないわ。下手に抵抗しても

 『娘の癖に親の指導に歯向かうのか』、と言われて暴力が激化すれば

 目も当てられないからね」


何で毒蛇は俺が運動神経皆無なこと知ってるんだよ。


「その言い方だと普段も暴力を振るわれているような言い方になるが」


「たまに、暴力を振るわれることも有るからそれくらい心得ているのよ」


やはり、俺の仮説は正しかったようだ。そう思ったとき、横から影が迫ってきた。


「アイスティーお二つお持ち致しました」


「あ、どうも」


俺と調月がアイスティーを受けとると店員は『ごゆっくり』、と

言い残していった。


「話す必要の有ることは大体話したと思うけれど......何か他に有るかしら?」


俺はそう言う調月に軽く片手を上げて、


「最後に一つだけ質問良いか」


と、聞いた。


「何かしら?」


「お前はその事を学校やら警察やらに言うつもりは無いのか? 虐待ってことで」


児童虐待の防止等に関する法律.....だったか。その行為が調月に

とっての虐待になっているのなら調月の親がやっているのは犯罪だ。


「......いえ、虐待と言うほどの事でもないし、少し性格の悪い親程度にしか

 思っていないからそのつもりは無いわ」


「そうか、色々聞いて悪かったな」


良く考えれば俺なんて部外者も良いところだ。


「いいえ、私としても少し気分が楽.....になりそうだったけれど

 話し相手が貴方だったと言うことでプラマイ0ね」


なにこの子酷い。


「折角、アイスティー買った訳だしもう少しだけ居座ってから帰るか」


「ええ、喫茶店で場所代の代わりの飲料を頼んで直ぐに帰るのは勿体無い物ね。

 貴方と二人きりというのは物凄く癪だけど」


そう言って頷いた時の調月の赤紫色の目は少し何時もより明るい気がした。

しかし、俺の心は晴れたような曇ったような不安定な天気が続いていた。


評価、ブクマ、感想は本当に励みになりますどうかこの悲しき底辺に

お恵みを下さいw

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