1-1違法解雇なんて無い
とある平和な剣と魔法世界で
求職にあえぐ1人の男性が
立身出世を目指す
そんな話…?
◆
晴天に恵まれた昼下がり!
活気のある街並み!!
そして、無職の俺。
何も好き好んで無職な訳じゃ無い!
私、ジロ・ピレリはついこの間まではしっかりと就職し、毎日労働してました。
まぁ、とても充実した毎日だったけどお世辞にもいい労働環境では無かった。
それが、突然の解雇…!
▽<雇い主の部屋>
「あー、ジロ。今まで本当サンキューな。もう明日からは大丈夫だから!」
「え?いや、大丈夫ってどう言う…」
「…んー、もう明日から従者はやらなくて良いって事だな。契約日も今日までだから丁度良かったな!」
△
給料日に呼ばれ、賃金を受け取った後 唐突に雇い主に言い渡され。
そして、私は無職になった。
まぁ、どう考えても違法解雇以外の何者でも無いのだが、雇い主が雇い主だけに文句も言えず…
10数年付き従ってきたが故に家も無く、
違法労働ギリギリの賃金で休みなく働いてきた為、金もほとんど無い。
退職金すら無かったわチクショー!
簡単に言うと、詰みの状態。
しかも、とりあえず手に職をと口利き屋や紹介所を回ったけど、どこも雇ってもらえず。
▽<紹介所>
「あのー、職を探してまして…」
紹介所に入ると快活そうな猫獣人の少女が案内してくれた。
「かしこまりましたぁ〜、ではぁこちらにご記入をしてくださぁ〜い。
…
…
…拝見しまぁ〜……っす!
…んー、そうですね……うちではご案内出来るお仕事はありません、大変申し訳ございません!」
しかし、即答で却下!早すぎだろ!
「えっ!いや、なんでも良いんです!少し年はとってますが、体力もありますし!やるきもあります!」
紹介所に来れば、何かしらの仕事を紹介してもらえると思ってた甘い考えが粉々に打ち砕かれた!
「い、いえ!そう申されましても…当店で扱ってるお仕事でご紹介出来る物が有りませんので…本当に申し訳ございません!」
必死にアピールをして、お願いをしたが何かもうホント無理ですって顔で謝られたので
悟った、色々と。
「そうですか。ご迷惑をお掛け致しました。」
△
失意のままトボトボと店を出ると、手当たり次第に店を回った。
…全敗!
中には顔を見ただけでお断りして来る店もあり、やはり年齢も大事なんだろうなと虚げに考え、気付いた時には宿で寝ていた。