第伍話 閣議
第伍話 閣議
先日、新たなことがわかった。
それは蚕の存在である。
この国では害虫として忌み嫌う様だが蚕から出る繭はとても高価になるだろう。
この国や近辺の国では一般的に麻の繊維を薄く伸ばしたりして衣装を作っているらしい。
そんな中でシルクという産物が出てきたらどうなるだろう?
爆発的に売れるだろう。
そしてもしそこに著作権法や特許権などがあれば外部に漏れ出ることも無いしこの国に莫大な金銭が入ってくる。
「こんなんでどうだろう? ミカエラ、セドリック。」
「良いと思います指導省としては〝カイコ〟の名を伏せて量産を行いましょう。そしてセドリックこの著作権と特許権の法案、立法はできますよね?」
「あぁ、いつでもできます。しかし殿下、我々は文化省です。立法は他の省を建てるのが良いでしょう。」
〝そうだなぁ、法務的な物を司る省をまた作らないと…。〟
富樫は心の中でそう言った。
「それもそうだな、蚕は名を伏せ作業しよう、そして新たに法務企画省の設立も視野に入れてやって行こう。今日の閣議はここまでにしよう。解散。」
閣僚達が会議室から出ていった。
そんな中でエリゼが富樫に話しかけた。
「トガシ様〝あの件〟はどうするのです?」
「あの件?」
富樫はキョトンとした。
そしてエリゼはこう言う。
「戴冠式ですよ! た、い、か、ん、し、き!!」
「あぁ⁉︎」
「ですよねっ! すっかり忘れてたみたいな顔してる!」
「エリゼ殿っ、殿下にその物言いはなんです。」
部屋に残っていたセドリックがそう叫んだ。
「うっさいぃ!儂はあんたらよりトガシ様とは付き合いながいんじゃぁ!」
「ひっ」
セドリックは驚いた。
「たったの五日じゃねーか!」
「っ! っていやそうじゃなくてですね戴冠式の話ですよ。エリゼ様には国民や貴族の前で演説をさせていただきます。」
「はぁ演説ぅ⁉︎」
「そうです! 皆を納得させるのです。前皇帝は哲学者でさえも頷く演説をしました。」
「まじかよ…にしても前皇帝、意外と実力者だったんだなぁ。」
「そしてその戴冠式は明日です。」
「はぁぁぁ⁉︎」
定期的に書けずごめんなさい。
これからは土日に書きたいなと思います。
何かと忙しいので。
今回はスマホ投稿です。何かと読み難いと思いますが許して下さい。