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第肆話 政変

第肆話 政変



異世界に飛ばされてから約二日、戴冠式を来週に控え今日も元気に公務を淡々とこなす毎日です。

富樫は新たな問題に直面していた。


「やはり今の問題は国の金銭問題か…。」


エリゼから説明されてないことに戦争があった。(富樫自身は本で知った。)

実はこのサリエール王国、一年前に一度強大な軍国エリジア大公国と大規模な軍事衝突があったらしい。

それにより多くの労働者が駆り出されて一段と減ってしまった。

要するにこの国には働き手が少ないのだ。

しかし時折資料を見ていると労働者不足をも超える経済損失があった。


「どうやって金銭を蓄えるか…いや、労働者を他国から流出させるか、楽市楽座みたいに。」

「おーいトガシの旦那ー。」

「お、ジゼル。どうした?」

「エリゼ…様にこいつを持っていくように言われたんだ。」


ジゼルは書類の束をドスンと書斎の机の上に置いた。


「え~と、フムフムこの国の特産物か。」


富樫は紙をペラペラめくりながら流すように速読した。


「この国の特産っていったらクワだろ? あれってクソ不味いけど良い傷薬になるんだよな~」


ジゼルがそう言った


「え? クワ?… クワってあの桑?」

「え? 旦那、どうしたんだ?…」

「ぅおいぃジゼル‼‼」

「はっはいぃぃ。」

「その葉っぱの周りに虫っぽいの居ないか?」

「え? あの害虫芋虫のことか? 毎年白い芋虫に畑荒らされてるってみんな言ってるけど…」

「信じられん…この国にも蚕は居たんだ…。 なあジゼル…俺この国を立て直せるかも。」

「う~んと何言ってるかさっぱりだけど応援してるぜ、旦那。」


ホントに今更だがこの国の服はいろんな動物の毛や皮で作られている。

そんな中でシルクが生まれたらきっと高価格での売買が可能となるだろう。

活路が見えてきた。


「ジゼル…国の高官をここの集めてくれ。」

「おう、任されて。」


ほどなくして政府高官やその他の局の者が集まった。

富樫はここに新たな省庁の設立も考えていた。


「初めまして、新たな皇帝になりましたトガシモミジという者です。よろしく。」


富樫がそう言うと他の高官たちは頭を一気に下げた。(いつの日かの前皇帝のように)

ここに集まったのは計七名の高官たちだ。

可憐でクールビューティーのような ミカエラ

濃い緑のスーツのような軍服に勲章をぶら下げた厳つい男 オルゴ

その後ろにも濃い青と黒い軍服を着た男が二人が立っている。

その横に眼鏡をかけ、いかにも仕事がこなせそうな好青年 セドリック

白衣を着て実験に熱意を注いでそうな青年 キース

両手を後ろに組み正義感や責任感が強そうな女子 ユリウス

そして宰相のエリゼの計七名である。

そして会議は始まった。 

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会議の結果、省の設立、と蚕などの新たな産業についてが決まった。


産業指導省 産業指導大臣 ミカエラ

軍部省 陸上軍大臣 オルゴ

    海上軍大臣 ミネルバ

    航空軍大臣 ゼウ

文化教育省 文化教育大臣 セドリック

研究発展省 研究発展大臣 キース

国家警務省 国家警務大臣 ユリウス

統合・国務省 国家緊急対策省 統合・国務大臣兼緊急対策大臣 エリゼ

以下七名


この出来事は後に七閣僚決定会談と謳われることになったのだ。

    


第肆話を読んでいただきありがとうございます。

日が開きすぎててすみません。

省っとかって著作権的なやつ大丈夫ですよね…

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