第十肆話 事案
「トガシ様、全部隊の配置が終了しました。」
エリザが落ち着いた声で言った。
「ようやく終わったか〜。」
今から一ヶ月に軍務省が大規模な軍事改革を行なった。
様々な基地や部隊が新設され、サリエール帝国陸海空軍は世界に類を見ない急成長を遂げた。
「これでオウェリナ帝国の主戦派との開戦に近づけましたね!」
エリザはサラッと怖いこと言うな〜。
僕自身は戦争したくないんだけれど…
あともう一つ進展があった。
なんとジープとライフル銃の開発に成功したのだ。
弓と剣しかないファンタジー世界だからこれはノーベル賞ものだな。
さらに産業指導省と研究発展省に依頼して地質調査を行なったところ大量の油田や鉱山資源が発見された。
この国はまさしくチートだな。
俺が異世界人でいろいろな知識を知っているということもあるのだろうが…。
まあそんなことはどうでもいい。
今はとにかく実戦の時に死傷者を少なくするかだな。
「最近、武装技術本部が開発したライフル銃? ですかねあれを見て見たいです!」
エリゼが目をキラキラさせて言った。
「皇級警備兵にも持たせてあるか見せてもらうか…」
「本当ですか⁉︎」
「ほんじゃ、行くか。」
サリエール宮殿 正門
「すみませーん! 銃の実演をしてもらってもいいですか?」
「はっはい⁉︎」
無茶苦茶驚いた顔をしているところを申し訳ないが、エリゼの為だ。頼む