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第十参話 軍備

第十参話 軍備


サリエール帝国とオウェリナ大帝国和平派との間に非公式な同盟が締結された。

しかし富樫とその周りを渦巻く戦慄を未だ誰も分からずにいた。

時は夕刻。

サリエール宮殿 同、富樫の私室


「軍の再編成か…。」


この国の陸軍、海軍、空軍は実戦水準を遥かに超えているものの部隊配置がまだ終わっていない。

オウェリナ和平派の技術援助で七四式戦車の開発に成功したものの試運転も量産もできない。

それに運転が出来る者がオウェリナ皇帝、弐島冥寿自身なのだから当分の間は運転はできないであろう。

それと同時期に新作の軍服の作成、ピストルやライフル銃などの開発、あと例の少数編成の特殊部隊の設置が始まったのである。

そんな時、同室で雑務をしているエリゼが言った。


「領土を四分割して各方面隊を置くのはどうでしょう?」

「ほう、四分割…何故に四つに?」

「連絡が早いのと地形に特化した部隊を細かく配置することで戦力向上を図ります。」

「へ~、いいアイデアだね、いただき!」

「是非とも参考に。」

「よーし、それじゃあ公務に戻るか!」

「しかしトガシ様、夕刻ですぞ。最近はオウェリナの一軒で徹夜でしょう、今日は休んでください。」

「エリゼ………なんかお母さんみたいだな。プププ」

「何を言いますか‼」


エリゼは顔を真っ赤にして起こっている。

なにせ自身が容姿故にプライベートで街中を歩くと……


魚屋で  「よう嬢ちゃん新鮮な魚が入ってるぜ!」

八百屋で  「あらかわいいお嬢ちゃんですこと。うちのリンゴ一つ持っていきなさい。」

服屋で  「お客様、ここは男物の服です。婦人用はあちらです。」


とまあそんなこんなで揶揄うと必ず反発してくる。

--------------------------------------------------------------------------------------翌日。

サリエール帝国陸海空技術本部。

ここは陸海空軍の装備や兵器を設計、製造する機関である。

例の七四式戦車もここで製造された。

いまは軍用ジープとヘリコプターの開発を行っている。

が、操縦手がいないため他の転移人を探すほかない。

(ヘリは当分没ネタ。でもぶっちゃけ作りたいから…いいじゃん)


「トガシ様、オウェリナ皇帝が技術本部にお出でです。」

「やあトガシ君! 出来たんだね、七ちゃんが‼ うおっ暗視装置まで」

「はあ……まぁあんたの記憶全部コピーしたし正真正銘の本物ってわけだ。」

(七ちゃん?…ああ七四式戦車の事か……フッ«(笑)»)

「いまは試運転出来るの?」

「俺のパトカーからガソリン移し替えたし、いつでもどうぞ。」

「じゃあお言葉に甘えて。」


弐島は戦車の操縦席のハッチを開けると歩兵のヘルメットをかぶって乗車した。

それと同時にエンジン音が地震がごとく轟音を鳴らしている。


「おいおい弐島! ハッチが開いたままだぞ。」

「仕方ないでしょ! 操縦席狭いし重くて閉められないの! 熱いし開けっ放しでいいわ。」


弐島は怒鳴り終えるとギアをいれブレーキを放しアクセルを踏んだ。

本当に小さい小窓から外をのぞくと戦車はゆっくりと前進していった。

車庫を抜けワイバーン用の滑走路に着くと一気に加速した。

右へ左へ蛇行運転を繰り返し乗り心地を確認していた。

富樫の念話スキルで車庫内までバックすると、弐島は満足げな表情で機内から出てきた。


「自衛隊の駐屯地内に居る気分だったわ。 トガシ君、量産の見込みは十分あるわ。」

「そうか、各方面隊に配備できるようにしよう。操縦の仕方はお前の記憶からのコピーがあるしマニュアルを作って教官に配布すれば教育が可能だろう。」

「次は迷彩ね。」

「迷彩?」

「いまの色だったら実戦で魔法の集中砲火を食らうでしょう? なるべく目立たないようにするのよ。」

「なるほど…で、どのように?」

「この国は日本とも気候が似ているし四季もあるわ、ここは陸上自衛隊の弐色迷彩で行くべきね。」

「デジタル迷彩とかも興味あるんだよな~。」

「トガシ君、デジタル迷彩は研究中のヘリが出来てからにしなさい。草原にデジタル迷彩は目立つわ。」


そんなこんなで新しく戦車隊が追加されることとなったのだ。

そして翌日、部隊配置が完了した。

ちょっと戦車好きが爆発しました。

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