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第零話 転移

第零話 転移





20xx年 冬

雪でも降りそうな少し明るめの曇天が朝の空を埋め尽くす。


「ハ~、今年はまた一段と寒いですね、警部。」


とある警官がパトカーの助手席で肩をすぼめながら白く冷たい吐息を吐いて言う。

この若い警官、名を弐島憲吾という。

階級は巡査部長、全部で九つの階級のうちの第八位の役職で言わば下層の役職である。

高校を卒業してすぐに採用試験を受け勉強しまくって昇級してきた実力派の人間だ。 


「俺の懐炉使います? あと一個余ってるんですけど。」


弐島に懐炉を勧めるこの警官、名を富樫紅葉という。

階級は警部、第六位の階級で準キャリアのような役職。

歳は弐島より一つ下の二十三歳でこの役職だと最年少である。


「ありがたいです。」


弐島は懐炉を受け取った。


「暖かいですね。」


今日も平和だな~なんて話していた、そんな時だった。


〝至急、至急、三丁目管内において通り魔事件発生。近くに居るパトカー直ちに向かってください〟

〝尚、犯人は銃火器を使用している模様〟


ほのぼのとした日常は一瞬にして奪われた。


「え? 銃⁈」

「危険ですね…どうします?」


弐島が富樫に指揮を仰いだ。

犯人は銃を所持している。

最悪、犯人が無抵抗の場合に銃刀法違反の現行犯逮捕が可能なのだが……。


「機動隊の応援を待ってから行くか、このまま現場に向かうか、選択肢は二つしかありませんよ…警部。」

「き、危険ですがやむを得ません。向かいましょう。」

「…了解。」


富樫と弐島は息を呑んだ。

いくら警官でもやみくもな発砲は許されない。

つまりこの状況、死を覚悟せざるを得ない任務なのだった。

そんな中、二人の乗ったパトカーは現場へと急いでいった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「富樫隊、現場に到着しました。」


弐島が無線で本部に連絡している。

富樫は車内から外を見渡す。


「ん?」


そこで富樫が見たのは血の滴る悲惨な惨状……ではなく至って平凡な街の風景であった。

目の前には主婦の乗った自転車、これから保育園に行くであろう子供などが何事も無かったかのように歩いている。

おかしい。

疑問が一つまた一つと胸を圧迫していく。

いたずらな通報だったのか?

それにしてはすごくリアルだし…にしても妙だ。

そんな時。


コンコンコンコンコン


富樫が乗る運転席側をノックしている若い男がいた。

富樫は窓を開けて男に話しかけた。


「どうかなさいました?」


弐島は心配そうにこちらを見ている。

若い男の顔は段々と黒く染まっていった。


「こ、ころ…」

「ころ? お兄さん何を言って……。」


その時男はピストルを富樫に向けた。


「え?」


パァ~ン


のどかな商店街に銃声が響き渡った。

富樫の視界は真っ赤になった。

熱い、腹がとても熱い、血が止まらない、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い………くる、しい

辺り一面が真っ暗になった。


「あぁ死んだのか……短いようでながかったな人生」


心の中でそうつぶやいた。


「そうでもありませんでしたよ。」

「は?」


その時、富樫の耳元で透き通った女性の声が響いた。

これを読んでいるということは零話はもう読んでもらいました?

なんとなく昭和の刑事ドラマの遺書のようになってしまいましたね。

初めまして今川焼きです。

これからよろしくお願いします( `・∀・´)

始めて投稿するのですが、あまり慣れていないので少々不安です。

誤字脱字、以後こうしたら良いなどご教授ください。


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