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百夜釣友  作者: 柳キョウ
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第八十一夜:言ってしまっていいの、それ?(1)

令和2年初のバス釣りに関してです。


1月15日、私としてはたいへん珍しいことに、サンテレビの人気釣り番組“THE H〇T”の放送を生で見ることができた。夜10:00からの放送なのだが、大抵はそんな時間に家に帰っていないのだ。これがニッポンの働き方改革の実態だ。まあ、いい。仕事は嫌いではない。


でっ、番組に出演していた某人気アングラーの発言に、少し私は驚いてしまった訳である。

曰く、「硬~~いスピングロッドとPEラインのセットがあれば、大抵の釣りができてしまう!」


え~っ、言っちまっていいの、それって感じ。

うん、暇に任せてちょっと調べてみよう。


ダ〇ワ製フラッグシップモデルの例。

ベイトロッド20機種、スピニングロッド11機種。

シ〇ノ製最新蠍さそりシリーズの例。

ベイトロッド8機種、スピニングロッド4機種。

常緑社製戦闘棒某最新シリーズの例。

ベイトロッド10機種、スピニングロッド3機種。


ここでやや意外に思ったのが、ダ〇ワさんを除けば、思いの他、ラインナップを絞っている感じがある。たぶんブランクの性能向上により、一本の竿で扱えるルアーの幅が、一昔前とは比較にならないほど広がったことが、その理由だろう。

或いは、売れ筋の長さや硬さにターゲットを絞った結果とか。


そしてこちらは逆に、(やっぱりな)と思った現実。ベイトロッドのラインナップが、圧倒的にスピニングに比べて多いのだ。粗っぽく言うと、どこのメーカも大体2対1の割合。


私自身のキャリアを振り返っても、現在、私の釣行の主流であるおかっぱり、すなわち岸釣りで、2本以上のスピニングタックルをフィールドに持ち込むことは、滅多にない。

大抵スピニングタックルは1セットだけ。その日有効となりそうなルアーの種類を鑑みて、手持ちのロッドの中から最適なものを1本だけ選ぶという具合。

私がトーナメントに出場していた頃、時代的にはもう一昔以上前のことになってしまうが、ボートのデッキに並ぶスピニングタックルは、普通は2本、多くて3本だった。そしてそれの3倍くらいの本数のベイトタックルが並んだものだ。


要は、岸釣りだろうとボート釣りだろうと、アングラーが準備するタックルは、大抵の場合、スピニングタックルよりもベイトタックルの方が、はるかに数が多いのが普通なのだ。


しかし、これが釣果となると、若干話が変わってくる。

私の場合で、ここ数年の釣果実績を年間で押し並べると、ベイトタックルで釣る魚の数と、スピニングタックルで釣り魚の数は、だいたい同じである。しかし、その同じ数でも、釣れ方というか意味合いというか、それはかなり異なる。


釣行ごとにコンスタントに魚を捉えるスピニングタックルと、時に爆発的な釣果を上げることのあるベイトタックル。その結果論として、1年というスパンで比較すると、大体どの年も同じ本数くらいの魚となっているのだ。


そんな傾向なものだから、(今日は絶対に魚を釣りたい)、(携帯できる竿は一本だけ)という事情と制限ならば、やっぱりスピニングタックルに手が伸びてしまうことが、最近は少なくない。


私の通うフィールドは、多くの場合、兵庫県西部のため池群である。

これらのフィールドは全国的な視点で見れば、とても恵まれているフィールドであると言って差し支えない。ハイシーズンには積極的にハードベイトをバイトしてくる魚も多く、アングラーの姿で場がごった返すということも、そうそうはない。

つまりスピニングタックルを駆使したライトリグで、無理やり魚に口を使わせるという釣りをしないでも、十分に満足のいく釣りが成立するフィールドなのだ。

こんなところは、例えば関東在住のアングラーには、羨ましい限りだろう。

さらに付け加えると、私は特にベイトタックルで魚を釣ることが大好きなアングラーである。


そんな私をして、それでも釣果の約半分が、スピニングタックルを使用してのそれなのだ。

そして、硬いスピニングと圧倒的な引っ張り強度を誇るPEラインが世に浸透してくると・・・

そんなスピニングタックルの需要が伸びていくこと即ち、それはベイトタックルの需要縮小を意味するのだ。この事のバス釣り業界に及ぼす影響は大きい。


ベイトロッドの登場頻度が低くなるということは、当たり前だがベイトリールの売上も減少するということだ。加えてライン。現在バスフィッシングでは主流であるフロロカーボンラインの売上高にも、大きな影響が出ることだろう。ラインは消耗品であるだけに、これは業界として相当に影響がでかい。

アングラーなら分かると思うが、恐らく、ルアーフィッシングで一番金のかかるのはルアーそのもの。私の場合なら、次いで釣行の際発生する交通費。

そしてその次あたりがライン。一度買ってしまえば10年以上は全く不自由なく使用できるロッドやリールより、実はラインの方が遥かにお金のかかるアイテムなのだ。


「PEラインの使用を前提としたパワースピニングが普及しないのは、ベイトタックルの市場縮小を懸念しているバス業界の陰謀のような気がする」


これって誰の言葉だったけ~と考えていたら、何のことはない、本作の感想を頂戴した読者様に対しての私自身の言葉だった。


でっ、そんな業界としては危険な方向に視聴者がなびいてしまう可能性を孕んだご発言を、某有名アングラーが、全国放送(サンテレビって全国放送なの?)で宣ってしまった訳である。

極めて影響力のある方の発言なので、これは私にとってみれば大事件なのである。


そんな業界を揺さ振りかねないバスフィッシング界大御所のご発言を検証すべく、柳はパワースピニング+PEラインのタックル1セットを片手に、令和2年のバスフィッシングをスタートしたのである。うん、ただ釣りがしたい口実のような気がする。


さて、パワースピニング&PEラインは、果たしてバスフィッシングを変貌させるアイテムとなり得るのか。柳的検証開始。



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