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百夜釣友  作者: 柳キョウ
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第三十夜:禁断のゲーム

(バスプロ)の存在意義を問うた僕達の壮大な挑戦についての話です。

よくぞやったことだと思う。暇だったから、当時は・・・

その思いつきから実行・結論まで、実に1年半にも及んだ僕達3人の壮大なゲームの話をしよう。

それは2009年、ある寒い日の午後、何をするでもなく集まった僕達3人の他愛ない会話に端を発する。


「うゎ~、今バスロッドってこんなに高いの?」


僕にそう言ったのは、古い釣り友達の一人。仮に彼をAと呼ぼう。

このAと僕は同級生で、中学生の頃から、よく2人でバス釣りに行ったものだ。

高校、大学と進路は別れたが、それでも年に数回は、今でも2人で釣りを楽しむ間柄である。

そんなAが、私の部屋に散らばっていた釣り道具のカタログを、それほど興味なさげに手に取り、すぐにそんなセリフを吐いたのである。


そんなAの釣りの腕はと言うと、社会人になってからトーナメントに参戦し始めた僕ほどには、バス釣りにのめり込むことはなかった。

それでもおかっぱり、すなわち岸釣りでは、今でもそれほど僕と釣果に大きな差が出ることはない。

これが船に乗っての釣りとなると、操船技術も含め、僕の方がいくらか上だろう。まあ、Aの実力は、大凡そんな塩梅である。


Aの比較対象として、僕を挙げてしまったが故、僕の事についても触れねばならない。

小生、釣りを始めたのは小学校4年の時。少し金と時間にゆとりができた20代後半から30代前半まで、ローカルバストーナメントに参加し続けた。何度かは表彰台にも上った。

一般的な感覚では“かなりやる”方のアングラーと評価して頂いて、まあこの自惚れに我慢してもらうこととしよう。


Aが驚いたように、昨今のバスロッドの価格高騰は、僕達庶民アングラーには嘆かわしい限りである。4軸だの6軸だの、スパイラルだのと、やたら難解なカーボンシートの巻き方に始まり、聞いたこともない名前の金属を使ったニューコンセプトガイドの採用。釣果にどう影響するのか全く意味不明な凝りに凝った塗装。


因みに僕がこれまで購入した最高値のバスロッドは3万7千円。

某人気メーカの、それもフラッグシップモデルを、発売と同時に定価で購入した時の金額だ。20年以上昔の事。

それがなんと、今時のバスロッドのハイエンドモデルなら、この4万円弱の竿の価格2本分に、一回のピンサロ遊びが付くほどの価格なのだ。


※ピンサロ遊びの金額は、飽くまで大阪界隈の常識的な店の金額とお考え頂きたい。


「8万円の竿を買う奴ってのは、やっぱり1万円の竿を使ってる奴の、8倍魚を釣るのかねぇ」


そんなAの言葉にすぐさま僕は返す。


「まあ、そんなことはないだろう」


「じゃあ、8万円の竿の価値って一体なんなのさ?」


「8倍の差とは言わないまでも、例えば1.1倍とか1.2倍とか、その程度の差が出るんじゃない?究極の世界では。そんな世界に生きてる人達には大切なことなんでしょうよ、そのコンマ何倍が」


「そこ、そこも気になってるんだよ。やれ最新テクノロジーの粋だとか、F1マシンだとか究極だとか、そんな表現をみんな恥ずかし気もなくしてるんだけどさぁ・・・プロと呼ばれる人達は」


Aの言っていることが、僕には判る気がする。

ここで一般の人達向けに少し補足することとする。


僕やAが嗜むバス釣りでは、『プロ』と呼ばれる人達が存在する。

大変に平たく表現すると、お金の掛かった釣り大会に出場して、賞金を得ている人達である。発祥はもちろんアメリカ。

しかしここ日本では、その『プロ』の定義はとても明確で、某釣り団体の認定しているプロライセンスを取得していることが 、プロであることの定義となっている。

従って、釣りに携わって生計を立てている人達、例えば道具の開発に関わっているとか、釣り道具メーカに勤めているとか、釣りのテレビ番組に出ているとかと言う人達は、この世界では『プロ』とは、厳密には呼ばれないのである。


(えっ、そんな職業があるの?)的な反応をされる人達がほとんどではないだろうか。

つまり世間一般には認知度も低く、マニアックな一部の人達の世界であることは、これほどバス釣りを愛している僕ですら、そのことを否定はできないのである。

そんなだから、その賞金額も推して知るところ。恐らくこの日本で、釣り大会の賞金だけで生計が立っている人はいないと言っていいだろう。


では、そんな『プロ』達は一体どこから収入を得ているのか。

実はそれが、道具の開発やメーカのプロパガンダを担うことによる契約収入なのだ。

これは僕の想像だが、実際はこの手の収入が、大会の賞金による収入を上回っている人達がほとんどなのだろう。


こんな人達が、雑誌の紙面などで自らが開発に携わった道具について語るのである。


(究極のレーシング仕様)、(F1マシン並みのシビアなセッティング)、(使いこなせるアングラーは一握り)


そんな大上段の大仰な表現の数々に、Aは反応したのだろう。


(たかが釣りじゃないか)


きっと、そうとでもAは言いたかったのだろう。

実際にその言葉をAが口にしていたとするなら、多少僕はムッとしたかも知れない。

しかし同時に、確かにその通りだとも思ったことだろう。


世界一のレーシングドライバーの運転する軽自動車と、ごく普通の一般人がハンドルを握るレーシングマシンの競争。サーキットで競争すればきっと一般人のレーシングマシンが勝つことだろう。

それほどモータースポーツの世界では、車の性能が占める比重は、トータルパフォーマンスをひっくり返すほどのものだろう。


しかし、釣りとなると・・・

むしろ(弘法筆を選ばす)との言葉が、他の道具を使うプロスポーツの中では、比較的当てはまる方の競技が、釣りなのではないだろうか。


そんなことを考えている時、それまで黙って別の釣り雑誌を読んでいたBが口を開いたのである。

このBなる人物、なかなかの変人である。

学生時代の専攻は生物学。それも専門分野は魚である。


本人曰く、(パンフィッシュに関しては日本でも指折りの研究者だった)とのことである。

(だった)という過去形を使うところが何とも憎めないのだが、今はなぜか製薬会社に勤めている。彼のいう(指折りの)見識なり研究が、今現在彼のキャリアに活用できているのかどうかは判らないが、何となく関係があるようにも、素人考えでは思えたりする。


因みに彼の専門であるパンフィッシュとは、元々フライパンの上に乗る大きさの、それもアメリカ生まれの淡水魚というのが正確な定義であるらしい。

日本に生息する魚で、これに相当するのが、僕の様にルアー釣りを嗜む人間には、非常に馴染みの深いブルーギルなのである。


一度Bに対して、(ブルーギルの研究にどんな価値が見いだせるのか?)との質問を投げたことがある。

その時の彼の回答が、(ブルーギルが人類の食料危機を救う可能性を、否定できる学者はいない)というものだった。

当時はなんと大げさな事を宣うものだと思ったものだが、繁殖力が強く、内陸地で養殖可能、しかも低温にも高温にも大変に強いという特性は、どうも確かにその通りらしい。


そんなBの吐いた言葉がこう。


「それなりに面白く読んだけど、アプローチが一方向だね」


「んっ?アプローチが一方的と言うのは?」


「釣技という意味では、釣りに興味の無い俺でも、なかなか高いスキルがあるんだろうと思うよ、このプロアングラーと呼ばれる人達は。でも結局は、釣りなんて如何に対象魚のことを理解しているかだろう。そういう意味じゃ、きっと俺なんかの方が上さ。釣りのプロと呼ばれている人達よりね」


そのBの暴言は、さすがの僕も我慢できかねた。


「じゃあお前が釣りをすれば、プロ連中より釣れるっていうのかい?」


様々な試合に出場し、プロ、またはプロ予備軍という連中に、コテンパンにやられた経験がある僕は、思わず強い口調となった。


「そこまでは言ってないけど、例えばこうさ」


そう前置きしてBの説明した内容は、(春先はバスが甲殻類を好んで食べ、秋口には小魚を捕食する)という記事についての反論だった。

因みに、春は甲殻類、秋は小魚というのは、少しでもバス釣りを嗜むものにとっては、古くから言われている常識なのである。しかしBが言うにはこうである。


「春に甲殻類を、(好んで)食べているのではなく、甲殻類を捕食せざるを得ないのさ」


B曰く、本当は決して消化のよくない甲殻類は食べたくないが、春先は餌となりうる小魚と、バスの好む水深が異なるため、水深が自分達の生息域とリンクする甲殻類を、バスは食べざるを得ない。

もし3月から4月にかけて、水深3~4mのレンジでスクールを成す特性の小魚が存在すれば、きっとバスは甲殻類には見向きもせず、こちら側を食べるだろう。

バスから見れば、残念なことに、それに該当する魚種がいないだけ、ここ日本では。


なかなかの説得力に、私は言葉に詰まる。

更にBが続ける。


春先に甲殻類を餌にするのは不正解ではない。しかし小魚の群れを演出できるルアーがあれば、それはきっと甲殻類以上に釣れるはず、とこう言うのである。

一矢報いたい思いのみで、僕はBに言う。


「お前はブルーギルの専門であって、バスの専門じゃないだろう」


(わかっちゃいないな)という顔をBがして言う。


「ギルとバスとのリレーションってぇのは、釣り人が考える以上に密接なのさ。産卵時期が、バスの方が早いのは、お前にも判るだろう」


確かにその通りである。4月下旬から6月上旬が、バスの産卵期であるのに対して、ブルーギルは6月以降が産卵の最盛期である。


「バスの卵をギルが喰らう。腹に卵をもったギルを今度はバスが餌にする。これはつまり、フィッシュイーター同士の協定のようなものなのさ。昔、理科の授業なんかで見た生態ピラミッドを想像してみろよ。頂点に近い2種が、決して争わず、生態系がアタマでっかちになった時、一体どうなるか」


言われずとも判る。頭の大きくなったピラミッドは、その重さに耐えられず、地に沈むしかない。


「これにさらにバスより産卵期の早い、コイやフナが加わるとだな・・・」


この後もしばらく続いたBの講釈は割愛するが、なぜコイやフナの産卵期がバスよりも早いのか。これがバスと同時期なら、それがバスの産卵にどの様な影響を与えるのか。

一魚種を単独で考えるのではなく、生態系を総合的に捉えて語るBの見識は、如何に生態系なるものが緻密に構築されているかを上手く語るもので、結論としてなかなかに聴きごたえがある内容だった。


(では釣りの対象としてバスを考えた場合は?)との僕の問いに関しても、元学者らしい面白い意見をBは展開した。中でも最も興味深かったのは、Bが餌(ルアー釣りの場合、これはルアーということになるが)のバスにとっての魅力度を数値化しようとしたことである。


Bが数式化した(餌の魅力度AF:attract-factor)を構成する変数としては、

d2:(魚と餌の距離の二乗)、s3:(餌の匂いの3乗)、f:(餌の出す周波数)、WR:(餌の重量/餌の体積)、v(餌の移動速度)、及びt:水温である。

これらのエレメントに、Bはそれぞれに定数を掛けた。いや、正確には定数ではない。

はじめBは、季節によって変わる定数と言ったが、季節を水温tに置き換える事により、全ての要素はtと関連した変数となったのである。

補足だが、この餌の魅力度を数値化する手法は、サーモン漁士と学者の共同研究に由来するらしい。


さて、一アングラーとして少し意外だったのが、“色”という要素がなかったことである。

このことについてのBの回答は、(まあ無視していいだろう)というものだった。

次いで気になったのが、匂いという要素を3乗している点。どうも魚の専門家は、匂いという要素をとても重要視していることが判る。

またWR(weight-resio)、つまりはまたはルアーの比重という因子が気になる。

この事をBに問うと、パンフィッシュは季節によって、大きな餌を好んだり、小さな餌を好んだりすることは事実だが、その好む比重は変化しない。言い方を変えれば、その魚種によって好きな餌の比重があるというものだった。そしてこれは魚種の消化能力の強弱に起因していると、Bは主張した。


ともあれ、ルアーとしての魅力度:AFが、Bの手によって数式化されたのである。


さて、このAFを表す式を、一目見た僕の感想について述べる。

中には僕には理解出来かねる難しい数式もあったが、Bの説明を聞きつつ、読み解いていくと、水温22℃という環境が、もっともd2、つまりエサと魚との距離のファクターの影響が薄くなるとのこと。言い方を変えれば、22℃の時が、もっともバスが遠くまで餌を追いかけるということになる。

この22℃は絶対なのか?と問うと、Bは(世界共通で絶対だ)と断定する。

水温が22℃の時、これは季節で言えば6月頃、ちょうど産卵から回復したアフターと呼ばれるバスが、積極的にエサを追う時期と確かに重なる。

7月、8月と水温は上昇しておき、次に水温が22℃を迎えるのは、10月半ば過ぎか。

この時期は、バスがフィールドに広く散ったベイトフィッシュを追い回す時期と、経験上確かに一致する。

20年に及ぶ私のバス釣りキャリアからも、このBの数式を否定する要素が見当たらない。


更に、WR、つまりバスの好むエサの比重は水温tによって変化しないということは前述したが、温度tによって大きく変化するのが、バスが好む餌の体積Vである。

Bの数式によると、tとVは反比例の関係となる。つまり、低水温期には、(体積として)大型の餌を好み、高水温期には、小さい餌を好んでバスは捕食するということとなる。

これは私的には、少し疑問符がつく内容である。

この根拠は、冬場にはメタルジグなる小さな金属製のルアーが有効であるという、言わばバスアングラーの常識に反すると感じたからである。


そのことをBに対して主張すると、(これは事実である)とBは私の意見を一蹴する。

つまりそれは、おそらくはd2の問題だと。

そう言われて僕は腑に落ちる。

メタルジグが有効なのは、冬場バスが溜まるディープウォーター、感覚では10メートル以深を効率よく探るシチュエーションである。

Bの数式で言えば、もし冬場に大型のルアーをd2が短い場所つまりディープということに送り込むことができれば、それは効果絶大ということになる。


(あっ!)


近年、日本でも本場アメリカでも、ブームとまではいかないが、注目されているパターンがある。それがビッグスプーンによるディープウォーター直撃パターンである。

数多くのビッグフィッシュ獲得の報告事例があるにもかかわらず、専用のタックルが必要となることもあり一般には余り普及していない。私自身も試したことはない。

特筆すべきは、その釣法の実績の多くが、最も厳しいとされる真冬に報告されている実績なのである。


一方で、高水温期に体積の小さい餌をバスが好んで食べると言う説。

これもあっさりと僕は納得することとなる。

私を納得させたBの一言とは、(例えば虫とか・・・)であった。


しかし・・・しかしである。

数式で魚が釣れてたまるか!

そんな反発心が起こらなかった訳ではない。

Bの数式の穴を探さんとする私であるが、そもそも数式が理解出来かねることもあり、なかなかに苦戦する。血眼になって式に喰いついている僕にBが言う。


「うん、やっぱり色も入れよう」


そう、さもありなん。

ルアーの色が釣果に関係ないというなら、数十種類もあるルアーのカラーリングは一体何だというのか。ここは決して引けない領域である。

ここでBが新たな要素として付加させた変数がTr。色だとすればイニシャルはColorのCであるはずだが、Trとは?


「日本語にすれば、透過率:TransmittanceのTrだよ」


つまりは光の透視具合ということなのだ。そしてこの変数Trは天候(we)の関係式となっている。単純に色を表している訳ではなさそうだ。

この事をBに問うと、なかなか口では説明しづらいという。


「ちょっと,そのルアーなるものを見せてくれよ」


そういうBに対して、私は部屋の隅にあった一軍タックルボックス、つまり使用頻度の高いルアーの数々が入っているボックスを見せることとする。


様々なカラーのルアー群を見て、Bは(う~ん)と唸る。

そして二種類のワームを手にとる。


「例えばこれとこれが、透過率では対極ということになる」


Bが手に取ったのは、ソリッドブラックという色のワームと、透明感のあるウォーターメロン、つまりスイカ色と言われる2種類のワーム。

偶然ではあるまい。バスアングラーを対象にしたアンケートでは、どちらも好きなカラーベスト3に入る人気色なのだ。


「その中間がこれかな」


Bが手にとったのは、グリーンパンプキンと呼ばれるこれが不動の一番人気カラー。


全くルアーについての知識がないBが選んだカラーは、人気色トップ3を見事にいい当てたことになる。この時点で私は、恐怖にも似た感覚に支配されていた。


戦慄を禁じえなかったが、それでもこれだけの数式化で、プロアングラー以上に魚を釣るという結果には、すぐに直結はしないとも僕は考えていた。

これまでの議論では、Bがそれぞれ二乗、三乗と、非常に重き要素と考えた変数、d2:つまり魚との距離、そしてS3:匂いについての話がこれまで出てきていないからである。


そのことを主張すると、S3に関しては簡単、水温tと密接に関係する変数だが、素人には説明が難しいとBは言った。ではd2:つまり魚との距離はどうか。

どこに魚がいるかが判れば釣り人も苦労はしない。

バスフィッシングが数式に当て嵌まってたまるかという私の思いは、このd2を机上で詰めることができないだろうと主張した。

水槽の中で飼われている魚を釣る訳ではないのだから。


「モデルフィッシュに発信器を取り付ければいい」


Bから何とも元研究者らしいドラスティックな案が飛び出したものだ。


「それは現実的じゃないだろう。発信器なんていくらするんだよ」


思わずそんな台詞を口にしてしまう。


「俺なら一個800円で入手できるね」


ええっ?そんなに安いものなのか。僕は驚きを隠せない。

Bに言わせれば、要はマス効果。大量に購入すれば一個当たりの単価は当然安くなるのだそうだ。大学の研究室ともなると1魚種の研究に、それこそ千個オーダでの購入も珍しくはないらしい。


「大学の後輩に頼めば端末も含めてすぐに準備してくれるさ」


更にBは続ける。


「日本の湖程度なら、平均的なサイズの魚10匹に発信器を取り付けて、トレンドデータを2カ月も記録すれば、まあ大凡の魚の動きは把握できるだろうよ」


発信器を基に魚の動きを把握する。そこで最もAF値の高いルアーを投げ続ける。

それがBの主張する最強の釣法であるらしい。そしてそこには感覚的な要素が入り込む余地がない。答えはデジタルに出る。そう断定する。


「偉そうに講釈垂れてる“バスプロ”って奴らに俺が勝たせてやるよ」


自信満々でそうニヤリと笑うBの顔は、禁断の果実を勧める悪魔のものに僕には思えた。


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