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ホムンクルス
わたしは造られた存在
ホムンクルス(人造人間)
肉体的に人を超え、特殊な能力を備え
様々な状態異常への免疫を持ち
神の欠片というものを身体に埋め込みそれに耐えられた存在が
そう、わたしである
最終的な調整のあと戦争に駆り出される
試作型のわたしは色々と詰め込みすぎた駄作であった
2度と作ることの出来ないわたしは研究者達から嫌われていた
新しい子達は一つの能力に特化したホムンクルスで
量産もかなりしやすいとの事で好まれていた
わたしは身体のバランスが上手く取れないから
身体能力にリミッターをかけ抑え込み、ナノマシンを身体に入れ状態をキープする
1人の若い研究者が液体の中にいるわたしの前で止まった
「こんな子供に世界戦争に駆り出さなければならないなんて」
泣きながらそう言ったこの人は唯一わたし達ホムンクルスの作成を最後まで反対していた人らしい
周りの研究者がバカにしながら話していたのを知っている
「レイ、、、生きて帰ってきてくれ」
そう言い残し去っていこうとした瞬間に爆発が起きた
わたしは再度起こった爆発に意識を奪われた