Episode.3 さようなら。瑞季(♂)
この物語も3話目です。いつも見て下さっている方、有り難うございます。ノベリストとして研鑽を積んでいきたいと思いますので、ご意見ご感想のほど宜しくお願いします。
体育館で色々なところから攻めてきた。敵はヒーローものに出てくる覆面兵みたいな奴らだった。
きっとアイツらも人間に違いないと素のままで攻めかかった。
案の定やられてしまった。
「ここで例のスマートフォンか。」
一つしか無いアプリには色々な職業のラインナップがあった。
警察、医者、料理人、格闘家、盗賊など。
だが、俺はこれにする!『Job!Select!Shaman!』呪術師である。つまり、魔法使いのことである。
コスチュームを選択する。よし、魔法少女にしよう。
『性別が変わる恐れがありますが、選択しますか?』
「勿論だ。ほぼ女子高で生きていくなんて辛かった。こんな高校生活に終止符を打てるなら受け入れる。」
青山瑞季は眩い光に包まれて、女子高生(JK)になった。
片手に持った杖で覆面兵をあっという間に倒していった。
スマートフォンが震えた。通知が来た。『覆面兵の覆面を剥がせ。ボーナスで経験値が倍になる。』
倒した覆面兵の覆面を剥がして、経験値を二倍獲得した。
「どうやら女になったようだな。自爆することはあり得ない。そこまで自分の性を変えることが出来るのか。恐ろしいな。」三嶋は実況室から履歴を見ていた。だが、この時三嶋も知らない隠しコマンドが発揮されていた。性転換を行った勇気により経験値を倍にする仕組みが作動しており、二倍×二倍で四倍の経験値を獲得していた。
「よし!ここからが本番だ。練習終わり。こちらの現在地把握レーダーで見守っていたが、皆、敵を倒して経験値二倍もらったな。これで、対等な戦いが出来る。」
所変わって叶音側では。
「どうやら、倒さないとこのゲームは終わらないようだ。俺は、皆を殺したくない。でもやるしかねえ。叶音覚悟しろ!」栗山春河が、叶音に勝負を仕掛けてきた。
経験値を利用して攻撃に特化した春河。対するは、防御及び素早さをマックスにした叶音。
コイントスをして出た目の方が先攻である。表で春河のターンだ。
「行くぜ。闇の月斬!」皆既日食でも起こったの如く暗くなり、一発の斬撃を見舞った。
かと思いきや……「俺だって死にたくはない。お前もギリギリまで生かせてやる。行くぜ!炎の矢」
素早い動きで躱しきり、瀕死の状態に追い込んだ。
「休んでろ。お前も大切なクラスメイトだ。死なすわけにはいかねえんだよ。」
「グッ…こんな時に、思い遣れるなんて…馬鹿野郎!」春河は泣いていた。
神原側でも戦が始まっていた。
「神原、お前は良い友だ。だけど、でも俺は此所で死にたくはねえんだ。」岩崎真夜が銃を向ける。
「岩崎。仕方ねえ。俺のギターの音波で懲らしめてやる!!」お互いに攻撃力、防御力、素早さを平均的にアップさせていた。
コイントスをした。
出た面は表で神原であった。
「真夜!さあ、始めようか。デスゲームを。」二人のデスマッチは始まった。
神原飛鳥
冷静沈着な性格である。根暗ではないのだが、陰キャ扱いされていじめられてしまい、男の子がいる所は嫌になってこの学校に入学した。