よくわかるフェアリーダンス講座!
由依
「ねえねえ、大河くん。初心者の樹くんとリーシャ先生にフェアリーダンスについて詳しく教えてよ!」
大河
「いきなりファミレスに連れてきたと思ったら、そんな話ですか。というか、由依先輩もやっているんだから詳しいでしょ!」
由依
「まーそうなんだけどねー。世界大会とか出てると予想外の出来事で、意外なルールとかを知る機会があるでしょ」
大河
「いや、ぜんぜんまったく。フェアリーダンスって競技の割に微妙な場面というのが少ないんです。だから、困るような場面っているのはほぼないです」
由依
「で、でもさー詳しい人が教えたほうが良いじゃない? ほらほら、ハンバーグ定食を奢るから」
大河
「トロピカルフルーツデラックスグレイトウルトラパフェを奢ってくれるなら喜んで説明しますよ」
由依
「なにその胡散臭いネーミングの商品は⁉ ま、まあ、いいや。なら、お願いするよー!」
栞
「やっと大根芝居が終わったみたいだね」
由依
「大根芝居とは失礼な! これは重要な交渉だよ」
栞
「はいはい。それで、疲れているところ悪いけど、大河くんお願い」
大河
「このパフェをお願いします! え……ええっと、ああ、はい、わかりました」
栞
「君今完全に何をやるのか忘れてたでしょ⁉ ていうか、君甘いものが好きなんだね!」
大河
「まあまあ、安心してください、ちゃんとしますから」
栞
「えらく、なれなれしくなったもんだね」
由依
「気にしない気にしない」
大河
「さて、フェアリーダンスですけど樹とリーシャ先生はどのくらいわかってますか?」
樹
「オブジェクトに触れてポイントをとるか、対戦相手全員を気絶させる、だったよね」
大河
「そう。それで、ポイントですけどオブジェクトに触れると1ポイントになる。ちなみに対戦相手を全員戦闘不能にさせなくても一人気絶させるごとに3ポイント手に入るようになってる」
リーシャ
「なるほど。そういえば、かなりの広さの魔法空間でやっていマシタガ、具体的にはどのくらいの広さなのデスカ?」
大河
「直径三キロの広さです。そのくらいの広さがないと、どこかの誰かさんみたいに砲撃魔法で狙われることはないですけど、狙撃魔法で狙われちゃいますからね」
栞
「大河くんやっぱり遠慮がなくなってるね」
大河
「心の距離が縮まっただけですよ。これで連携がとりやすくなります」
栞
「あーいえばこういう、はあ、まあいいよ」
大河
「こほん。話の続きになりますけど、前半後半それぞれ十五分で行います」
樹
「同点のまま後半を終えたらどうなるのかな?」
大河
「その場合は選手が多く生き残っている方の勝ちになる」
リーシャ
「それも同じだった場合はどうなるのデス?」
大河
「延長戦です。体力とかの問題で十分間の試合になります。ちなみに延長戦でも決着がつかなかったら、めったにありませんが二度目の延長戦に入るんですけどその場合は生き残っている選手の中から代表者を決めての一騎打ちになります」
樹
「じゃあ、相性とかが悪い人同士になったらまずいなあ」
大河
「そうでもないんだ。一騎打ちといっても、一キロ離れた場所のオブジェクトに先に触れたほうの勝ち。だから、相性が悪いからと言って、工夫次第では勝てるんだ」
樹
「な、なるほどなあ」
リーシャ
「よくわかりマシタ。ありがとうございマス」
大河
「いえいえ、さてしゃべり疲れたので、俺はパフェにありつかせてもらいますね。詳しい話はまた今度ということで」