5
(…おはようございます)
目覚めたらベッドの上にいましたよ。
(窓から射す光がまぶしぜっ!
…いや、ここどこだ?
おっさんに背負われて、寝よーって思って寝た記憶はあ、る…
あ、ああああああああ!!は、恥ずかしいっ!!私は何してんだよ!出会ったばかりの男性に背負われるとか、…ぬおおおおお穴があったら入りたいっ!!!でも穴に入ってこうなった!入らない方がいいね!!!あああ…一体いつからそんなに積極的になったんだ私…昨日からだわな!男性免疫ほぼゼロなのに…
…うん、昨日は色々ありすぎて、吹っ切れてたんだな、うんそうだな!)
少し冷静になり、火照った顔を手で冷やしながら周りを見渡すが、ベッドと棚、床頭台、机と椅子はあるが、余計なものがなく殺風景な部屋だ。
私の部屋とは大違いだ。私の部屋はテーブルや床に物が散らかっていて、床は…うん、やめよう。
ログハウスなのか、壁や床は木の板で出来ている。腐っているようなところもなく、清潔感のある部屋だと思う。
取りあえず気持ちを切り替えても含めて、ベッドから降り部屋を探索してみることにする。
なんか脱出ゲームみたいでわくわくする。
棚を覗いてみると厚い本があったり、何かの草の入った瓶が収納されていた。しかもきれいに並べてある。絶対この部屋の人間は神経質だ。私と性格が合わない気しかしない。
どんな本が並んでいるのか気になり、背表紙に書いてある文字を読もうとしたが、日本語ではない文字で何の本なのかわからない。
(…まぁ、言葉も通じなかったしね。そういえばなんで言葉が通じるようになったのだろう。
一番簡単な答えは『魔法』だよね。まぁ、後であの男の人に聞けたら聞こう)
他には何かないのかと辺りを見てみる。椅子には私の着ていた上着が丁寧に掛けられている。机にはペンとメモ帳が置いてあって、それ以外は何もない。
引き出しになんか入っているのかな?手をかけようとした。
がちゃ
後ろから扉の開く音がした。
驚いてすぐに後ろを振り返る。
そこにはごついおっさんがいた。大切なことなのでもう一度言うが、ごついおっさんがいた。
顔はイケメンかどうかというと…んー……わ、わからない…私の好きなイケメンは王子様みたな人だからな、系統が違う…専門外だぜ!だけれども、嫌悪感を抱くような顔立ちではない。短く切られている黒味がかった茶色の髪、日に焼けた肌、彫の深い顔、緑色の瞳、右の頬に切ったような古傷。んー人生経験の豊富そうな顔だと思う。やっぱりファンタジー物に出てくる冒険者っぽいな。
体もごつい。全体的にごつい。筋肉の塊、とは言わないけど、それに近いものを感じるぜ…引き締まった体筋肉verだな。
そんなことを思いながらまじまじと見つめていた。
そんな私に何か思ったのか、眉を顰めるおっさん。こわいよ、おっさん…
「…そんなに見るな」
「あ、はい」
ドアノブから手を離し、腕を組む。似合ってる、あなたのためにあるポーズと言っても過言ではない。教官っていいたくなる出で立ちですね。
「体調はどうだ」
(ちょ、首をこてんとさせんなよ、かわいい!なんかかわいいって思っちゃったよ!
…え、かわいい?はっこれが萌えか?萌えなのか?…いやーーーッ!おっさんに萌えとか、ちょっとマニアックなやつでは!!)
「だ、いじょうぶ、です…」
力を振り絞り、答える…何気にショックだわ…
私はイケメンが好きだったよね?おっさんに胸キュンとか…頭が混乱しそう…
「…本当か?もう少し休んどけ」
ちょ、気遣いできるおっさん!ポイント高いっすよ!胸キュンポイント20あげるわ!
「い、いえ!だいっじょうぶなので、お気遣いなくっ!」
噛んだが大丈夫であることを伝える。
やばい、私の思考回路がずれてきている。