18
気づけば自分のベッドの中にいた。
デジャブ。
いつの間にか〇〇にいた件、パート2ですか。
されど、パート1(森)よりも断然安心できる場所にいる。
そう、ここは私のベッドの上、つまりは私の部屋!!
(私は帰ってきたぞ―――っ!!!)
うつ伏せになって、枕をぎゅっと抱きしめる。
(あーこれよあーこれよ、この柔らかさ、このぬくもり…
もう出たくない。ベッドの中から出たくない…)
窓の方に目を向けるとカーテンの隙間から光が差し込んでいる。
(…今何時なんだろう?なんでレイさんはあそこにいたんだろう?
私を探してくれてたんだろうか…)
色んな疑問が私の中ででてくる。
でも、んー…レイさんが起こしに来るまでこのままでもいいかな…
正直、レイさんが迎えに?きてくれて滅茶苦茶安心した。そして寝た。居候の身でありながら、家主であるレイさんに多分おんぶしてもらった挙句、部屋まで連れてきてもらっている…めっちゃお世話になっております。ありがとうございました。流石に図太い神経の私でも、このまま起きて、「おはよー」って行ける勇気はない。出来れば昨日の私のことを忘れていてほしいけど、そんな都合のいことはない。めっちゃ気まずい、そして恥ずかしい。
どうしよう、レイさん起こしに来てくれるかな…いや、こんなことを考えている時点でだめでは…
「うっ」
そう思っていたら背中に重たいものが乗っかってきた。
顔を向けるとポチがいる。私の背中に伏せながら、太いしっぽを振っている。
…なんだかむくれているような、ふてくされている顔をしている。
なんでだろう、すごく、罪悪感というか…
動物相手にどうした、と思われるかもしれないけれど、生死?を共にし、私を癒して助けてくれた存在。私にとってポチはもう家族のような、大切な存在だ。血の繋がりのない人同士が家族になれるのなら、動物だって家族になれると思う。
そんなポチがぶすっとしている…
私が悪いのなら謝りたいけれど、原因もわからないのに謝るのは不誠実な気がする。
考えても、ポチがふてくされている原因はわからない。
眠たい頭を働かせて考えていると、
(ポチってもふもふしてる…)
ふとそのことを思い出す。
そうすると、ポチと一緒に寝ることへの凄まじい欲望がでてきた。
私はまだ寝たい…考えても眠気が勝りそうな、いや勝っている。
「ポチ、一緒に寝る?」
ポチに少し申し訳ないと思いつつも、掛け布団をポチが入れるように開けると、がばっと、効果音がでそうな勢いで起き上がり、うれしそうに寝そべり、頬を摺り寄せてくる。
その様子を見て、私は、
(ちょろいっ!!!)
と思った。