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幸せになりたい。  作者:
2 精霊と冬
19/48

18

 気づけば自分のベッドの中にいた。


 デジャブ。

 いつの間にか〇〇にいた件、パート2ですか。

 されど、パート1(森)よりも断然安心できる場所にいる。

 そう、ここは私のベッドの上、つまりは私の部屋!!


(私は帰ってきたぞ―――っ!!!)


 うつ伏せになって、枕をぎゅっと抱きしめる。

 

(あーこれよあーこれよ、この柔らかさ、このぬくもり…

 もう出たくない。ベッドの中から出たくない…)


 窓の方に目を向けるとカーテンの隙間から光が差し込んでいる。


(…今何時なんだろう?なんでレイさんはあそこにいたんだろう?

 私を探してくれてたんだろうか…)


 色んな疑問が私の中ででてくる。

 でも、んー…レイさんが起こしに来るまでこのままでもいいかな…

 正直、レイさんが迎えに?きてくれて滅茶苦茶安心した。そして寝た。居候の身でありながら、家主であるレイさんに多分おんぶしてもらった挙句、部屋まで連れてきてもらっている…めっちゃお世話になっております。ありがとうございました。流石に図太い神経の私でも、このまま起きて、「おはよー」って行ける勇気はない。出来れば昨日の私のことを忘れていてほしいけど、そんな都合のいことはない。めっちゃ気まずい、そして恥ずかしい。

 どうしよう、レイさん起こしに来てくれるかな…いや、こんなことを考えている時点でだめでは…


「うっ」


 そう思っていたら背中に重たいものが乗っかってきた。


 顔を向けるとポチがいる。私の背中に伏せながら、太いしっぽを振っている。

 …なんだかむくれているような、ふてくされている顔をしている。

 なんでだろう、すごく、罪悪感というか…


 動物相手にどうした、と思われるかもしれないけれど、生死?を共にし、私を癒して助けてくれた存在。私にとってポチはもう家族のような、大切な存在だ。血の繋がりのない人同士が家族になれるのなら、動物だって家族になれると思う。

 そんなポチがぶすっとしている…


 私が悪いのなら謝りたいけれど、原因もわからないのに謝るのは不誠実な気がする。

 考えても、ポチがふてくされている原因はわからない。

 眠たい頭を働かせて考えていると、


(ポチってもふもふしてる…)


 ふとそのことを思い出す。

 そうすると、ポチと一緒に寝ることへの凄まじい欲望がでてきた。

 私はまだ寝たい…考えても眠気が勝りそうな、いや勝っている。


「ポチ、一緒に寝る?」


 ポチに少し申し訳ないと思いつつも、掛け布団をポチが入れるように開けると、がばっと、効果音がでそうな勢いで起き上がり、うれしそうに寝そべり、頬を摺り寄せてくる。


 その様子を見て、私は、


(ちょろいっ!!!)


 と思った。


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