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流転する想い  作者: ice
第1章
8/32

Magicruler/魔法と魔術。

厨二乙。

「魔法は使えなくて当たり前。 魔術は使えて当たり前。」

そう、育ててくれた神父様は教えてくれていた。


二つの違い。

それは、魔術が道具を介して行う物理現象(と言っていた。 要は手で触れるかどうからしいけど。)に対して。

魔法は、完全に体系化出来ない、才能に左右され過ぎる概念現象、ルールに介入するもの、らしい。

当時、まだ小さかった僕に。

神父様はこう教えてくれたのを覚えている。


「いいかな、ルイン。 此処に指輪がある。」

「うん、あるね神父様。」

「これは、魔導具……簡単に言えば、魔術を使う為に必要な道具なんだ。」


見ててご覧。

そう言いながら、指輪を嵌めて。


『我は請う、全てを燃やす五大属性の一角、火の加護をーーーー燃焼フレイム


ぼっ。

そんな小さな音と共に、指輪から人差し指程の青白い炎が立ち昇っていた。


「……うわぁ。」

「これが魔導具……過去の遺産だ。」


目を細め、僕を見ながら。

その炎を消しながら。

更に、幾つかの事を教えてくれて。

擦り切れそうな、一冊の本とーーーーそれを読む為の、文字まで教えて貰えた事は、いつまでも感謝している事。


曰く、「魔術には、五大属性と呼ばれる五種類に属するものしかない。」

「火、水、土、風、純粋なエネルギー……属性に属さない属性、無。」

「その魔導具に刻まれた属性、増幅強度に応じて値段が変わる」ーーーーとか。


……そして、「魔法」。

これに関しては、本で学んだことだから本当かどうかは分からない。

神父様に聞いても、困った顔をしていただけだったから。

多分……教えたくても教えられない事だったんだと思う。

それを、本で理解したんだから。


その本で例えられていたのはドラゴン

圧倒的な存在と、力を持つその存在は。

『幻想種』と呼ばれ、畏怖される異界の生命体。

そして、竜はその異名の通り『幻想界』と呼ばれる世界の住人であり。

存在出来るルール自体が違う……らしい。

炎を吐く竜なら。

周囲で炎の魔術から、何からが吸収される。

生態のように、搾取するだけ。


ただ、魔法使いだけはそれに立ち向かう権利を持つ。

正確には、搾取されるみたいに無効化されない魔術とか、物理手段なら殆どかすり傷みたいなものらしいけど闘える。

だけど、魔法使いはお互いのルールを押し付け合う。

その結果、互いに互いを傷つけ合う……真っ当に、攻撃を与えられる、と。


当然、そんな存在が誰に、何も思われない理由も無く。

魔法使いは、その姿を消した。


其処までが、本に書かれていた事。

僕が見た夢は、そんな魔法使いにーーーー変わる為の、儀式の一環だと思う。

見る事自体が、儀式の始まりの。


何より。

目を覚ましたら。

世界がーーーー輝いて見えていたんだから。


……リンに、なんて言おう。

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