思考は巡る。
1日1〜2話ですが多分ペースと量は相当少なめ。
スマホからですし。
酷く世界が廻る。
誰だ。
この記憶は何だ。
何故有るんだ。
浮かんでは消えていき、消えてはまた浮かぶ。
自分が誰なのか、そんな根源的な事実すら薄れていく気がする。
声は出ない。
助けは……呼ぶだけ無駄。
ならば。
「自分が誰なのか」。
当たり前の事を積み重ねて、自分を確立しようと試みる。
周りから見れば(誰かがいるならば、だが)遊んでいるのか疑われそうな光景。
だけど、僕は必死だった。
……呑まれてしまいそうだったから。
そうなってしまえば。
戻れそうに無かったから。
ーーーー名前は?
ルイン。 十三歳。 母さんが遺してくれた唯一のもの。
ーーーー出身は?
ここから三刻程離れた、貧村。
手が、少しだけ動いた。
ーーーー家族は?
もう、いない。
ーーーー何故、こんな所に?
食べ物の確保。
邪魔者に与える食事は無い。
それが、村の総意だったから。
段々と、しっかりしてくる。
ーーーーなら。
ーーーー僕は、此れからどうしたい?
……分からない。
だけど、唯生きていたい。
……死にたくは、無いんだ。
死は、生の友人であっても。
動けるようになったのは、その後少し経ってからだった。