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epilogue
前提を後から投稿するマン。
赤い、紅い。
全てを飲み込む紅い景色だけが視界を覆う。
それを放つ、只の「黒」。
ーーーーああ、もう終わるのか。
そんな、諦めだけが脳裏を支配する。
脚は、動かない。
手は、片腕が既に無い。
視界も、血で汚れ。
感じるのは、側にいる彼女の喪われつつある体温だけ。
「僕」は、護れなかった。
一番大事な人でさえ。
そんな、後悔はしてもしきれない。
だから。
これは、「僕」のする、最期の抵抗だ。
願わくばーーーー。
消え去る前に。
最期に、そんな風に。
ただ、願った。