表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の御供  作者: 星凛
19/31

第十九話 これぞ犬と猿


「よし、前回俺から一本取れたんだから、今度は魔法ありの本気で行くぞ」

「ああ!…え?」

 ちょっと待て。前回本気だって言わなかったか。

「いやー、お前が魔法を使えないからそれに合わせていたんだが、あまりにお前の成長速度が速いのでな、こうでもしないと訓練にならんだろう」

「いや、あれはたまたま…」

 いきなりだったから通じただけであって、もう一回は多分無理だと…。

「じゃあ行くぞ!」

「ちょ、おま、人の話は最後まで、ぐほぉ」

 人の話は最後まで聞きましょう。


 小一時間後。

「ふう、良い汗かいたぜ!」

「………」

 満足そうな顔をするオルガーさんと、ぼろ雑巾おれが出来上がった。

 いくら軌道が読めても、速すぎて身体が追いつかなければ意味がない。果たして、オルガーさんの本当の本気(超本気)と戦って勝てる日は来るのだろうか。

「こんな奥の手があるなら、あれは本気とは言わないだろう!」

 吠える俺に、しれっと一言。

「それは、あの場での本気だ」

「…俺が悪いのか、これは」

 何故だか、精神的な方がよっぽど疲れた気がする今日このごろであった。


------------------------------


 部屋に帰ろうとしたところで、謁見の間に来て欲しいと言われたので行くと、もう他の四人は既に揃っており、さらに王と少年・少女がいた。初めて見る顔である。

「この二人と一緒に魔王討伐に行ってもらう」

 そして何故か、

「魔王から邪神の加護をはぎ取ったら、さっさと退散してもらって十分だ!」

「そんなこと言って、内心ではびびってるくせに」

「なんだと!」

 早速拓斗と少年が喧嘩していた。


「うちはカレン、よろしく。で、あっちがレオね」

「俺は優也だ。よろしく」

 少女の方が自己紹介してきたので、名乗り返しておく。ちなみに姓を言わないのは、名乗れば異世界人だとばれ、魔族にもばれやすくなると王に言われたからだ。まあ、此処では別に名乗っても問題は無いのだが。

「ところで、何であの二人はああなってるんだ」

 ちらりと見やると、二人の喧嘩はさっきよりもヒートアップしていた。

「なんかよく分からないけど、お互いに、『絶対こいつとは馬が合わない』って言い出して、それからあんな風に」

 拓斗にしては珍しいこともあるもんだな。

 ぼんやりとそんなことを思っていると、美咲に肩を叩かれた。

「ちょっとあれ止めてきてよ」

「…俺がか?」

「頑張って」

 はぁ、とひとつため息をつくと、俺は二人のちょうど真ん中へと割り込んだ。

 喧嘩は何故か魔法の打ち合いまで発展しており、さながら戦場だった。恐っ!

 俺が割り込んだことに気付いた二人は魔法の発動を中止し、間に合わないものは俺が剣で防いだ。ちなみに、この剣が折れたところを俺は未だかつて見たことが無い。

「そこまで。迷惑だから終わりにしろ」

「ちっ、命拾いしたな」

「それはお前だろ?僕はまだ本気じゃない」

 んぎぎぎ、とまた喧嘩しそうな雰囲気の二人を引き離しつつ、内心で冷や汗をかいた。

 この二人が本気で撃ち合いをしたら、果たしてどうなるのだろうか、と。



 オルガーさんの属性は風です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ