第十八話 初めてのお勉強
きっかけは、俺の何気ない一言だった。
「なんかさ、こんなに強いなら、勇者とかいらなくね?」
確かに拓斗たちは強いが、それに肩を並べるほどの人も、ここにはいるのだ(オルガーさんとか、フィーアさんとか)。だったら、国中から強い人達を集め、魔王を倒しに行った方がよいのではないか。
それを聞くと、何故かオルガーさんは驚いたような表情になると、その後すぐに得心がいったように頷いた。
「そういや、まだお前たちにはこの世界についてちゃんとした説明をしてなかったな」
こうして急遽、異世界組のための勉強会が開かれたのだった。
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「じゃあとりあえず、この世界について説明しますね」
講師はおなじみ、フィーアさんだ。ちなみにオルガーさんは、「俺は説明には向いてないんだ」と、逃げて行った。
話が長いので、自分なりに話を要約してみることにした。
まず、この世界にはコンフィート大陸という一つの大きな大陸があり、その周辺には小さな島々がたくさんあるらしい。というのは、この大陸から出ると、天候や気象が極端に悪くなるので、調べることができないのだ。 そして、その大陸には、二つの種族が住んでいる。人間と魔族だ。
人間は北の方、魔族は南の方に住んでおり、種族の仲は悪くいつも戦争をしている。そして、そんな魔族の長として君臨しているのが魔王なのである。
魔王は一番強い魔族、というわけではなく、特別な能力、つまり『闇』の魔法を使えるものしかなれない、と暗黙の了解で決められており、いつも必ず居るというわけではない。
しかし、一度魔王が現れれば、魔族の侵略はより一層激しくなり、そんな魔王を倒すために、人間も勇者を召喚するというわけだ。
そして、ここからが重要だ。
先ほど述べたように、魔王とは一番強い魔族ではないのだ。そして、魔族も人間と同じように魔法が使えるし、知能もある。まあ、頭に角が生えてたり、尻尾が生えてたりするが。
では、別にこの世界の人達でも、可能ではないか?そう思うだろう。
しかし、そう簡単に物事はいかないものである。なんと、魔王には邪神ゼフィナの加護があり、それを打ち破るために『光』の魔法を当てなければいけないのだ。
そのため、勇者は必要不可欠な存在であり、魔王が現れたとわかったらすぐに、勇者召喚は行われるのである。
ちなみに勇者召喚を行うのはここ、リーディエールの『光の巫女』しかできないので、他の二国(それぞれ、リュミナシア、アザストという)は資金や物資という面で支援をしている。
ところで、この世界には、二人の神がいる。女神アーリアと邪神ゼフィナだ。
女神アーリアは人間の信仰している神であり、『光の巫女』は、女神の声を聞き、その力の一部を借りることのできる存在だ(召喚には女神の力を使っている)。
そして邪神ゼフィナは、魔族の信仰している神だ。詳しいことはわからず、醜悪な顔をしていると一般的には言われている。
フィーアさんが説明したのは大体こんなものだった。
でもこの説明、何かが引っかかる。
他の四人は何とも思っていないようだし、気のせいなのだろうか…。
また新しく伏線を増やしてしまった!
一つも回収していないのに…。




