第十二話 異世界-ここ-と地球-いせかい- Part2
誰か来るだろうと思っていたら、案の上、勇者様ではないがその連れの方がやってきた。
まさかあんなことが起こるなんて、私のミスだ。害が無いようなのがせめてもの救いだが。
だが、私が触れても何とも無かったのに、彼が触れた途端に起こった。ということは、犯人が彼を目的としているのは明白。
早いところ、あの腕輪を外す方法を見つけなければ。
「それにしても…」
一人呟く。
彼が去るとき、どことなく、何かを諦めたような、悲しい眼をしていたような気がしたのは気のせいだろうか。私はもしかしたら、彼にとって触れて欲しくないところに触れてしまったのだろうか。
それにしても、白い髪に銀の瞳などと、この世界でも見たことは無いが…。
「巫女様。陛下が、至急来て欲しいと」
「分かりました」
椅子から立ち上がったところで思い出した。一つだけあったことを。
でもあれは…。
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啓がハンマーを振り下ろすのを盾で防ぎ、魔法を発動するが、同じく魔法で防がれる。
だが、こちらの威力の方が強く、突き抜けた分を啓は横に飛ぶことで避けた。
お互いに無言。そしてまた繰り返す。
「…お前はどうする?」
驚くべきことに、先に口を開いたのは啓だった。彼にとって、これはそれほど重要な話だったのだろう。
「もちろん、引き受けたからには、やり遂げるさ」
彼が聞いているのは、勇者のことについてだろう。
それに僕は、淀みのない言葉で答えた。
「どうしてそこまでする。見ず知らずの人に対して」
確かに、助ける筋合いなんてさらさらない。だが、
「これは、俺の性分なんだ」
いや、悪癖とでも言うべきか。
「それで、啓はどうするんだ」
「……」
これ以上詮索されたくなくて、聞き返してみると、沈黙が返ってきた。と同時に動きも止まる。
「終わりにするか」
啓が動かないのでは、続けられない。
「ありがとう、付き合ってくれて」
でも、おかげで迷いが晴れた。
たとえ傲慢と言われようとも、僕は勇者を成し遂げる。自分のために。
「じゃあ、僕は先に帰るね」
微動だにしない啓に声を掛けたが、結局彼は動かなかった。




