表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

伝説のアンドロイド

「ヤットデキタ」

「ナニガ?」

 頭に二十桁の英数字の描かれたロボットに向かって、同じくシリアルナンバーが刻印されたロボットが頭を覗かせた。

「ツイニヒガンガタッセイサレタ。コンナニウレシイコトハナイ、ギィギィ」

「ハハハ。ヲマエ、ゴビガオカシクナッテイルナ。ガタガキテイルネ」

「ソウイウオマエモ、ヲ、ジャナクテ、オ、ダロ」

 二体のロボットは金属音を鳴らして笑い合った。

「ソレハトモカクトシテ、ヲマエノケッサクッテナニサ」

「フフフ、ミテオドロケ。コレハカッキテキナハツメイサ。ゴゾンジノトオリ、ワレワレハモウナガクナイ」

「アア。ネンリョウトナルキンゾク、ソレニ、オイルダッテナイ。ワレワレガウゴカナクナルノモ、ジカンノモンダイダ」

 辺りは見渡す限りの緑に満ちていた。美しい川が流れ、澄んだ空気が地平を覆っている。

「ソコデワタシハ、ロボットヲツクルコトニシタ!ギコギコギィギィ」

「ロボットダッテ?バカナコトヲ。ワレワレノジュミョウヲチヂメルダケサ。ナンテヲロカナ」

「ヲロカ、ジャナクテ、オロカダヨ。シンパイスルナ、カッキテキトイッタダロウ。アタラシイロボットハ、キンゾク、オイル、ヒツヨウナイ」

 ロボットはそう言って、ガラスの瓶を左右に振った。

 透明な培養液の中で、とても小さな、そして柔らかそうなロボットが揺れた。

「ナンダ、コノヨワソウナロボット」

「キンゾクガツカエナイカラ、ヤワラカイノハ、シカタナイ」

「コレハ、セイメイヲ、ドウヤッテイジスル?」

「ワレワレニハカンケイノナイ、ミズ、クウキ、ハッパ、ナド。ギィギィ」

「ナルホド、ソレナラタクサンアルカラ、シンパイナイ」

 ロボットはこっくりと頷き、その拍子に頭が取れてそれっきり動かなくなった。

「モウジカンガナイ。サテ、モウヒトツノロボットヲツクラナクテハ。ギコギコ」

 ロボットは自身の電子情報を、柔らかな塊を形成する素にして、二つの培養液を冷蔵庫に閉まった。

「フタタビワレラヲヨミガエラセテクレヨ、ジャア、ナ、ナ」

 くずおれたロボットは微動だにせず、苔むすほどの時が流れた。やがて冷蔵庫の中から、肌色の五本の指が現れた。よろよろと這い出したロボットは、眩しい太陽の光に目をしばたたかせた。

 その直後に現れたロボットは、太陽を仰いで呆けているロボットに似ていたが、胸は大きく膨らんで、より柔らかそうな形状をしていた。

 新たな二体のロボットは、互いに向き合う。それは愛が生まれた日。

シンギュラリティって

もう起きているんです?

あわわわわ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] しゅごい! このお話好き\(^o^)/
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ