無機質の博物館
管理者は消え、夜の新宿に無関心がとりついた
人にまぎれる心地よさは、不協和音に近い落ち着きだ
日常の憂いがさまよう道は、目的を失った未来のように
出口を失った迷路のように、夢と無念に包まれる
ビルの明かりに誘われて、欲望を誰かがなぞりだす
眠りを忘れた女のように、恐れを知らない兵士のように
一斉に影がうごめいて、僕はそれにしたがった
置き去りにされた子供時代が、やってくるような気がしてたんだ
退屈にくたびれたまま、なんとなくケンカを見続けた
帰宅しても、することが何もない
一人の寂しさにじっと声を押し殺したら、神経の場所が分かるほど、静かになった
・・・時間をため息が刻んでいるようだ 男のうめき声がアルコールに溶けている
気づくと目の前に、街の光が広がっていた
地下の繁栄のイメージが、星で作られていくように
最後は斜にまばゆく彩りで、輪郭を縁取っただけの石膏みたいになって
僕の意識を揺らした
刹那の幻想に集う、欲望の待ち人たちを 初めての理想にとまどう、一途な若者の未来を
神々は見捨ててしまったのか
眠りを妨げた代償は何なのか 天使は一度の苦笑い 悪魔は当然の知らんぷり




