014 隣りのJKとの恋バナ
恥ずかしそうに桃花が答えるのを見て、翔はとてもピュアで純粋なものを見ている心地がした。
「いいね。気になる人って、どんな子なの?」
どんなクラスの男の子だろうと想像しながら、翔は桃花に質問を重ねた。
「そうですね…とっても優しそうで、色んな人に親切にできて、大人っぽいけど…でもちょっと抜けてるところとかがあって…、すっごく素敵な人だなって。」
「ふーん、なかなかベタぼれだね。」
「……そうなん…ですかね?///」
恥ずかし気に応える純情な乙女が、まさか自分のことを慕っているとは翔は露にも思っていない。
青春の色にきらきらと輝く炎を、対岸の高みから見物しているように、翔は第三者的な立ち位置で桃花の話を聞いていた。
来週の金曜ロードショーの映画が、あまり興味のない洋画のアクション映画であることを確認し、食器を片づけて、その日はお開きになった。
自室に戻った桃花は、ウサギ型の抱き枕にひしっとしがみ付いて、悶えていた。
桃花は先ほどから、まだ膨らみかけの胸の辺りがずっとどきどきと脈打っていた。
孤独で一人訪れた神戸の町で、見ず知らずの私に優しい笑顔で親切に接してくれたこと…。
私の作った料理を、いつも美味しいと言って食べてくれるところ…。
大人っぽいけど、料理がとっても苦手なところ…。
苦手な料理も、一生懸命努力しようとしているところ…。
“そうえば翔さんって彼女さんいるのかな…。”
せっかくなら、あの話の流れで聞いとけばよかったと桃花は後悔した。
だがしかし、翔にもし彼女がいたらどうしようという不安もある。
「~~っぅ///」
桃花が一人、布団に顔をおしつけて悶える一方で、翔は能天気に「やっぱり宮崎駿は偉大だな」っと、座面が回転する椅子に座りながらクルクル回っていた。
※読んでいただける人が増えてきたので、今後の恋愛の展開等についてコメントでご意見いただけると嬉しいです。(誰と誰をくっつけろ、どのタイミングでくっつけろなど、お色気は控えろ、いやもっとやれだとか……こんなイベントやれ、こんな料理作れ、とか……)
邪道かもしれませんが、天の声のみなさま(読者様は神様)が喜ぶ展開になるよう、参考にしたいと思います。