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長親の目が新しい玩具を見つけた子どものように光った。
「おいしいっ」
「そうか、それは良かった。もう少し汀が大人になれば、酒の味も教えてやれるというのに残念だ」
「お侍さま、どうぞぉ」
女がしなだれかかるように宗平に酌をして、どぎまぎしながら受ける宗平の姿に、長親の目が新しい玩具を見つけた子どものように光った。
「宗平は、こういう遊びは初めてか」
「こういう、とは――?」
顔を上げた宗平に侍る女たちに、長親が目配せをする。それを受けた女たちは、両端から宗平を挟み込むように体を寄せ、甘えた目で彼を見た。
「お侍さん、がっしりしていて強そうだわぁ」
「私ら二人でも平気で抱えてしまえそう」
「えっ……」
「それに、こんな怖そうな体つきなのに、お顔は柔らかくていい男」
「惚れてしまいそう」
「えっ、あっいや――その、なんだ」
それほど飲んではいないのに、女たちの甘さを食らって耳まで赤くする宗平を、喉の奥で笑いながら肴にして酒を飲む長親に、孝明が咎めるような目を向ける。
「なんだ」
「汀が居ます」
「方便だろう」
「…………」
「気に入っているようだな」
しみじみとした長親の声音に、寂しげなものが浮かぶ。
「試しておられるのですか」
「何をだ」




