「素直じゃねぇなぁ、アンタはよォ」
平坦なままの孝明の様子に、いささか気落ちをしたらしい宗平は、首の後ろを掻きながら、つまらなさそうに唇を尖らせる。
「アンタって、本当に感情の起伏が薄いよな」
「そうか――?」
「そうだよ」
「宗平が、大げさすぎるだけだろう」
「おれは、普通だって。汀だって、同じくらいに表現してんだろ」
「汀は、子どもだからな」
ふっと目の端で笑った孝明に、一瞬気分を害した宗平はすぐに機嫌を取り戻し、ふふんと鼻で笑った。
「素直じゃねぇなぁ、アンタはよォ」
「何の話だ」
にやつきはじめた宗平が、わかってるってと言いながら孝明の肩を叩く。
「アンタは、おれを気に入ったんだろう? だから、用心棒という名目で旅に誘った。――ああ、わかってる。わかってるって。何もいうなよ。アンタが素直に、そうだなんて言わないことは、重々承知しているからさ。アンタのその憎まれ口も、汀相手じゃあ出来ないしなぁ…………アンタ、寂しかったんだろ?」
ん? と確認をするように顔を覗き込まれ、わずかにのけぞった孝明に迫るように、宗平が顔を近づける。
「邪魔だ」
「ふふん」
離れた宗平は、素直じゃ無いねぇと言いながら焔の首を撫でる。
「勝手に、好きに思っていろ」
「おう、そうさせてもらうぜ」
そんな話をしているうちに、先ほど宗平が示した曲がり角に差し掛かり、この国一番の宿場町へと彼ら一行は吸い込まれるように入って行った。




